足りないもの(A千葉)
「最高の90分だった」
この試合の結果だけを見ればそう感じるのもおかしくない。
23年シーズンの最終節は、長崎が勝つことと、山形甲府の試合が引き分けではないと上がることが出来ないという他力本願の状況だ。
千葉に集まった1,000人を超えるサポーター(950枚のゴール裏と200人のメイン側)。やってやろうぜの一体感。失点しても落ち込むことなく鼓舞し続ける90分。ゴール裏の全てが今シーズン最高レベルのものだった。
試合では選手達が僕らの声に応えてくれるように躍動した。攻め込まれてても必死のブロック。万事休すと思われた前半最大の決定機を、
大卒ルーキーで昨年奇しくもアウェイ千葉でスタメンデビューを決めた白井がブロックした。
後半最初のフリーキックも波多野が触り、鍬先が入れさせまいと体を張ってブロック。
今シーズン報われていなかった澤田がもたらした裏への抜け出しと綺麗な1対1を制する技術力の高さ。この場面で同点弾を生み出すこの男は、やはり長崎のレジェンドであり精神的支柱の1人だ。
交代で入った松澤、中村コンビの前プレで相手のトラップ際を狙いカウンターを仕掛ける。
倒された瞬間
「これはPKだ」
確信した。
エースのフアンマが冷静に左隅に攻める。
が、しかしやり直しの笛。
一瞬だけ嫌な予感もよぎる。
しかし、ここは今シーズン絶好調の長崎の絶対的エース。
今度は逆隅にしっかり決めて26得点目を決めた。一気にゴール裏のボルテージもあがる。
波多野がボールを蹴った。誰も触らないのかと思ったバウンドの後、1人猛スピードで追いかけていた男がいた。
増山だ。
必死に伸ばしてGKが触れる直前に先に触ってコースを変えた。コロコロと転がっていくボール。
「入れ!!入れ!!!!!入れ!!!!!!」
ボールが転がっていく様子はスローモーションを見ているようだった。
叫ぶ増山。脱ぐ増山。喜びを爆発される増山。
全てにおいて増山は我々を魅了させてくれた。
試合が終わったが、歓声は大きくなく。すぐに試合結果を確認する。結果は山形が後半ATに決めた勝ち越し弾で勝利を収めた。
集まる選手たち。落ち込む選手たち。勝ったのに。勝ったのになんでいけないんだろうか。
悔しかった。勝手に涙が出てくる。
カンターレは涙声の混じるものだった。
今シーズン長崎は「行くぞJ1!」
をスローガンにしていた。
スローガンにJ1を入れたことでよりプレッシャーに悩まされながら戦っていたのは想像以上に負担のかかるものだっただろう。
今年はあと少し、何かが足りないと感じた。
下位チームとの勝ち点を取りこぼすこと。大量失点を定期的にすること。勝利が安定しないこと。ただ、ハマる時はとことんハマって大勝を収めること。
今シーズンは余計に勝ち点の重みを感じたシーズンだった。来シーズンはこの経験をバネに昇格を目指していくだろう。
我々サポーターもどうだったのだろうか。
やはり人間上手くいかないとイライラすることも増える。選手たちへの声かけ、SNSでの発信はどうだったんだろうか。
応援の雰囲気はどうだったのか。失点したら負けそうだな……とどんよりした雰囲気になってたのではないのか。
サポーターもまだまだ成長できると思う。ホームでもアウェイでも何試合かで見せたポテンシャルを。声を出さなくても手拍子などて後押しをしてくれることで素晴らしい雰囲気を作れることを。
来シーズンはもっと成長していきたい。と思った。(若い年代もだんだん増えてきたので色々上手く頑張れればいいな)
何はともあれ今シーズンの布陣で戦うサッカーは終わった。去就に一喜一憂しながら、ステップアップをする選手が入れば、寂しいけれど喜んで送りだしたい。出場機会が少なかった選手の移籍は今後の活躍を祈りながら送り出したい。そして、新しく来る選手や、来シーズンも長崎で戦うことを決めてくれた選手には喜びの声を送りたい。
何が足りなかったのか。それを模索しながら、新しいシーズンへの期待とオフシーズンの寂しさを感じながら過ごしていきたい。
今年1年間お疲れ様でした。
僕自身今年は30試合(ホーム15、アウェイ15)に行きました。
僕自身あまりSNSでは触れてこなかったのですが、この1年間で一緒に応援をしてくれる仲間もより増えたし、応援への熱意がさらにました1年でした。
いつも声をかけてくれる皆様に感謝です。また来シーズンもよろしくお願いします!!!!
(今年こそはシーズンまとめのブログを書きます)
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