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”インターネットの速度が遅い”は現代において最悪の体験をもたらす

はじまりは贅沢な不満

「家のインターネット速度をもっと速くしたいなあ」

我が家はとある沿線の賃貸マンションに住んでいる。
引っ越し当初、テレビアンテナとインターネットが一緒に契約できる楽なプランをとある業者と契約していた。

ところがこのインターネット、最大160Mbpsというプラン。基本的にベストエフォートである以上、最大に近い速度はでない。実測値は平均30Mbps、いいとこ60Mbpsとかだった気がする(ちゃんと覚えてない)。

2年契約だったし、ちょうど終わる頃に解約して、絶対王者のNUROにしようと考えた。
マンションのスペックを確認しても、光回線は行けるらしい。よしきたと僕は従来のプランを解約し、NUROへの移行を進めた。

移行期間はレンタルWi-Fi

NUROの移行期間は結構長い。これはどこも同じらしく、割と有名な話ではないだろうか。それは僕も分かっていたし、その期間が長いことで文句を言うほど急いでもなかった。
NUROは移行期間中、レンタルWi-Fiをおすすめしていたし、それに従ってレンタルをした。

8月に回線工事の依頼をしたので、長くても9月中旬には終わるのではないかと予測していた。
従来のインターネットは8月いっぱいで終了、9月からはこのレンタルWi-Fiのお世話になることになった。
選んだのは無難にランキング1位のもので、データ無制限のものにした。

平均1Mbpsの地獄

レンタルWi-Fiになったその瞬間から、僕は異変に気づいた。

「このWi-Fi……遅すぎる!!」

なにしろスマホをWi-Fiにつないでいるのに、ブラウザの画像読み込みに手間取る。おかしいなとスピードテストをしてみれば、まさかの"Kbps"表示だった。

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なんだぁぁあこりゃあああと目をひん剥く。こんなん舐めプもいいところである。
Netflix を見るのに推奨されている速度は1.5Mbps。これでは動画サービスはほぼ見れない。

「えっ、NetflixもAmazon Primeも封印ですかこれ……」

早くも娯楽を封印され絶望した。
Wi-Fiの周波数を変えたりできる範囲のことはやったものの改善されないし、ぶっちゃけこんなことに時間を取るのもバカバカしいのでさっさと諦めた。
もう一刻も早くNUROが回線するのを待つしかない。

開通すれば高速インターネット生活のはじまりぞ!!と自分を律した。

一回目の工事「すまん。管理会社じゃないと開けられないドアがある」

そのままの意味だった。マンションだと一箇所に回線が集められてる部屋があるらしい。その辺はちょっとよくわからないけど。

そこは管理会社が鍵を持っていて、NUROでは開けられないとのことだった。それはまあしゃーない。いや、僕もちゃんと確認すべきだった。管理会社に先に問い合わせておくべきだった。

僕としては「わざわざ来てもらったのにすみません。管理会社に連絡しときますね」と謝りつつ、再度調整してもらうことにした。

一秒ごとに止まるMP4

管理会社とNUROが調整完了するのを待つ間も、我が家ではレンタルWi-Fi生活を余儀なくされる。

仕事柄、家で作業できるので、会社で共有されたMP4を自宅で再生する。
しかし、1秒毎に動画は停止を繰り返した。
カクカクどころではない、そもそも再生すらままならない。

僕はようやく思い知る。
追い打ちをかけるように、レンタルWi-Fiはインターネットへの接続と切断を繰りかえした。

「ひどい……こんな仕打ちあんまりだ」

最大160Mbpsのありがたみ。
あれは決して遅くなんてなかった。
だって動画を見る分には問題なかったし、安定もしていた。いつでもインターネットにつながっていた。
家に帰れば僕の電子機器をそっとWi-Fiで包み込んでくれた。
せめて、一刻も早くNURO開通を願った。

再調整一回目の工事「すまん。おまえんちNURO無理」

「わざわざ来てもらったのに、本当にすみませんでした」

平日の真っ昼間、僕はただ謝るしかなかった。
そのとき、最初に開通依頼をしてから1ヶ月が経っていた。

「いえ……こちらこそ……。あ、こちらでキャンセル処理はしておきますので。はい。理由はさきほど説明した、このマンション構造では配線ができないというものです」

工事に来てくれたお兄さんの、なんとも言えない生暖かい声音が忘れられない。
僕は「そうですか、残念です」とただサインするしかできなかった。

その後、メールアドレスに届くキャンセル処理のメール。
僕のこの一ヶ月は自動メールとともに散った。

正直、NUROだめなら先に言ってほしかった。贅沢を言うなら契約時に。
しかし、管理会社に確認不足だった自分の甘さも反省した。

IOS 13のアップデートができない

9月、待望のIOSアップデートがきた。大型アップデートには飛びついていた僕だったが、レンタルWi-Fiはこのアップデートを許してはくれなかった。

iPad OSに変えたいと思うも、アップデートをリクエストすると残り時間2日と表示される。そんなの待ってられるか。
信じられない。家では無理だ。会社に行こう。

結局、会社に行って全デバイスのアップデートを実施した。

リモートワークが破綻する

インターネットが遅いせいで、メンバーに迷惑がかかったりし始めた。

大事な作業の際も、このインターネット不安定な状態だと、音声通話が乱れる。そもそもブラウザで特定のページを開くのにも数秒待たされる。イライラする。

あまり会社に行かない僕であったが、出社を余儀なくされる。これもまたイライラする。

家に帰るとインターネットが死んだふりをしている気さえする。
何を言ってるのかわからねーと思うが、僕にもわからない。それくらいインターネットが遅いという現実はイライラする。耐え難い。

もういいです。もとにもどします

結局僕は解約したプランに戻すことにした。
控えめに言って無駄な一ヶ月だった。

ただただ「”インターネットの速度が遅い”っていうのは最悪だ」という気持ちになった。

配線できなかった業者を恨んでいるわけじゃない。
ただとにかく”インターネットの速度”っていうのは超重要事項であって、家を選ぶときにもっと慎重に確認すべきポイントなのだと知った。

なにせ生活のほぼすべてにインターネットが絡んでくる。すべての中心にやつがいる。

Twitterも
noteも
動画も
コミュニケーションも
料理も
読書も

電波がなければできない。Kindle派なので新しい本も読み始めるのに時間がかかる。もはや人権に匹敵するインフラだった。

このnoteを書いている今、まだレンタルWi-Fi生活をしている。
もとのプラン開通は来週ということは決まっているので、せっかくだしこのつらみを共有することにした。

もとのプランにする、つまり、新しい業者とのやりとりを諦めたのは、あまりのインターネットの速度の遅さに限界を感じているからだ。
もう無理だった。
1Mbpsすら出ない生活を想像してほしい。
僕らは、自分たちが思っているよりインターネットに頼っていることがわかる。
贅沢いってごめんな。この家に住み続ける限り、160Mbpsで我慢するよ。

結論

早い段階でレンタルWi-Fiを交換すればよかった。

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