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BLOOD4BLOOD/BEAST

【BLOOD4BLOOD/BEAST】
本日ご紹介の音源はこちら。
Extasy出身、1990年代~2010年代と世代を超えて活動するバンド、BEASTの最新作。
CD「BLOOD4BLOOD」とDVD「BLOODFILM」とのセット販売となる。


「BLOOD4BLOOD」は始まりを飾るインストナンバー。
イントロから一つのコードしか鳴らしていないのにその重厚さ。のっけからガツンと強いパンチを食らったような痺れた感覚に、SEであることも忘れてしまいそうになります。

シングルでもリリースされていた「SICK」はアルバム仕様に。バンドサウンドだけでも野太いのに、デジタル音を更に交えることによって禍々しさをVo.gobadbrain氏の喘ぐような叫ぶようなボーカルワークは妖しさを醸し出し、2分弱でもそのインパクトを見せつける。

そのままなだれ込む「SIS」も既に発表はされていたが、アレンジを変え新たな装いに。アルバムバージョンなどの単純なものではなく、元々2つのアレンジで楽曲が作られていたかのよう。ボーカルを抑え、サイバーテイストの音を強くアピールすることで単なるロックバンドとの差別化もうまく計れています。

サイバーパンクテイストの「XXX」も2分半で駆け抜けるナンバー。途中で音がなくなり、続きを焦らされる演出が非常にニクい。などと思いつつここにきて挟まれるインストナンバー「Hy D-R」はストリングスの音から始まり、箸休めか、などと思わされるがそこから繰り広げられるのは生きたバンドサウンド。ロックに目覚めた頃の衝動を思い出させるようなナンバー。

「Γ」はEP「BLOODINBLOODOUT」より。
こちらもまったく別のアレンジとなっており、一曲で二度美味しい。どちらが先でも後でも得した気分になれる。しかしシンセアレンジの使い方という意味では、流行りのバンドとは一線を画している。いや、他のバンドと同系列で見てしまうのもあまりにも失礼な話か。それほどに別格さを味わえる一曲。

「shooting gallery」は配信バージョン、EP「BLOODMUSIC」に収録のバージョンに続き3アレンジ目。大きなアレンジの差はないように思えるが、より低音を強調しアルバムの流れにカッチリとハマる音になっているような気がする。「Hy D-R」、「Γ」と流れてきて、後半に行くにつれてのパワーで畳み掛ける感がものすごく興奮を呼び起こす。

アルバムのトドメを刺すのは往年のファンには嬉しい、2001年リリースのアルバム「IMagination∞lenS」に収録のナンバー「LYNCH」。ここへきてBEASTの過去と現在が交錯するのは非常に嬉しい驚き。
大きなアレンジの変化は敢えて見せていないのか、音圧を上げ、狂気さを増し、文字通りパワーアップした様をマジマジと見せつけた。
そして・・・

明日1月14日、新宿ReNYにてワンマンライブ「BEAST one-man show -shooting gallery final-」が開催となるBEAST。
明日をもってVo.gobadbrain氏がBEASTを脱退、というアナウンスがされている。
その先のBEASTの行方は。その片鱗は是非明日の新宿ReNYで。


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