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ヨシケン 2023.11.15 新宿ReNY Staff Live Report 前編

お待たせしました!
ヨシケン新宿ReNY公演のスタッフによるレポートです!


2023年11月15日
東京は寒気の影響から朝から冷え込んだ。
直前の真夏日が嘘のようだった。

開場を今かと待つ列にはたくさんの人。熱気を帯びた身体には冷たい風が心地よい。

特別な日。特別な夜。特別な公演。
寒い中長時間待たせたくないとの配慮から、本開場前18:00に一部の指定席を対象にロビーが開場となった。

定刻を少し過ぎて、今か今かとスタートを待ちわびるホール内にThe Beatles の「Now And Then」が響く。同じ時間を楽しむために集まってくれた客席へ向けた、ヨシケンからの感謝の気持ちが込められていたように思う。
この楽曲は当公演の直前にリリースされたThe Beatlesの幻のラストシングル。
ヨシケンが敬愛するジョン・レノンが残したこの楽曲は、混沌としたサウンドに、当時の状況が伺える実直な歌詞のバラードになっている。
シングルにはc/wに「Love me do」も収録されているがこの始まりと終わりはコントラストが激しい。
リリース直後から、ヨシケンがこの楽曲を何度も聴き返している様子を見て、この曲を客入れBGMのラストにすることを決めた。

照明が落ち『Mermaid Tears』をアレンジしたOvertureに乗せて、傘をさしながら歩いてくるヨシケンの姿が映し出された。一歩一歩、今日までの日々を振り返り慈しむような姿に、このステージへ懸ける熱い思いを感じ取ることが出来る。

カウントが鳴り響き、ステージの幕が開ける!

「Marvelous!」のジャケット衣装!CDから飛び出してきたよう!

JETSのメンバーが楽器で掛け合いをする中に飛び込んできたヨシケンは、「よく来たね、今日はかましちまおうぜ!今日はやっちまおうぜ!」と観客へ呼びかけてギターをかき鳴らし、『傷だらけの天使たち』でライブがスタートした。お決まりの一曲目は、大切な一曲目だ。
「Hey boy, hey girl 最近どうよ?悩みあんなら俺に話せよ」
「ここへ来いよ、歌ってあげるよ 君を信じてる マジで嘘じゃねぇ」
ファンに向けたまっすぐなメッセージ。
客席の期待も高まり、表情が綻んでいる。やっとここで会えた、再会できた、という顔だ。

すでにスタンディング状態の観客も多く、客席の熱量もすでに高まっていることが感じられる。続く『I am just a gentle boy』から『口笛と少年』までを短いMCを挟みつつも勢いを失わずに畳みかける。
ゴキゲンなロックンロールに「パーティーはもう始まってる 急いで早く!おしゃれな服着てこっちへおいでよ!」(I am just a gentle boy)その呼びかけに、ストリートで出会った今回初参加のオーディエンスも気持ちが引き込まれていったに違いない。
今回のライブでは観客の声出し制限は撤廃されているため、曲間での歓声やコーラスに合わせたイェイ!という声が観客から上がっていた。その観客からのエネルギーを受け取って、ヨシケンとJETSのパフォーマンスのギアが上がっていたように感じられた。

MCで自身の実家の話題に触れ、楽曲の生まれた経緯を語って始まった『Mermaid Tears』。伝説の真珠、人魚の涙についてや製作秘話については是非インタビューブックを読んでほしい。

「思った以上にロマンチックな曲に仕上がって俺自身がびっくり!」と本人。
ライヴだけでなく、ストリートでもこの楽曲は人気だという。

続く『青春のページ』『Fire!』と合わせて、最新アルバム「Marvelous!」からの楽曲だったが、安定したパフォーマンスを届けるヨシケンとJETSにも、呼応する客席にも、発売されたばかりの新曲とは思えない一体感が生まれていた。

青春のページはヨシケンのメッセージがストレートに伝わる楽曲。ライヴ映えがすごい。
「何も見えない 何も信じない 孤独の中で君が泣いてるなら
勇気を出して この手で抱きしめたい 俺たちきっと主人公さ 青春のページの」
8ビートのゴキゲンで明るいロックナンバーにはビートのタイトさがあり、エレキギターのソリッドさが際立つ。この曲は、久保田響のシンセソロからヨシケンのハープソロ!珍しい構成だ。

『Fire!』では、この日ローディーとして参加しハープを取りに来た彼彩HEROが突然の乱入!
「たとえ誰かが君を笑っても  匿名たちが 批判してきても
気にすんなよ ただの蜃気楼さ Amazing in my life」

ライヴでも、ストリートでも、どんな距離でも自分に向けて歌ってくれている。目頭が熱くなってしまう。一曲ごとに客席との親密さが増していく。

『青空と君の太陽』は、早々と候補に上がった楽曲だった。今一番歌いたい曲、聴かせたい曲を集めた、このクラスのワンマン公演ならではのベストセレクションだ。

その後も、懐かしい曲や意外な曲を挟みながらライブは中盤へ。耳馴染みのある軽快なギターリフが聞こえてきたと思いきや、下手から登場したのはギターのジョニー宮路。観客のボルテージがさらに上がった瞬間だ。

久保田邦夫とのツインギターで奏でる『旅立ち』では、「Let’s go PUNKS!」「On one way road」コーラスを歌う観客の声も楽曲の一部としてホール内に響き渡っていた。

この楽曲が発表されたのは2002年の春。名実ともにヨシケンの代表曲、メロディアスでまっすぐなパンク。

「旅立ちの朝の 空の色を 死ぬまで忘れるな
別れがあるから 愛を知るように 君がいたから 僕は生きてゆける
君が歩いて行く道はどこまでも続いている
その本当の気持ちを 本当の気持ちを 抱きしめて歩いてゆけ」
大きく拳が突き上がる。どんな人のLifeにも「旅立ち」の瞬間がある。
その刹那や思いを抱き締めて、あの人繋がっている今日を噛み締めている、そんな表情も多かったように思う。

今日のところはここまで!
あの日の熱が甦りますね;-)
後編に続きます。

ヨシケン本人のブログも合わせてお楽しみください!



Vanilla Sky Records
Staff がる・やすこ
Photo by かでぃ・やすこ



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