イーロン・マスクやマーク・ザッカーバーグなどのIT業界の巨人に容赦なく
噛みつく論客スコット・ギャロウェイが、GAFAと呼ばれる巨大IT企業が世界を席巻していると警鐘を鳴らした『The Four Horsemen』(四騎士)の発売から間もなく7年が経とうとしています。

その後、サティア・ナデラCEO(2014~)によるMicrosoftの復権から世界をけん引する米国IT企業を軸とした株式時価総額の大きな米国の巨大プラットフォーマーはGAFAMへと拡張されました。

その後、およそ2年の間に急成長する世界的動画配信を手掛けるNetflixsやAI関連銘柄とされるNVIDIAやAMDを加えてnextGAFAやFANG(FANG+)などと呼ばれるようになりました。

2023年にはGAFAMにNVIDIAやTeslaを加えた米国株式市場をけん引する7銘柄をMagnificent7(M7、マック7、神7)などと呼ぶようになり、日本でも経済ニュースなどで名前を聴くようになりました。

しかし市場の移り気は早く、2024年1Qが終わる頃には長年の研究開発を続けてきた自動運転車から撤退を表明したアップル。
電気自動車の中国メーカーBYDらによる攻勢と、中国生産で量産技術が流出していると懸念され伸び悩むTesla。

アップルとAI技術Geminiの提携を発表しながらも、ChatGPT有するOpenAI社と提携を強化するMicrosoftと比べられ波に乗り遅れたAlphabet(Google)は今やS&P500の上昇率を下げる悪材料と揶揄される始末。

M7からこれらを除外し高収益が今後も期待できるFabulous4(Fab4、F4、ファビュラス4)が今やウォール街では代名詞となっています。

わざわざ名前を冠してまでもてはやされた輝かしい銘柄たちが、こんな短期間でほんの1~2四半期の業績でそこから外されたり、それによって市場の注目度が薄れることで投げ売られたりする様は滑稽というよりも、よりハイリターンを追求するあまり先鋭的になりすぎているとさえ言えます。

これはMSCIにしても、FTSEにしても、S&P500などにしてもインデックス運用の指数を組成する上での市場の平均値を算出するという理論に"逆行"してリスクを大きく取るという発想に近いと言えます。

あまりにも市場参加者、投資家が高いリターンに慣れすぎてしまったがためにより銘柄数を絞り込み、少しでも高いリターンが期待できそうと思われる企業へ投資をしようとする短期的な傾向に危機感を感じないのはもはや感覚がマヒしていると言えないでしょうか。

Fabulous4とは

AIの演算に欠かせないグラフィックボード(GPU)の世界的メーカーとして、今や時価総額ではAmazonさえも追い越し、米国株式市場でMicrosoft・Appleに次ぐ第三位に位置するNVIDIA(エヌヴィディア)。

鳴り物入りで発表したメタバースが不発、Twitter騒動でリリースしたThreadsも鳴かず飛ばず…だったはずのMeta(Facebook/Instagram)。
そんな中で自社株買いやレイオフ、そしてオフィスの縮小などの見直しを行い、減った人員を補填するためにAI技術を積極的に活用。

米国半導体大手のブロードコムCEOホック・タンをMeta取締役に迎え、半導体技術とAIを発展させた人工汎用知能AGI(Artificial General Intelligenc)の開発を表明。

NVIDIAのGPU(H100*)を35万基追加し2024年末までに合計60万基のAIインフラを構築することを発表しています。

これは日本の経産省から支援を受けてさくらインターネットやソフトバンクが構築する国内最大級のAIインフラ(NVIDIA GPU2000基以上搭載)と比べても桁違いの規模となり、一躍世界のAIサーバーの大手に生まれ変わることになります。

またAmazonは以前からAmazonPrimeVideoやAmazonMusicの視聴履歴とAmazon.comの購買データからよりその人を理解して、その人が好みやすい傾向の商品や映像・音楽をビックデータから提供してきました。

AIにおいてはAlexaでの音声アシスト機能が知られていますが、AWSにおけるサーバーの稼働にNVIDIAのGPUを長年大量に購入してきたのもAmazonでした。

長年築いてきた関係性と既に構築されているクラウドサーバーの世界的ポジションから優位性はおいそれとは揺るがないことに確信を持っている企業の一つかもしれません。

OpenAIのお家騒動で支援者から同盟関係にまで踏み込んだMicrosoftは、スタートキーをキーボードに追加した1994年以来のキーボード変更で生成AI『Copilotコパイロット』を使えるようになります。

こうしてみるとFabulous4に共通するのは今話題のAI関連の研究や開発、サービスを提供している銘柄と呼ぶ事もできます。

AI関連技術はまだまだ発展途上ですが、こうした「今後成長していくであろう期待されている企業」は代表的な成長グロース株と呼べます。

所でこうした成長株に注目が集まる時、どんなことに気を付ける必要があるのでしょうか？

今回は『成長株投資の祖』と呼ばれた伝説の投資家と、その理論の基本について解説しています。

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