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魂を鷲掴みにされた歌声

この4日、タイの俳優でミュージシャンのMewSuppasit(ミュウ・スパシット)の1st FUN MEETING inJapanに行ってきました。

たまたま観た、タイのドラマで彼が主役を務めていて、そこで歌っていた挿入歌を聴いた時に、なんて素敵な声をしているんだろう。歌が上手いんだろうとファンになり、タイのファンクラブに入会したことは、以前にも書きましたが、タイに出かけて行って、彼の生の歌声を聴く機会は、100%無理と思っていました。それが、まさか半年で夢が叶うとは…Twitterに告知が出た時は、正直、震えましたし信じられない気持ちでした。

公演は1日限り、昼夜行われ、ファンクラブ会員限定のチケット先行抽選と、オフィシャル先行抽選の2つが予定されていたのですが、なぜかいつまで経っても、タイのファンクラブからのメールが来ません。仕方なくTwitterで知り合った友人に、サイトを教えてもらって、試しに入ってみると入れた!もし、弾かれたらその時だとダメもとで抽選申し込みをしたところで、タイのファンクラブからメールがきました。どうやら、行き違いがあった様子。これで、申し込みは無事クリア。あとは当落を待つのみです。

通常、コンサート、ライブ、演劇もそうですが、公演の告知は数ヶ月前。今回のような、ひと月前の告知は初めてでした。ただ、タイに住んでいる日本人の話によると、タイは割と直前の決定が多いのだとか。Mewさんももしかしたらそうだったのかも。ただ、日本の場合、仕事の関係上、すぐに休みを取れることは難しい人が多く、案の定、直前すぎるとの声が多数聞こえきました。慣習の違いが、こんなところにも表れるんだなと…

数日後、ファンクラブのチケットの当落が判明しました。
今回のファンミーティングでは、VIP席と一般席のふたつが設定されていて、VI P席は特典があるとのこと。内容は後日と書かれていたので、分かりませんが、せっかくの機会とVI P席を希望したところ、夜の部だけVIP席が当たりました。
先日のgulfくんの時は、昼の部だけを申し込んで当たったのですが、今回は、海外アーティストの一番の推しということもあり、昼夜行きたい気持ちが募り、オフィシャル先行最終日に、改めて昼の部だけを申し込みました。

で、結果は当選。VIPではありませんが、当たっただけでラッキーです。
これで、当日を待つのみ、と思っていたら…なんとなんと、Mewさん本人がインスタライブで、燃え尽き症候群で通院していることを告白したのです。その日は大きなイベントがあり、ライブステージで結構な曲数を披露。見た限りではいつも通りのパフォーマンスと、歌を聴かせてくれていたので、青天の霹靂と言っていいくらいの衝撃がTwitter上に走ったことは言うまでもありません。ただ、インスタライブでの彼の様子からすると、相当疲れていることは、一目瞭然で「もう働きたくない…」との切実な声に胸が絞られるようでした。

さらに11月1日には、突然の事務所閉鎖が発表されて、ファンの間には激震が走りました。数日前の本人の告白の様子からして、事態は軽くはないと思っていましたが、こんなに急に事務所を閉じることになるとは、誰も予測しえなかったと思います。これで果たして彼は来日するのか、4日のファンミーティングは開催できるのか、正直不安でした。

結果的に年内の決まっていた仕事はする、との方針で、日本での、彼の初めてのファンミーティングは予定通り開催されるということが決定しました。
4日までの数日の間も、Twitter上では中止もやむなし、とか、パフォーマンスはしなくてもいいから、だたステージで横になっててもいい、などの声もあって、みんな彼のことを心配していました。

結局、ファンミーテングは予定通り開催となった当日。
ずっとぐずつき気味だった空は快晴。青空が広がったとても気持ちのよい朝を迎えました。
会場となった、中野サンプラザホールは彼の歌を聴こうと集まったファンでいっぱいに。もちろん私もその中の一人として、はやる心を抑えながら、開場の時間を待っています。

