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「藤井聡太に熱狂する将棋ファン」の史実との違い。より感動できる将棋界のストーリーとは

最近ある1つのnoteが話題となりました。

上記のnoteには将棋ファン以外の方々にもわかりやすく感動を伝えるために、藤井二冠の立ち位置を際立たせ、ストーリー性を高めるための脚色が数多く施されています。
いわば映画や大河ドラマのような、事実を元にしたフィクションのようなものです。
多くの人に将棋の魅力を伝えた記事でしたが、一方で過度な藤井神格化に違和感を覚える声もありました。
今回の記事では元記事における表現の真偽を可能な限り調べ、藤井二冠に限らず多くの登場人物の努力で発展してきた将棋界の「本当のストーリー」をあぶり出していきます。

『将棋はゲーム』のニュアンス

元記事のストーリーの要になっている「将棋はゲーム」発言に関しては、こちらの記事で紹介されています。

(前略)哲学者の口からこぼれた真理の細かなかけらのようにも聞こえてくるのだ。トッププロでありながら、将棋というゲームの本質に正面から向かい合っている羽生という青年に、私は驚きを禁じえなかった。
-- 羽生善治「将棋はゲーム」と言い切る革命児

記事の内容はnote記事とほぼ同じですが、羽生が将棋をゲームとみることで将棋の真髄を捉えようとしている様子が伺えます。

テレビゲームのくだりは筆者が補った、いわゆる一種のこじつけであり、
筆者の主観で書かれた以下のパートも元記事の印象とは大きく異なります。

羽生世代は「将棋って(他のテレビゲームと同じで)ただのゲームじゃん」と言いだしました。師匠の家で雑巾掛けとか、内弟子修行とか、そりゃ精神修養にはなるかもしれないけど、将棋が強くなることだけ考えたら時間の無駄だよね?と(言葉はアレですけど、まあ、ズバッと言ってしまえばこんな感じ)。

棋譜とコンピュータの発達

棋譜を誰もが簡単に手に入れられるようになったり、ネット対戦で遠方の棋士同士が対戦できるようになったりとか、いろいろ変化はあるのですが、それはこの際すっとばして、

記事ではすっ飛ばされていますが、実はプロ棋士にとってはこれらは将棋ソフト以上に大きな変化だったかもしれません。
ここでは、羽生善治著『決断力』を引用します。

若い私たちの世代の棋士たちが、最初に将棋の研究のためパソコンを積極的に利用しだしたのである

--羽生善治『決断力』
昔からの考え方では、「一局の将棋」はどの道を通ったか、どういう選択をしたがで勝ちに結びつくのではなく、棋士の個性と個性のぶつかり合いで勝負が決すると考えられていた。
(中略)パソコンが導入されて、過去の棋譜を簡単に検索できるようになり、純粋に将棋の技術だけを学べるようになった、
その結果、将棋界全体が棋譜や情報を集めて分析し、研究するという体系的、学術的なアプローチへと変わったのである。

--羽生善治 『決断力』

棋譜のデータベース化によって、将棋が勝負するものから勉強するものへと変わったと語られています。
羽生世代を語る上で欠かせないのが島研の存在ですが、
Wikipediaにも、島研時代にパソコンによるデータ管理が発達し、研究量で他を圧倒した様子が記されています。

若手との研究会や、パソコンによるデータ管理など、将棋界に新風を吹き込んだ(当時、研究は一人で行うのが普通であった。)。中でも、羽生善治・佐藤康光・森内俊之が参加していた「島研」(1986年(昭和61年)頃から1990年(平成2年)頃まで)は伝説的研究会といわれる。
島研のメンバーはのちに全員が竜王位を経験し、島以外は全員が名人位についた。この島研時代の研究量は他を圧倒していた。
島朗 - Wikipedia

「将棋はゲーム」のくだりはテレビゲームの発売によって生まれたわけではなく、
データベースによって過去の棋譜を参照し、研究することが可能になったことによる時代の変化によるものだと考えられます。
そして、これこそが羽生世代が前の世代を一掃した一番の理由でした。

