【勝利至上主義のススメ:指導力とは】


■指導力の勘違いを正す
この記事を読んでいるあなたがどのスポーツの指導者であるかはわからないが、僕の専門はバレーボールであるため少しバレーの用語を交えて喋る事もあると思う。ただ、その辺は上手にご自身のスポーツに対応してほしい。

さて、指導力と聞いてあなたがイメージするのはどのようなスキルだろうか。

多くの指導者さんと同じ回答を導く自信があるので間髪を入れずに答えるが

バレーボールの『プレースキル』を向上させる

このようなイメージではないだろうか。

ただ、これではあまりにも解像度が低くて指導力の本質にまで迫っていない気がする。

例えばA監督は、どれだけ運動能力が低い選手が入ってきても、卒部までには石川祐希選手や大谷翔平選手の様なスーパープレーヤーを育成する能力があるとする。

この場面だけ切り取ってみると、間違いなくA監督は最高の指導力を習得しているわけだ。

ただ、A監督はコンプラの全てを選手にしているとしよう。
#辞書でコンプラを引くとA監督と出てくるぐらい

さて、ここで問題。
A監督の指導力は高いのだろうか。

■指導力=心∧技∧体の大きさ
日本古来の考え方で『心技体』という素晴らしい教訓がある。

全てのバランスが整ったときに最大の力が発揮できるとのことだが、僕はこの心技体が指導力にぴったりはまると考えている

僕の指導力の定義はこうだ
指導力=
心:メンタースキル
技:スポーツスキル
体:マネジメントスキル

これまでの指導力は技の部分であるスポーツスキルだけが取り上げられていたわけだが、心技体の教訓に当てはめてみると、心であるメンタースキルが指導者には一番重要であるわけだ。

■心:メンタースキル
指導力の根底にあり、土台だ。

その土台の上に色々な知識やスキルを積んでいくため、メンタースキルの土台のサイズが狭いと、デカい指導者に成る事は出来ないだろう。

Google先生によると、メンターとは『お手本になる人物』とのことだが、あなたはどんな人物をお手本にしたいだろうか。

僕が定義するメンターとは『選手や保護者からの信頼を得ている人物』である。

従って、メンタースキル=信頼力となる。

あなたが指導者として大成し、最も大きな成果を得ようと思っているのであれば、信頼力は避けては通れない。

僕が指導者の方に伝えている最もわかりやすい例をあなたにも教える

『嫌いな人の言う事聞く?』

多くの指導者は選手に『嫌われているのでは?』と考えたことがない。

なぜなら、選手はあなたが思っているより大人であり、空気が読めるのであからさまに態度で表現してくる事は思っているより少ない

中学生・高校生の合わせて135人

「これまでに嫌いだった指導者はいますか?」

という問いに対し
『76.3%』の選手が
『いる』と答えた

そして
『嫌いな理由』の
『98%』が
『コミュニケーション問題』であることがわかっている

さて、あなたに質問だ。
選手から好かれていると確信を持っているか?

スポーツコーチングという分野の研究で面白い実験があったので、その研究結果をこの質問の判断基準としてほしい。

あなたはここ1週間で選手から質問や悩みを相談されただろうか。

相談とは自分の弱点を晒すことであり、その相談を解決すると確信していると、ある意味、自分よりも優れている人間にしかしない。

つまり、相談されるという事は信頼されているという事だ。

■技:スポーツスキル
これは従来通りのスポーツを上手くするスキルである。

特にここでは多く語らないが、めちゃくちゃ大事なことが一つある。

メンタースキルは選手からの信頼を積み上げる土台であるが、スポーツスキルはその積み上げるブロックである。

指導力=スポーツスキルの大きな原因となった理由がここにあるが、『結果を出す』というブロックが圧倒的に大きくて、見栄えもかっこいい。

例えば、全国大会優勝とかね。

もちろん、小さい土台の上に大きなブロックを載せることが出来ないので、多くの指導者は結果を出すことが出来ないわけだが、それに気付かずスポーツスキルばっかり磨いてしまう。

■体:マネジメントスキル
部活動はそのシステム上、常に新陳代謝を求められる。

栄養が回らないと体が老いるように、チームも新入生を積極的に入部させなければ、廃部に向かう一方だ。

少子化であるにもかかわらず、部活だけが正義ではなく、多様化が進んでいる現代社会において、子供から『あなたの部活が選ばれる』理由が絶対に必要なわけだ。

マネジメントスキルとは

メンタースキルで土台を作り
スポーツスキルでブロックを積み上げて
マネジメントスキルでブランディングする。

なんか、そんなイメージです。

高校バレーで僕が目標にしているのが鎮西高校です。

スポーツスキルでいうと、実績は申し分なく、スター選手を何人も輩出してきました。

ただ、僕が憧れているのはマネジメントスキル。

ユニフォームは全身黄色で、見た瞬間に鎮西とわかる。

そして、戦術のロマンはマジで痺れる。

現代のバレーボールを簡単に説明すると
①.4人で攻撃する
②.いっぱいで攻撃して強い
わけだけど

鎮西は
①.エースに高いボールを上げる
②.エースは決める
これに尽きる。

マジで、かっこいい。

どのチームもこれでは勝てないから、しかたなく攻撃人数を増やしているのに!

鎮西=エースが圧倒的
これが、ブランディング。

このブランドに優秀な人材は集まる。

ブランディングはたまたま出来るものではなく、長い年月をかけて作り上げるものだ。

その作り方は後半で。

#指導者へ
#書籍化希望

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?