メルカリ201906月

メルカリの二正面作戦のおかげで一息つけてるリユース業界 メルカリ2019年6月期決算メモ メルカリキラーは出るか?!

2019年6月期のメルカリ決算が発表されました!

7月25日に「個別決算における特別損失の計上に関するお知らせ」のIRが出ていたので、メルカリ全体の決算内容については市場も折り込み済みかな。

メルカリが日本と米国の二正面作戦を遂行しているので、日本のリユース会社は反攻のチャンスをもらっているのに、大した戦略を描けて無い感じはする。

「二正面作戦」といえば、世界史を勉強した人には少し覚えのある

有名な「シュリーフェン・プラン」

1905年12月にプロイセン陸軍参謀総長シュリーフェンにより策定されたフランスに対する作戦計画。従来のロシア・フランス二正面作戦の原則に大改定を加え、ドイツ軍の全力を西方に傾注して、フランス軍を急襲、これを捕捉殲滅することをその内容としている。ドイツ軍の左翼をボージュVosgesで堅持し、右翼に主力を集中して進撃させ、パリを含むフランス軍を包囲する。その際、ベルギーの中立を侵犯することが、最初から計画されていた。このシュリーフェンの計画は、ロシアが日露戦争の敗北と第一次革命で弱体化していたことを前提として作成されたものであるが、第一次世界大戦の勃発までほとんど修正されず、緒戦に採用されて、ドイツ軍作戦の失敗の原因となった。出典「日本大百科全書」

二正面作成は歴史の中でいくつも繰り広げられてきたけどうまくいった例は少なかったりする。

話はそれたので元に戻すと

2019年6月期 メルカリの連結決算は以下

売上 516億円 営業利益▲121億円 

売上は大きく伸びているけど、営業利益は大きなマイナス、マイナス要因は米国事業とメルペイ事業。日本事業はしっかり黒字を出しています。

二正面作戦をやめて日本市場に集中すれば、利益はしっかり取れてるので安心!

メルカリ日本事業の業績

メルカリ流通額4902億円 MAUは1357万人

売上462億円 営業利益94億円

メルカリの手数料10%なので、ざっくり流通額の10%がメルカリの売上

気になるのは第4QのGMV(流通額)の数字

3Qより4Qの流通額が少なくなることはなかったのに、今期初めて4Qの流通額が3Qより悪くなっている・・・。

決算説明会でも説明されてたように今年は10連休があったのが要因とのことだったけど、そのせいだけでもないと思われる。

以前書いたメルカリの施策がテレ東で取り上げられてたけど・・・

おそらく、今期3Q頃からメルカリ日本事業にも変化が起こりつつあったのでしょうね、いろいろ施策を放り込んできています

その昔投資会社に在籍している時、テレ東の番組に取り上げられたベンチャー企業には気をつけろよと先輩に教えて貰ったのを思い出しました(笑)

メルカリは新規ユーザー獲得に力入れすぎで、既存顧客を放置しているんじゃないかな・・・

決算説明会でも言及されてたけど、エンタメ・ホビーカテゴリーが伸長したとのことだった、特に書籍が・・・バーコードで読み取れるようになったのは確かに初心者に大きいね

四半期(Q)のGMV(流通額)をMAUで割ると 2019年2Qから約1,000円も下がってる・・・

新規ユーザーに継続的に使ってもらうには、出品してすぐ売れたという成功体験が必要なので、価格も本当に売れやすい価格に設定しましょうという誘導になる→既存顧客にはすごく迷惑な話、価格は市場が決めるものだし・・

そういえば僕の中古ハイブランドがよく売れた時期は上図の2019年2Qの時期だった、このグラフと同じように右肩下がりに売れなくなってきたね

今回のヤフーニュース この1年が勝負とのこと・・・

                                 以上

追伸

今月のハーバートビジネスレビューはなかなか興味深い記事が掲載されてました

プラットフォームが成功する理由・失敗する理由

 「中抜き」(直取引)のリスク

「中抜き」つまりネットワークの構成員がハブを回避して顧客と直取引を行う行為は、マッチングから直接的に、あるいは取引を促進して価値を獲得するプラットフォームにとって大きな問題になりる。・・・・・・・・・・・
自社プラットフォーム上でビジネスを行う価値を高めて「中抜き」を避けようとするプラットフォームもある・・・。
しかし、プラットフォームのユーザー間の信頼が高まると、こうしたサービスの価値は低下する。そしてプラットフォームの必要性が低下すると、こうした戦略が変えって裏目になりかねない。・・・・・
プラットフォームが人気格付けシステムを改善すると、それにつれて顧客とフリーランサー間の信頼が高まり、両者間の直取引が頻繁となって、マッチングを改善したことによる売上増を相殺してしまうのだ。

メルカリの格付けというか評価システムがシンプルなのは、ユーザーにわかりやすいということもあるんだろうけど、こういう背景もあるからわざとシンプルにしているのかもね・・・・

お隣中国のC2CのアリババのC2Cのタオバオはメルカリのような10%の手数料はとったりしません、ユーザー同士の直取引も邪魔したりしないです。

その代わり評価システムはとても詳細に格付けされます。

日本のリユース市場で戦うなら、メルカリと共生するかメルカリキラーになるか・・・メルカリキラーになるなら、ユーザーの信用格付けをもっと信頼のあるものにして、メルカリプラットフォームを介さなくてもいい仕組みを考える必要あるね。中抜き、メルカリ抜き、そんなベンチャー企業が出てくるかもしれない。あ、今そんな事業をいま企画しています!

                               以上


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