人間とコンピュータ・対立の時代

コンピュータ将棋と将棋連盟の間には確かに対立がありました。
2005年10月に将棋連盟は連盟に無断でプロ棋士とコンピュータが対局することを禁止するお触れを出し、その後2012年に電王戦が開催されるまで人間との対戦は数度しか行われませんでした。

当時トップ棋士だった羽生さんとの対局も実現しないまま、2015年に情報処理学会はコンピュータ将棋プロジェクトの終了宣言を出し、
プロ棋士も消極的ながらそれを受け入れました。

コンピュータ将棋ソフトPuella α開発者の伊藤英紀はこの宣言についてこう語っています。

「学会としては、内心はとっくに抜いたと思いつつ、世間にわかりやすいように羽生さんに勝ったとこで終わりにしようと思ってたけど、連盟がいつまでも逃げまわって実現しない。実質抜いてるのにこれ以上続ける動機もリソース/予算もないので、理屈つけて終わりにした、という感じなんだろうな」
-- コンピュータ将棋 - Wikipedia

一方で、プロ棋士には、ソフトを積極的に活用する者、ソフトを否定する者、時代に任せる者とコンピュータとの関わり方に関して、様々な考えがありました。
これについては、大川慎太郎著『不屈の棋士』(2016年)で詳しく知ることができます。

名人が機械に負けたこと

棋界の頂点に立つ名人が機械に負けたわけですから。

2017年に名人が負けたことは、実は棋士の間でもファンの間でもあまり話題になっていません
将棋ソフトと棋士との関わりについて書かれた『不屈の棋士』でも、
2013年に開催された第2回電王戦第5局の三浦九段の敗北をトップ棋士が重く受け止めている様子が書かれており、
2015年の情報処理学会の「トップ棋士を超えた宣言」も消極的ながら棋界に受け入れられました。
そのため、2017年には既にコンピュータとプロ棋士との決着はほぼついていると考えている者が多かったのです。

電王戦は数年に渡って繰り広げられましたが、note記事ではわかりやすく2017年の名人vsPonanzaに対象を絞ったのでしょう。

電王戦の開催

そこから棋士とソフトは「対立の時代」を迎えます。将棋ソフトvs人間の棋士の対戦が行われるようになります。それが電王戦です。

記事の方ではこう書かれていますが、むしろ対立の時代が明け、将棋連盟とドワンゴの協力によって、興行としての動きを見せたのが電王戦だったと言えます。

電王戦は決して余興ではなく、現在将棋界でタイトルホルダーとなっている豊島竜王永瀬二冠が含まれるメンバーリストを見ても、若手からベテランまで有力棋士を揃えた本気のイベントであることがわかります。

(8/30 追記)
電王戦の開催に向けて動いたのは、ドワンゴよりも故・米長会長によるものだったようです。

主観的に今から申し上げますと、正直私としては故・米長会長に半ば強引に無理やり、実は逃してもらえなかったということが本当のところなんですけども、そういう経緯で電王戦がスタートしたわけなんですが
Ponanza強すぎの第2期電王戦第2局裏話、川上会長が電王戦の成り立ちをぶっちゃける - 週刊アスキー

電王戦で離れた将棋ファンと増えた将棋ファン

ここで離れた将棋ファンもいたかもしれません。私は残ったけれども、モヤモヤしたものは当然ありました。

電王戦に関してはただファンが離れただけではなく、将棋ファンを増やすような興行でもあったと語られています。森内九段のコメントを引用します。

森内: 離れてしまった人がいたら、また新しいファンを獲得するしかないですよね。逆にソフトとの戦いによって将棋に興味を持ってくださった人もたくさんいらっしゃるので、電王戦によってファン層が変化したのかもしれません
--大川慎太郎『不屈の棋士』より森内九段

