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声優・関智一が昭和特撮クラウドファンディングに応募した理由が明らかに!【連載第一回】

クラウドファンディング「『ライオン丸』『タイガーセブン』『ザボーガー』昭和特撮フィルムを後世に残したい!」でデジタル化された、『快傑ライオン丸』(1972)、『風雲ライオン丸』(1973)、『鉄人タイガーセブン』(1973)、『電人ザボーガー』(1974)の4作品の商品を展開する「ピープロアーカイブストア」がオープン!

本企画の応援隊長を務める声優・関智一さんに、ピープロ作品への想いを語っていただきました!


──まずは関さんとピープロ特撮作品の出会いをうかがえればと思います。1972年生まれの関さんは、初放送時のいわゆる「リアルタイム世代」ではなかったそうですね。

関智一(以下、関) そうなんですよ、残念ながら。(リアルタイム世代からは)数年遅れてという感じだと思いますね。最初に観たのは……うーん、『電人ザボーガー』か『鉄人タイガーセブン』かどっちかなんですけどね。

──どちらが先だったか定かではないぐらい、幼少期の視聴体験なんですね。

 そうです。幼稚園の年長から小学校1年生ぐらいにかけて、とかですね。僕の記憶では『スカイライダー』(1979年、番組名は『仮面ライダー』)や『ウルトラマン80』(1980年)と同じぐらいのタイミングぐらいで観ているんですよ。だから僕の中では(ピープロ特撮も)あの頃のヒーロー、みたいな(笑)。

──70年代後半から80年代にかけてのヒーロー作品と同時代の感覚で観られていたんですね。

 そうです。当時も「昔の作品なんだよ」ということはうっすらと聞いていたんですけれども。ただ今思うと、ピープロ特撮が放送されていたのって「昔」って言っても当時の数年前とかなんですよね。

──1974年が『ザボーガー』の初放送開始の年ですから、5年経っているかどうかですね。

 そうなんですよ。でも、その当時から自分の中では「懐かしのヒーロー」という雰囲気でちょっと捉えていましたね。

──その後はフィギュアのモデラーとしてライオン丸やタイガーセブン、ザボーガーなどのピープロヒーローの原型製作を担当されたり、リメイク映画版の『電人ザボーガー』(2011年)にも出演されたりしていました。少し変わったところで、2015年にテレビ埼玉やテレビ神奈川で放送された『ピー・プロ特撮秘宝』でもナビゲーターを務められていましたね。

 やりました、やりました。あれは当時ピープロの版権などを管理していたキングレコードの大月(俊倫)さんに直接頼まれました。「関ちゃん、完パケのDVDとBlu-rayあげるからナビゲーターをやってくんない?」って(笑)。

──『ピー・プロ特撮秘宝』では『マグマ大使』『スペクトルマン(原題は『宇宙猿人ゴリ』)』『快傑ライオン丸』『電人ザボーガー』と、ピープロ特撮作品の第1話が4週に渡って放送されていました。各放送の冒頭で、関さんが『ザボーガー』の大門豊のヘルメットと共に作品の見どころを丁寧に紹介されていたのが印象的でした。

 「あんた、趣味で『ザボーガー』の大門のヘルメットも持っとったろう」「はい、持っています」「それを持ってきて、かぶってやってくれ」って言われたんです(笑)。

──関さんと一緒に画面に映っていた大門のヘルメットって、関さんご自身の私物だったんですか?

