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ファックスとテレックス

旅行会社に入社したとき、ファックスはあった。けれども、取引先の海外エージェントがまだファクスをつかっていないところもあって、テレックスも使っていた。

へ?テレックスって?

テレックスが分かる人、いるかな。。。

「テレックス」「telegraph exchange」の略で、FAXが普及する前に使われていた通信機器のことを言います電話にタイプライター機能が搭載されている様な機械で、タイプライターにより文字を打ち、相手に電話をかけると、その文字が電子化されて相手のマシンに表示されるという仕組みです。

「言葉の違いが分かる読み物」より抜粋

私が勤めていたオフィスで使っていたのは、文面が三枚複写式の紙にタイピングされるタイプだった。

連休明けに出社すると、海外から送られてきたテレックスが長い長い帯のように150cmくらいの高さから床にまで垂れ下がり、それがさらに折り重なっていることがよくあった。

その長い帯の文面を読み、定規をあてがいながら複写式の紙を切る。そして、担当者別に配っていくのが連休明けの朝の仕事だった。

あるとき、中南米担当の先輩が、
「ついにコスタリカのA社もファックス導入だって!楽になるわー」と喜んでいた。

テレックスは文字数で通信料が変わるので、極力省略可能な単語の文字は省くのが鉄則。

例えば、
Thank you for your message dated January 30th.
なら
Tnk u fr yr mssg dtd Jan 30.
のように、「a、i、u、e、o」といった単語の母音を削って文を作る。

新入社員の時、慣れないとこの文面をタイピングするのに時間がかかり苦労した。先輩は慣れたもので、鬼の速さでタイピングしていたけれども、やはり普通に文面を作れるFAXのほうが楽なので、A社のファックス導入のニュースに喜んだ。

ところが、喜んだのもつかの間、2週間後にテレクッスでA社からメッセージが入った。

「私たちのオフィスの新しいFAXが盗まれました」

「あ~っ!!」先輩はテレックスを読み上げて叫び声をあげた。


なぜだか、古い記憶が蘇りました。
いまや、ファックスでさえも使わなくなりましたね。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
また、次のnoteでお会いしましょう。



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