電王戦は対コンピュータとの対決でありながら、人間が対局する魅力を伝えることに成功しました。

これは想像ですが、もし電王戦がなかったら一般の人にとってのコンピュータは、知らない間に棋士を越えていった存在となっていたのではないでしょうか。
そうなっていたら、将棋中継で評価値だけを伝えるコンピュータの存在に対して、

機械より弱い人間の対戦を見て何が楽しいの?と。チェスも、将棋も、囲碁も、プロなんていることに意味あるの?と。

こういった議論は今以上に多かったでしょう。考えるだけでゾッとします。

Ponanza作者の引退とコンピュータ将棋

(もうソフトの勝ちは明らかだし、これ以上、将棋ソフトの開発なんてやってたって意味ねーよ、みたいな感じでしょうかね)

ここでもnote筆者の主観が補足されています。

Ponanza開発者の山本さんは一区切りついたとやめてしまいましたが、
そこでコンピュータ将棋が終わったわけではなく、
2020年現在では、2017年当時のソフトに対して飛車角を使わずに勝つほど強くなっています。

ヤバいぐらい強いコンピュータ将棋ソフトに大駒落ちで勝ち越せる人類は何人存在するか?(松本博文) - 個人 - Yahoo!ニュース

コンピュータ将棋開発者にとっても、将棋は人間を倒すだけのものではなく、純粋に強くしたいものであり続けているのです。

プロ棋士である千田七段も「開発者の方々は技術に対する意欲が強くまじめ、ポナンザ開発者の山本さんの情熱はおかしいくらい」
と『不屈の棋士』の中で評しています。

また、コンピュータ将棋ソフトelmoが使うことで注目されたelmo囲いが、プロ棋士の間でも流行し、
新たな戦法、定跡の開発や進歩に大きな役割を果たした者に与えられる、升田幸三賞が史上初めて将棋ソフトに与えられました。

藤井二冠も昨年elmo囲いを採用し、対局後のインタビューで

「形としていいというのはわかります。駒の配置として優れているというのは間違いないところかと思います」
藤井聡太七段も太鼓判! ここがすごいぞ「エルモ囲い」!!(マイナビニュース) - Yahoo!ニュース

と回答しています。
かつての対立の時代は終わり、現在では、プロ棋士とコンピュータ将棋は共に高みを目指す存在となっているのです。

人間にしかできない勝負

機械より弱い人間の対戦を見て何が楽しいの?と。チェスも、将棋も、囲碁も、プロなんていることに意味あるの?と。

コンピュータ将棋も、floodgateというサイトで対戦を見ることができますが、千田七段のような最先端の将棋を知りたい極一部の層を除き、観戦を楽しむような文化はほとんど存在しません。

羽生世代によって「将棋はただのゲーム」と定義されました。ゲームならば結局は勝つか負けるかです。だとしたら、強いのは人間より将棋ソフト(コンピューター)だよねと。

この段落も1文目、3文目は事実ですが、2文目の「ゲームならば結局は勝つか負けるかです。」は筆者の主観によって補われた箇所で、
もちろんそんなことはありません。(それでは、あらゆるゲーム観戦が否定されてしまいます)

事実、羽生世代の1人である佐藤康光九段もこう語っています。

将棋はそれほど簡単ではない。一局の将棋を報道していただく時にも、いちばんインパクトのある局面しか記事にされない。でも将棋は平均で110手あるので、少なくとも110の思考とドラマがあります。

--大川慎太郎『不屈の棋士』より佐藤康光九段
いい手もあれば悪い手もあるのが将棋なんです。全部最善手を指さなきゃいけないということであれば、その一局で将棋はおしまい。結論が出てしまうわけだから。将棋は、そういう方法を人間に見つけさせるために生まれてきたものではないと思うんです。結論を出すためのゲームではない

--大川慎太郎『不屈の棋士』

結論は勝ち負けしかないが、そこへのアプローチは無数にあり、棋士はその中で人間にしか出せない勝負を見せていけば良いと佐藤九段は語っています。

ソフト不正使用騒動

そんな将棋界も明るい話ばかりではありませんでした。
ソフト不正使用騒動の一件に関しては橋本崇載八段による 『棋士の一分 将棋界が変わるには』で、その前後の将棋界が語られています。