いよいよ昼の部の開演です。
黒い襟に白い縁取りがついたスーツで登場。
歌の順番は、はっきりと覚えていないのですが、Nan Na 、Good Day Missing You を聴かせてくれました。
驚いたのは、その声量と歌のうまさです。
普通、生のステージだと、ミュージシャンのほとんどは、ちょっと不安定な歌い方や、アレンジして歌ったりして、音源とは違った印象で歌うというのが、当たり前でした。
でもMewさんは違っていたんです。
えっ?もしかして口パク?思わず、そう疑ってしまうほど、彼の歌はほぼ音源通り、しかも声量が抜群にあったのです。
もちろん、口パクなんかじゃありません。
呼吸する際の息遣いや、声と唇の動き、胸の膨らみ(肺活量)、喉の動きが大スクリーンからしっかり見えて、本当に歌ってる…すごい。
しかも、今の彼は、燃え尽き症候群を患っていて、病院にも通っていて、万全の状態ではありません。なのに、この迫力と歌唱力。唖然、呆然しながら、生の歌声を聴いていました。

(途中、インタビューとゲームの時間がありましたが、その時のことは、別に書きます)

ここで一旦、衣装がえでMewさんは退場。会場の観客だけ特別に撮影された、映像を流して彼の登場を待ちます。
衣装がえを終えて登場した彼は、白いノースリーブのジャケットと白いパンツ姿でした。183センチの長身にスマートな体型、端正な顔だち。そこが魅力であることは間違い無いですが、私が惹かれているのは、その歌のうまさ。それを遺憾なく発揮してくれ、圧巻だったのが、日本語で歌った、BUttur-Flyでした。


日本人の和田光司さんという方が、歌っていたものを、Mewさんがカバー、バラードver.で歌ったのですが、心を鷲掴みにされました。
日本語を勉強していること、以前にも彼自身がギターに弾き語りで歌っているのを上げていて、大好きな曲だったということもるのでしょうが、相当練習しただろうなと想像させる上手さでした。

この曲を聴いて、やっぱり彼は、本物のミュージシャンだなと確信しました。歌に魂が込められいる。外国のミュージシャンが、母国語ではない歌を歌って、これほどまで心に響いたのは彼が初めてです。

ラストに彼のデビュー曲であり、私がもっとも好きな「Season of You」を歌ってくれました。もしかして、今回は聴けないのかなと思っていたのですが、やっぱり歌ってくれました。

私が、この曲を好きな理由はたくさんあります。
彼の歌声が好き、タイ語のフレーズが耳に心地よい、優しい、メロディーが好き、そしてアレンジが大好き。アコースティックな音の使い方、イントロ、間奏、アウトロ全てが丁寧に作られていて。音の一つを聞き逃したくないという気持ちにさせてくれるのです。

残念ながら、日本の今の音楽は、ビート、リズムが中心で、あまりイントロに力を注がない傾向が見られます。イントロ、間奏、アウトロが好きな私としては、とても残念な傾向です。

歌い終えて、舞台から下がるMewさん。しかし、拍手は鳴り止みません。もちろん私も拍手し続けました。アンコールを求めるような拍手ではなく、ただただ賞賛を送るかのような拍手が、延々と続きました。
そして、どのくらい時間がたったでしょう。再び彼がステージに戻ってきて、10月23日にリリースしたばかりの、TurnOff The Alarm を歌い始めました。この曲は、韓国のミュージシャンのSUHOさんとのコラボ曲です。
リリースした日と翌日。日本のiTuneのヒット曲ランキングpopで2位を獲得しました。とても優しい曲で、SUHOさんとの声質が合っていて、一瞬どちらが歌っているのかわからないくらい。聴いていて、気持ちがよくなる曲です。

と、昼の部はここまで。
夜の部まで、まだ数時間余裕があったので、グッズを置きに、一旦自宅に戻りました。が、家に着いて時計を見ると、休んでいる暇はあまりなく、すぐに電車に乗り、中野サンプラザへと戻りました。

いよいよ夜の部の始まりです。
昼の部を終えて、日本のステージ、観客に慣れたせいか、リラックスした様子のMewさん。

聞くところによると、昼と夜の部の間に、中野サンロードをぶらぶらしたとか。おもちゃ好きの彼。気に入ったおもちゃを見つけたかな。

午後6時半、夜の部が始まりました。
セットリストは同じです。昼とは違う衣装。大きめなチェック柄の濃いグレーのスーツに、インナーは赤と黒と緑のアニマル柄。
疲れを感じさせない歌に、ノリノリの観客席。
今回も、日本はマスク着用、私語禁止でのライブ、コンサートを定めています。自由に掛け声をかけたり、一緒に歌えるタイとは違って、制約が多い中でのステージは、パフオーマンスする側も寂しく、張り合いのないものかもしれません。が、決まり事は決まり事、仕方ありません。
一緒に身振り手振りをして、リズムやメロディーに乗った姿を見てもらおうと一生懸命にペンライトやこの日のために用意された丸い形のMewペンライトを振るファンの人たち。こんなファンの姿に、Mewさんは喜んでくれたかどうかは分かりませんが、日本に来て嬉しいと言ってくれました。もともと日本が好きで、コロナ禍になる前は、毎年のように日本に観光で来ていた彼は。理解してくれたと思いたいです。

