コンサルタントの定義が解らなくなってきました(改訂版)

私、コンサルタントとお呼び頂き、名乗る様になって、もうすぐ17年目に突入致します(2019年10月現在)

Twitterのビジネスクラスタでは「なまむぎ(@volt_a)」と申します。

なぜ生麦かと言われれば……もう二つほど続く予定だったのです(安易)

『コンサルタント』は、種類も、名乗る人も増えて来て。
名乗る方も、名乗られる方も混乱している場面もしばしば。

何となく、年配の方々は『高位の存在』と捉えていて、

「いやぁ、私がコンサルタントだなどと、おこがましくて、まだまだですよw」

若手の方々は『気軽に名乗れる職種』になっている印象。

「なるほどそれなら出来ます! じゃあ明日から〇〇コンサルって名乗ろっかな!w」

以前は『士業に近い者』だった様な気がします。
その発祥が弁護士さんや税理士さんの業務だったからかもしれません。
(経営相談や業務相談の料金設定方法、要監修義務、守秘義務、等々)

Wikipediaの定義によると、

「コンサルタントとは、コンサルティングを行うことを業としている個人もしくは法人のこと。
コンサルと省略されることもある。
名乗るために『必須の資格などはない』分野が多いが、関連する資格は多数あり、労働安全コンサルタントなど名称独占資格であるものも一部ある」

「コンサルティングとは、企業(まれに行政など公共機関)などの役員(特に経営者が多い)に対して解決策を示し、その発展を助ける業務のこと。
または、その業務を行うこと。
『対応する日本語はない』
社会的に、コンサルティング会社は、特定の事業に特化した事業会社とは区別され、コンサルティングファームと呼ばれる」

補足としては、

「コンサルティングを実行するコンサルタントには、他の組織の役員と対等に接するため、起業家精神を強く要求される。
従って、各コンサルタントは極めて能動的である必要があり、コンサルティングファームのカルチャーは一般的な会社とは大きく異なる。
そもそもコンサルティング企業とは、「業務における問題の発見・解決策の提案・業務の改善の補助、経営戦略への提言などを中心に、企業の様々な業務を効率化するための提案自体を売り物にしている企業」のことをいう」

※コンサルティングファームのカルチャーは一般的な会社とは大きく異なる……ははは(吐血

ということで簡単にすると、

コンサルテーションは『支援』すること。
コンサルタントは『支援する者』のこと。

TV番組のバラエティに匹敵する、広い懐と受け皿が魅力の『コンサルタント』ですが、この辺で私の認識してきた定義を提示しておきます。

(個人の見解ですので、違ってたらご指摘下さいね)

会社などの、組織を構成する複数の『役』や『部』や『室』を、

外部者として、第三者視点を以って『平均値』または『顧客の認識(能力)を超えない範囲内』で『代行』するのがコンサルタントのサービス。

顧客が、本当は自分でやりたいけれど、リソースが足りなくて出来ない悔しい部分を、社内のしがらみが無い第三者が、無駄をそぎ落とした状態で身軽に代行する。

社員さんが担うと、ひょっとしたら退社するまで永続的に従事することになるのでペース配分するところを、

第三者であるコンサルタントは、契約的に短期間だけの従事になるので、永いペース配分を考慮せず一気に行えるという利点があります。
(収支的には、3ヶ月間を休みなく頑張ったら、半年間はお休みが可能、とか)

なので『ルーティン業務』ではなく『業務のルーティン化』など『体制構築や仕組み創り』が主な業務になります。

上流とされる工程であるため、事情を知らない方々からは「コンサルは何もしない」と言われ易い理由でもありますね。

(仮説の設定から、初動実務はしているんですけどね……戦術や仕組みの機能測定もあるし)

会社法人の新規創立、新規事業の構築、IPOプロジェクト(上場準備)、等々の上流工程がありまして。

新たな『上流工程』に合わせて、初動の膨大な調査や検証の負荷(仮説からPDCAサイクル回し)を担う役割として、シンクタンクから『戦略・戦術コンサルタント』が派生し、尚且つ効率化が成されて『アナリスト』や『アソシエイト』という役割が誕生しました。

この進歩は、業界的には非常に画期的な展開でした。

突然変異なタイプばかりの、ゼネラリストである『コンサルタント』の育成は、まともに行うとなると1名につき数千万円かかるという試算がありまして。

コンサルタント業界自体を組織化して、様々な事象を理論化し、少数の汎用性あるロジックに『顧客会社の方を合わせていく』という低負荷な戦略から、各市場ごとに適切なロジックを生み出す、みたいな切っ掛けでもありましたね。