※三浦九段の潔白は証明されており巻き込まれただけなので、元記事のように三浦事件と呼ぶのは不適切であり、ここではソフト不正使用騒動と呼ぶことにします。

それを棋士たちが集団で告発し、敵味方に分かれて派閥抗争をするだとか。ファン同士の罵り合いにも疲れ果てていた。

泥沼や炎上ファンもうんざりしたことに関しては『棋士の一分』にも書かれています。

(一説では将棋連盟は謝罪金として5000万円を三浦さんに払ってカタを付けたとか)。

この一文に関しては、将棋に詳しくない方が読むと破格金で解決といった印象を受けてしまいますが、
元記事では三浦九段が冤罪によって出場できなかった竜王戦の賞金から考えると妥当な額という推定がなされています。

藤井聡太デビュー

奨励会の印象に関しては、調査した限りそんなに外れていなさそうです。

ところが、その鬼の棲家をあっさり一期で抜け、プロ(四段)になってしまった。藤井聡太が作られた天才ではなく、マジもんの化け物である所以です。

三段リーグを一期で抜けたのは68回のリーグでたったの8名しかいません。
それどころか、三段リーグを中学生で抜けたのは渡辺明以来の快挙です。

このセクションは客観的に構成されており、調べるとそれぞれ参照元がヒットします。 

西山朋佳三段はこう語っています。
圧倒的に有利な状況にもかかわらず、相手の粘りにあって、藤井少年は自分のミスで負けてしまいます。
ちなみに当時の状況を、現将棋連盟の理事・脇さんはこう語っています。

藤井母の心情

しかしながら藤井母のくだりは信憑性が低そうに見えます。

聡太君の母親は、息子がプロ棋士になることに、最初はあまり賛成していなかったと聞きます。お母さんの気持ちはわかります。ちょうど将棋ソフトの強さが話題になっていた頃です。

将来的にプロ棋士なんて職業はなくなるのではないか? 稼げないし、食っていけないのではないか? そんな不安定な世界に息子を進ませていいのか。親だったら当然の不安です

例えばこのくだりは1文目のみが伝聞、2文目以降は筆者の想像で補われています。

藤井母の発言に関しては以下の記事から窺い知ることができます。

「プロは厳しい世界。最年少だからといって、勝てる保証はありません。でも、本人が選んだ道だから、私は応援するだけ。聡太が勝つ姿が見たいです」
史上最年少プロ棋士藤井聡太 母明かす「天才少年の育て方」

ここから読み取るに、「息子の意思を尊重し自由に育てているが、心配はしている」といったところでしょうか。

「お母さんは(将棋)ソフト、嫌いでしょ?」

この一文については、元となる記事がありました。藤井母にとってAIは心配の種の一つとなっていたようです。

盤上の物語

元記事ではここから史実を無視した怒涛の藤井神格化が始まります。

彼らは将棋ソフトの台頭で「自分たちの存在意義がなくなるのでは?」と右往左往していた。

藤井母のように、将棋ソフトに関して心配していたのはプロ棋士より、むしろファンや周りの方でした。
例えば、ponanzaに負けた元名人である、佐藤天彦九段曰く、

「人間が楽しむには今の将棋がベストなのだから、たとえソフトが強かろうと関係ない。結局人間が楽しめなければ意味がないですし、それとソフトの存在は別問題なのです。」

--大川慎太郎『不屈の棋士』より佐藤天彦九段

また、他のトップ棋士もこう語っています。

羽生善治「自分にできる将棋をやっていくしかありません」
渡辺明「人同士がやるからゲームとして楽しんでるんです。」

--大川慎太郎『不屈の棋士』

プロ棋士のソフトに対する考えは様々で、中には右往左往した方もいたかもしれませんが、自分たちのできることをやっていく、すなわち人間同士の戦いで魅せることを考えていたのではないでしょうか。