 そうなんです。僕の私物です。

──『ピー・プロ特撮秘宝』の放送はまさに『マグマ大使』のBlu-rayボックス発売と同時期で、『マグマ大使』の放送回では「Blu-rayのマスターを特別に使ったオンエア」と関さんが解説されていました。 高画質な『マグマ大使』をテレビ放送で観ることができる貴重な機会でしたね。

 映像が綺麗になり過ぎちゃったのは、個人的には何だか良し悪しかなという感じもしますけどね。ピープロの特撮作品って、アニメも結構取り入れていらっしゃったじゃないですか。

──『マグマ大使』ですと、マグマ大使の腹部から発射されるミサイルやゴアの円盤などがアニメーションによって表現されていましたね。

 現代のCGの代わり、みたいな。当時のフィルムだと、アニメと実写の合成も本当にちょうど良い塩梅の見え方でした。それがリマスターなどによってアニメの絵であることがあからさまに見え過ぎちゃうのは、「どうなのかな」という思いはあります。でも「綺麗な映像でも観たい」という気持ちもあるし……。

──ジレンマですよね。

 そうなんです、そうなんですよ。でも綺麗な映像で観られるようになったのは、結果的に良かったです。

──そういう意味では2024年現在、最も綺麗な画質で当時の『ザボーガー』が見られるのは、今回の企画でデジタルスキャンされたポジフィルムによる写真やグッズですね。

 当時のフィルムを大事に取っておいてくれたことは、とてもありがたいですね。デジタル化も完了して、これで劣化したり失われたりはしないですものね。

──昨年達成されたクラウドファンディングのプロジェクト「『ライオン丸』『タイガーセブン』『ザボーガー』昭和特撮フィルムを後世に残したい!」は、まさにピープロ特撮の写真を後世に残すための企画でした。関さんはこのプロジェクトの情報をX(旧Twitter)で初めて見られたそうですが、最初に目にしたときはどのような気持ちでしたか?

 「何か宝物を見つけた人いるんだ。でも独り占めしないでくれるなんて、ありがとう」みたいな(笑)。そのクラウドファンディングのリターンの中に「写真がいっぱい見られる」みたいな感じのコースは入ってなかったんですよね。最初はそこだけ不安でした。フィルムをスキャン・デジタル化して綺麗にするのは良いとして、「その写真を見る機会はあるのかな」と思って。
もしそういう機会が無かった場合は悲しい。なので「フィルム調査/リストアップ作業参加コース」に応募しまして。

──このチャンスを逃してなるものか、と。

クラウドファンディングのリターンでフィルムのリストアップに参加した関智一さん

 本当にそう思って(笑)そのコースを選びましたね。

──調査やリストアップ作業を行う中で、フィルムの実物を初めて目にした時の感慨はいかがでしたか?

 いや、興奮しました。久しぶりに子ども心が騒いだというか。行く前から「今日見られるんだ……」と思って、めちゃめちゃ楽しみにしていましたね。

──フィルムの写真をご覧になって、関さんとしてはどのような写真が一番印象に残りましたか?

 キャラクターがしっかりと写っている、いわゆる特写的な写真も見ていて楽しいんですけれども……『ザボーガー』のスペシャルカー(第19話以降は「マウスカー」と名前が変更)が出てくるシーンの写真がありますよね。

──スペシャルカーがザボーガーの足から発進するシーンの連続写真が数枚確認されています。

 スペシャルカーの写真自体は今までも何枚か世に出ていましたが、ザボーガーの足部分だけのプロップからどういう風に出てくるのかは、これまでよく分かっていなかったんです。でもその写真を見ると「ああ、足の内部の、だいぶ奥の方から滑り台が伸びているんだな」とわかる。個人的には、そういった「ここはこうなっているんだ!」みたいな発見が単純に嬉しいですね。

──作品の舞台裏が分かるような写真ですね。

 僕はオタクとしてもだいぶひねくれてきちゃっているから(笑)。「面(マスク)の裏側はどうなっているんだろう」とかも思っちゃいますね。

第二回に続く】


【ピープロアーカイブストア】
https://valuemall.site/collections/p-proarchivestore
販売期間:2024年4月6日(土)12:00 ~ 2024年5月31日(金)23:59 

【Imaging Mall】
https://imagingmall.com/vp_archive
販売期間:2024年4月6日(土)12:00 ~ 2024年7月7日(日)23:59
  ※Imaging Mallは、DNP大日本印刷の登録商標です。

©ピープロダクション


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