体調はどうかな、疲れていないかなと思ったのですが、とんでもありませんでした。
昼の部を超える、歌唱を披露してくれたのです。

昼の部と同じように、衣装がえがありました。
登場した姿は、黒い少し厚手の生地で、ノースリーブのフーディで星のスパンコールの刺繍が施されています。スボンは黒く大きめでゆったりとしたもの

シーンと静まり返ったなか、無伴奏で囁くような歌声が聴こえてきて…、見るとマイクを持つ手が震えています。
こんな緊張した彼を見たのは初めてです。
ピアノの伴奏が始まって、歌い始めるMewさん。
魂の叫びとはこういうことを言うのでしょうか、魂を揺さぶる声とは…
あまりの衝撃に、胸を鷲掴みにされました。この時、MewSuppasitというひとは、まさしく本物のミュージシャンだと確信しました。

燃え尽き症候群で、体調は万全ではないはずなのに…これだけの歌を聴かせてくれている。
もし、体調を崩すことなく万全の状態で、ステージに上がってくれていたなら、それを思うと悲しく、居た堪れない想いにかられました。同時に、そんな状態でありながら、日本に来てくれて、素晴らしいパフlーマンスをしてくれた彼が、本当に壊れないでくれてよかった。その前に決断してくれて、本当によかったと、心の底から思わずにはいられませんでした。

ぜひ、MewSuppasit さんの ButterFly を聴いてみてください。
この映像は、彼のお母様がステージの陰で撮影したものです。
燃え尽き症候群になり、事務所を閉めるにあたり、お母さんが今後の仕事の窓口になるそうです。息子さんを見守ってきたお母さんの思いも詰まった映像をどうか観てください。           ↓

Mewsuppasit cover Butter-Fly / 和田光司【Animelo Summer https://youtu.be/pYalX-pR7nQ @YouTubeより


Mew Suppasitさんの、その後の動向について、わかったことをここに記しておきます。


11月1日をもって、彼のファンクラブは閉鎖となりました。
俳優、音楽、モデルの活動に関して、すべての活動をサポートしてくれていた、会社とのマネージメント、サポート契約は終了したそうです。
すでに契約している年内の仕事については、履行していくという話で、彼のママが窓口になっています。仕事現場には、ママが付き添って行っているのが、配信や写真、映像で確認できます。
仕事のスケジュールなどは、妹さんのサポートを受けていると、彼自身が話していました。
事務所の閉鎖ですが、俳優、音楽、モデルなどの仕事をサポートしていた会社との契約が切れた段階で、そう解釈するのが妥当だろうと、多くの人が判断したようですが、後日、イベントに出席後の囲み取材によると、事務所は完全に閉鎖したわけではなく、今までのやり方ではN'Mewの心身は守られない、これからは本当にしたい仕事をしていくという彼の意向に沿った新しい機構を作っていく準備をしているところということでした。
実際、会社との契約は切れたはずですが、Twitter上ではMewSuppasit studio
という名称で、彼に関する告知をしています。
どういうことになっているのかは、わかりません。

来年は完全に休業するのか、それともセーブして仕事を続けながら、回復を図っていくのかも不明ですが、お医者さんの指示で、SNSにアクセスしない生活を、しばらく続けていました。最初、Twitterのアカウントが真っ黒になり、フォロワー間で大騒ぎになりましたが、SNSとの関わりを遮断する意味だったようです。現在は、ほんとうに少しずつ復活しているような印象を受けます。(数日に一度妹さんが様子をアップしてくれたり、NYでの生活をMaxさんが撮ったものを、アップしたり)
最近の彼の様子を撮った写真が上がってきましたが、とてもほぐれた様子の表情をしていました。もう仕事をしたくない、と思い詰めるところまでいったN'Mewです。まだ体調に波がある状態でしょうし、無理は禁物。ゆっくり休んで体力、気力を回復して戻ってきてほしいと願っています。











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