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雅楽と癒し波動

 今日は、11月3日、文化の日です。

 文化といえば、2020年の1月、雅楽を聴く機会がありました。場所はサントリーホール。

 雅楽を生で観劇するのは初めてということで、今回は堪能するより、まずは体験してみようと、後方席を選びました。
 初めに、きらびやかな金襴の衣装を纏った、笙、竜笛、楽太鼓といった伝統の楽器を演奏する方々が入場。
 厳かに、雅楽の演奏が始まるなか、静々と演舞の人が入場し、会場は独特の雰囲気に包まれました。
 舞台を囲むように設えられた座席にいる観客は、舞台で執り行われている演奏と舞にすっかり引き込まれて、聴き入り、観入っています。

 と、なぜか体が左へと傾き、深く項垂れていくのを感じました。
 どのくらい時間が経ったでしょう。パッと目が覚め、一瞬、ここはどこ、私は誰?状態にどうやら眠っていたようです。
 しかも身体を半分に折るくらい、深い深い、深淵の世界へ吸い込まれていました。時間としては、わずか数分のことでしたが、意識は朦朧としています。

 改めて姿勢を正し、演奏に聴き入り、演舞に集中。
 ところがです、気づくと、また深淵の世界へと入り込んでしまっていたのです。
おそらく傍目には、居眠りと映っていたでしょう。
 しかし、実際には到底そんな浅さではありませんでした。この世の世界ではないと思われるほど、深い世界へと誘われていたのです。

 何度かそれを繰り返しながら、演舞を観賞し、演奏に聴き入って、終演。
 結局、演奏も演舞も、途切れ途切れしか記憶できず、しかも、席を立とうにも、立てません。
 やっとの思いで会場から出ましたが、まるで全身の細胞が開き、ほぐれたような感覚。今にも、ぐったり寝そべってしまいそうな脱力感を必死に堪え、歩くのもやっとの状態のなか、ふらつきながらも、どうにかこうにか地下鉄の駅までたどり着き、ゆっくり時間をかけて帰ってきました。

 おそらく、雅楽が奏でる波動によるものだと思われます。
 これほどまでに癒しの波動を感じたのは、初めてでした。
 まさか、初回にして、こんな体験ができるとは…
 もし、これを頭、つまり思考で、雅楽とはこういうもの、厳かなもの、歴史のあるもの、格式のあるものと予め知識を入れ、頭で理解して観賞したなら、ここまで深い癒しを感じることはなかったでしょう。実際、完璧な思考型の知り合いは、何度か雅楽に触れていると言いますが、私のような体験は、したことがないそうです。

 もちろん、私が特別な感覚の持ち主なのではありません。
 後日、調べてみたところ、同じように寝込んでしまう観客は、珍しくないのだとか。驚いたのは、演者さんが演奏の最中に寝てしまったことさえあるという、演者さん自身が書いたブログを見つけたときです。
 さらに、たまたま観たテレビの音楽番組に、ダンサーのサムさん(安室奈美恵さんの元夫さん)が出演。現在、能楽の修行をされているという話から、観客はほぼ全員寝るのだということを聞き、なるほどと合点がいきました。やはり波動のなせる技です。

 サムさんなど、波動についてあまり知らない人たちは、能楽は退屈だから寝ると思われているようでしたが、波動について少し勉強している立場からすると、これは明らかに波動による「癒し」が起こっていると理解できる話です。
 すべての音は波動です。古からの音を奏でる雅楽、能楽に、癒しの効果がないはずはありません。

 再び、雅楽を体験できる機会が来るかはわかりませんが、もし、雅楽を鑑賞する機会がある方は、ちょっと意識して、頭ではなく、心で舞の動きや、雅楽の演奏を感じてみてください。
 きっと興味深い体験ができると思います。


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