手探りの場面が劇的に減り、活躍の場や恩恵の範囲が広がったわけです。

新規創立から、収支安定化までの経緯で得られた経験(ナレッジ)で『幅広く貢献を』という事で。

既存事業の『業務改善&規模拡大&販売促進』を担う、領域の広い『経営・事業コンサルタント』の概念が登場しました。

主に中流工程(とは言わないけれど)で、ITが浸透する以前は、会計士さんや税理士さんが経営管理(経理)や財務、弁護士さんによる法務の代行が席捲していた印象です。

私などはこの経緯から、税理士さんや弁護士さんから『既存事業の業務改善』のお仕事を頂いていました。

「顧問のお客が減ったら困る!」という感じで傾きかけた企業さんに伺い、時間単位で報酬を頂く経営相談の後、期間限定で雇用頂いて調査と分析し、改善案と代案を出して一旦終了。

実行に移すとなったらまたお呼ばれして、計画を立てて担当者を置いて実務開始。

諸々が安定したら『顧問』契約に移行して、月一の会議に参加したり、問題発生時にスポットでご依頼頂くモデルです。

時は『ゲーム』の時代に突入します。

誰よりも『先』に始めればシェアで勝てる『ファーストペンギン』の時代が落ち着き、個性や発想アイデアなど『比較』の時代へ。

SNSが充実してきて、一般の人達が情報配信を『楽しむ』ようになりました。

安心感で『チェーン店』を選んでいた流行りが、個性的な『個人店』を利用するようになり、素敵な特別情報を得てはSNSで紹介することで特別感が満たされるという比較の流行へ。

お客様も、人材も、会社の個性を押し出していく『ブランディング』が重要になってもきました。

IT化が一般化し、企業体力重視の財務や収支の至上主義から、人材至上主義時代へと時代が移ったのです。

比較で勝つために、発想を生み出す『人材』への待遇を考えることが第一に。

現象としては「視える化」とか「業務プロセス」とか「コアタイムとフレックス」に「クールビズ」などが生まれましたね。

業務プロセスの改善で『ITによるシステム導入』のロジックが主流になりました。

下流工程と言われているけれど、実は技術的にも実行力的にも物凄い、根幹を担う『手に職』な位置です。

(ん? 残業が月100時間超えって当たり前だよね? の世界)

システムの選択から、仕様設定まで提案する『ITコンサルタント』が確立しました。
この導入されたシステムの運用を担うのが『情報システム部』の『社内SE』という立ち位置も生まれました。

そんな『情シス』の方々も、採用業務方向だったり、育成方向だったりとITに通ずる人材の浸透による業務改善という方面から『人事』への展開が進んでいますね。

上位に『局』や『部』、その下位に『課』や『班』、そして『係』という管理部があります。

複雑化した組織や、組織に属する人材の運用正常化(横縦の連絡改善など)を、上流から下流まで、提案から指導をも担うのがシンクタンク発祥の『組織コンサルタント』です。

近年の『経営コンサルタント』業務の主流は、人材を中心に据えた『バックオフィス』など『社内の健全化』になっていると言っても過言ではありませんね。
第三者視点がないと、組織を正解の形にするのは非常に困難です(精神論が跋扈(ばっこ)しがち)

この世の全てが置かれている。動き出す前に海図を描け。目的地を見据えよ。

真っ暗な海へ航海に出るのに、準備を怠るのは英雄ではありません。無謀です。

理解し合った乗り組むクルーと、食料に道具、そして医師や操舵主となるコンサルタントが揃って、初めて出航です。

某海賊王の一味だって、何だかんだ言っても準備は専門家がしっかりやっていますからね。

っていうマンガを基にした研修講義は効果的ですね(眠気がとぶ!)

