見たままかけない(見たままかくには)
見た目の良い絵を描きたい。ほとんどの人がそのように思っているのではないでしょうか。しかし描けない。少なくてもそう思い込んでいます。
前回の続きで見た目の良い絵の構成要素について述べていきます。
見た目の良い絵の構成要素は大きく分けると二つある(再掲)
見た目が良いと感じる絵。大きく分けると2つのものから成り立っていると思います。
①本能的に美しいと感じるカタチ
②見たままのカタチ
この二つです。
今回は前者「②見たままのカタチ」について考えていきます。
見たままのカタチ
私たちの視覚はけっこういい加減です。実際にあるとおりに見えていません。視覚には認知の偏りがあります。
見たままかけないのは認知、知覚の問題です。以下のようなものが上げられます。
エッジの知覚
絵をかくとき。輪郭線を黒のペンでかくと思います。対象をよく見てください。そんな輪郭ありませんよね。色やコントラストが極端に変わるところに輪郭、線を感じる。これがエッジの知覚です。
スペースの知覚
顔をかく。手をかく。顔や手を意識してしまうと正面から見た見た目の絵になってしまいませんか。
そんな場合には、顔や手ではなく背景、スペース側をかきます。
ゲシュタルト知覚
黄色の長方形の上に水色の長方形が載っている。そんな風に思っていませんか。右下が掛けている黄色の矩形である可能性はほとんど考えません。これがゲシュタルト知覚です。
相互関係/光と影の知覚
だまし絵。けっこう騙されますよね。同じ長さのものが異なる長さに見えてしまったり。立方体の出っ張り、引っ込みが反対になったり。
なぜこれらを知る必要があるのか
「絵の見た目が良くないのは脳がサボるから|楽描人カエルン #グラレコ写経 |note」でも言及しました。私たちの脳はとにかくサボります。視覚で見たままで見ていません。
その点を理解しないでかく。するとカタチがおかしなことになってしまいます。見た目の良い絵をかくには、①本当的に美しいと感じるカタチをかく、②見たままかけない理由を理解し、見たままかけるように訓練する。このふたつがどうしても必要です。
参考文献
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