FBプロフ

歌うことが心身に与える良い影響はおそらく多くの人の想像を超えています。

歌うことが健康に良い、アンチエイジングになる、ということはちょっと考えるとわかるし、私も含めそう伝えてるボイストレーナーや歌手は大勢いる。でも、もっと深いところでも人の魂を癒す効果があるのです。

脳の活性化

歌は非常にアーティスティックだし、右脳的な側面が強いと考えられているけれど、実は左脳的な要素も多々あります。

例えば曲の構成を覚えたり、ハモりなどで音の積みを確認する時は、とても数学的な感覚があります。特に音階は数値化されますからね。

また、歌詞を覚える、という作業は文字の処理で左脳が優位になったり、イメージ力を伴うことで右脳に助けられたりもするそう。

いずれにせよ、頭をめちゃくちゃ使います。
アラフォーをすぎ、周囲と会話をすると出てくる話題は健康や介護のことばかりですけれど(笑)、歌っている限りボケる気が全くしません。

身体で感じるリズムや滑舌

一方で、どうあがいても身体しか使えないなあ、と思う部分ももちろんあります。

それは例えばリズム。もちろんアプローチとしての理論はたくさんあり、そこで頭を、脳をフル回転させることで掴める感覚はたくさんあります。私のボイトレは概ねそこをうまく利用してるし。

でも、実際やる時になると、やはりリズムは身体で感じるもの。

難しい踊りになるわけではなくて、音楽に合わせて手遊びや足踏みをしていくだけで、身体はあたたまるし、運動神経は上がっていきます。(ここでいう運動神経は「神経回路」がスムースになるという意味。)

それから滑舌や発音をよくするには顔の筋肉がしっかり動く必要がある。年齢を経て頬が下がってきたり、唇の力が弱くなると発音できない音や音色もあるから、そこを鍛えていくことは口腔内の健康だったり、美容にもつながるんです。

歌うことは、頭のてっぺんからつま先まで余すことなく使います。使わないのは髪の毛と爪くらい。

空気の振動が幸せを感じる

そもそも歌は声が大元にあり、メロディやリズムが肉付けされて歌になっていきます。

大元にある声は、空気の振動。バイブレーションです。
そして振動は言い換えれば一つのエネルギー。

面白いことに、その人のエネルギーはそのまま声になります。

発声というのは生きるために不可欠な呼吸から起こる運動のせいか、その持ち主の様々な要素が関わってきます。

落ち込んでる時も喜びいっぱいの時も、その気持ちは声に現れちゃうんです。電話が主流だった時代は、「もしもし」の一言で、「あれ、元気ないな」とか、「あ、なんかいいことあった?!」などわかることもあったはず。

ポジティブで元気なエネルギーであれば、それは振動となって広げられていくものです。

声を重ねるということは

私はコーラスユニットSound Of Spirit(SOS)として、歌のお仕事をさせていただくことが多いです。3人がそれぞれ、ソプラノ、テナー、アルトを担当してハーモニーを作っています。

私たち人間は、唯一無二の個性ある声を持っているのはご存知の通り。
一緒に声を合わせて一つの曲を歌うためには、周りの人の声をよーく聞く必要があります。が、かといって自分の声をないがしろにしても、良い歌は生まれません。

ありのままの自分の声を大切にし、その上で異なる個性を持つ相手の声にしっかりと耳を傾けながらそこに自分の声を重ね、共に一つのものを作り上げる。。。それによって心地よいハーモニーを生み出すことができるんです。

ありのままの自分を大切にし、自分とは違う相手を受け入れ重なり共に生きる。豊かな人生そのもの。その時生まれるハーモニーは本当に美しいはずです。

歌うことは愛することかもしれない

ありのままの自分の声を大切にして歌うということは自分を愛することに他ならないし、相手の声に耳を傾けて尊重していくことは、相手を愛すること。

大げさだって?

ノーです^^

ユニットSOSでは、様々な場所で歌わせていただき、一緒に声を重ねるプチワークショップをすることも多々なのですが、その一瞬に愛を感じることのなんと多いことか。

子供向けのワークショップなどではより顕著です。

子供は、自分を飾ることも評価を気にすることも大人より少ないから、、でしょうかね。その無垢な声を聞くだけでウルウルしてしまいます。

源にあるのは「愛」しかないんだよな、と思うしかないの瞬間。

歌うことで愛と世界平和を広げられるって思うのはこんな時です。





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