統括、総務、人事、経理、営業、開発、事業、製造、等々の部署単位に、更に細分化された『課』が追加されて行き。
(営業部にアライアンス課、経理部にファイナンス課、人事部にヒューマンリソース課、など)

複雑化し枝分かれ化した業務を代行する『外注』のことも『専門コンサルタント』として定義し、細分化する流れも生まれました。

細分化した『専門コンサルタント』の中に人気の『キャリアコンサルタント』もあります。
(標準レベルキャリア・コンサルタント 日本キャリア開発協会 JCCA|特定非営利活動法人日本キャリア・コンサルタント協会)

『キャリアコンサルタント』は2016年4月に、職業能力開発促進法で規定されて国家資格化し。

『名称独占資格』なので、資格が無い人は「キャリアコンサルタント」って名前が使えなくなりました。

例えば「キャリアリングコンサルタント」とか「キャリアチックコンサルタント」など、似せた言い方も資格が無ければアウトです。
社名にも使えないはずですね(ご注意を)

人材の価値が、従来よりも明確に上がってきています。
私個人の見解としては、20年前に比べたら確保や維持育成に倍近くの費用が掛かるという感覚です。

様々な分野で「人材が足りない!」という分析が出ていて、この問題の行政対策で人材関連は急速に発展中ですね。
(ITのセキュリティ人材が10年以内に17万人以上必要、製造系で後継者が、とか)

様々な市場の経緯を視る限り、そう遠くない未来には、法人企業に『育成機関』がないと雇用に行政制限がかかるかもなぁと思ったり。

人工知能などITの方向からも処置を進めていますが、専門家曰く、まだまだ焼け石に水だそうですよ。
つまり、まだまだマンパワーの領域なのです。

『コンサルタント』という名称の自由度は高いけれど。

例えば「コーラを一気飲み出来るコンサル」を名乗りたい場合は、「社団法人 コーラを一気飲み 協会」を先に創立する必要があります(権威)

その上で「コーラを一気飲み出来る」ことを収益事業化することが出来れば、名乗れるわけです(権力)

こんな感じで、ほんの20年程度で、大きく意味や役割が感覚的にも実際にも拡大した業種であり、職業なわけですが。

様々な市場が育てて来たという事実はあるものの、大勢が何となく名乗っている状態の理由が「行政と関連協会による認定や定義」という経緯が、まだまだ認識されていないのもあるのかなと
(元々なかった概念ですし、ITほどの汎用性もありませんしね)

「コンサルなんだからこうあるべきだ!」とか「まだコンサルなんておこがましくて名乗れないw」とかで、

人によって大きく認識差がある事も、いわゆる過渡期なのかなぁと感じています。

どの役割を代行するかで、思考も行動も労力も犠牲も、全然変わりますしね。

あるフォロワーさんのご意見では「常に最前線にいなければ食べていけないかもしれない」でした。

最前線……全部、やるの?(お値段据え置きで全部やったら、自分の会社をやるのと変わらないし、全部の経験値を持って行ってしまうわけですが大丈夫でしょうか)

一応、コンサルタントと名乗れる人は、予算や期間の差はあれど、経済活動においては全て代行(実行と実現)出来るけれども!(止)

『経営コンサルタント』も、多くの業種にある課題や問題の様に、
「このままだと従事者がいなくなって業界と市場が消滅するぞ? 無くなってもいいのか?」
と言いたくなる様な状態になってきました。

依然として、会社は1年間で3割が潰れ、3年間で7割が消え、10年で1割残り、20年となると2~3%しか残らない、という実データのままです。
(買収や統合など計画的なものもあるけれど)

コンサルタントが在ってもこの数字。
いぢめられればいじめられるほど、中小規模から離れて大手にしか支援しなくなります。
そもそも中小企業向けにコンサルテーションしたいって人たちは、わりと良い人が多いのです。

同期らとの飲み会で必ず出てくるひと事。
「すでに儲かってる会社を、なんでもっと儲けさせなければならないんだ?」

知らずに見下したりいじめたりする前に、まずは知ってみることをお勧めというか、切に願いますね。

私はまあ、理解してちやほや&成長をさせて貰えるのならば、報酬も場所も内容も相談可能ですよ? タイミングはあるけれど。
(承認&需要の至上主義者です)

改めて、まとめとして、個人的な意見として。

誰もがコンサルタントであり、真のコンサルタントは、一人もいない。

の辺りが正しいかなと考えた次第です(社会人は皆、何かしらの支援しているわけだし)

「専門家で在れ!」
とすると、専門家の認定の定義がまた大変なことになってきますしね。
(従事時間が何千時間とか、実績例の証明とか)

少なくともその仕事が『好き』であり、気が付けば『経験値が膨大』になっていた、であれば素敵です。

私は、この世で『小説家』並みに格好良い職業が『コンサルタント』だと考えています。

よって一生涯かけて『目指す』モノであり、名乗りつつ『高めていく』モノであると認識します。

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