最善手外し

某掲示板では、藤井聡太は序中盤であえて「最善手」を外して指している、という噂が根強くあります。

この噂はおそらく事実でしょう。なぜならソフト以前から展開や持ち時間をコントロールする手を打つのは、藤井二冠に限らず行われてきたことだからです。

特に近年、将棋ソフトを使った研究が盛んとなったため、わざと最善手を避け研究を外すような力技の展開が増えたと『不屈の棋士』で語られています。

小学生時代

聞くところによると、藤井聡太は小学校6年間、友達と将棋以外の遊びをしたことがないそうです。鬼ごっこも、かくれんぼも、女の子とイチャイチャしたこともない。

以下の記事では真逆のことが語られています。

小学校低学年のときには、家庭訪問に訪れた担任教諭を木の上で出迎え、驚かせたこともあったそうだ。
「友達とよく遊び、食べることが好きで、ドラえもんが好き。どこにでもいるふつうの子供でした」。ただ、好きなことにはとことん熱中した。
《再掲》最年少プロ棋士・藤井聡太四段、強さの秘密は 「好きなことにとことん熱中」天才の素顔に迫る

また、以下の記事でも藤井聡太の小学生時代が語られています。

詰将棋という「作品」

彼は詰将棋のことを「作品」と呼びます。問題でも、設問でもなく、「作品」です。
彼は詰将棋というパズルを、小説や音楽のような、作者の意図が込められた一つの「芸術」だと言っているのです(詰将棋作家たちが感激したのは言うまでもありません)。

藤井二冠に限らず、詰将棋の世界では詰将棋のことを「作品」と呼びます。

こちらの記事でも一貫して「作品」と書かれています。特に江戸時代に作られた将棋図式は高度かつ芸術的と高く評価されています。

詰将棋の模範解答は「作意手順」と呼ばれます。この表現からも詰将棋は作者の意図が込められた作品と考えられていることが伺えますし、
藤井二冠がただ「作品」と呼んだだけで詰将棋作家が感激することはありません。

(余談ですが、藤井二冠は詰将棋作家としても評価されています)

ただのゲームから一遍の物語

こうして羽生善治によって「ただのゲーム」と定義された将棋は、30年の時を経て、令和の今、17歳の少年によって「人間同士が盤上で綴る一遍の物語」となったのです。

この一文からは、羽生以前の時代には個性と個性をぶつけ合う勝負だった将棋が、羽生世代によって「ただのゲーム」として扱われ、藤井二冠によって再び物語となったという印象を受けてしまいます。

しかし、羽生世代によって作られた、将棋をゲームだと捉えて純粋に技術を伸ばそうとする文化を、現在まさに体現しようとしているのが「将棋が強くなりたいという純粋な気持ち」を持った藤井二冠です。

それはもうすがすがしいほどです。「棋聖」という称号がこれほどふさわしい棋士がかつていたでしょうか?

元noteのこの一文は端的に藤井二冠を表現しており、心を打たれます。

もちろん藤井二冠も将棋について、夢中になれる奥が深い「ボードゲーム」だと考えています。

そもそも将棋というゲームに出会って、それが楽しくて夢中にやってきたというのがここまでつながったと思っているので、そういった自分の好きなことに全力で取り組んでみてほしいなというふうに思います。

藤井聡太棋聖 人間とソフトでは構造が違う 日テレnews24
藤井棋聖:
将棋は本当に難しいゲームで、対局のたびに何手か新しい発見があるものなので、これからも探究心を忘れずにやっていきたいという思いを込めました。自分としては、できる限り強くなりたいと思っています

【単独インタビュー】藤井聡太棋聖×加藤綾子キャスター 意外な弱点や好きなもの…そして心に刻む二文字は

まとめ

羽生九段の「将棋はゲームである」の流れを汲み、ゲームの本質に正面から向かい合う姿は、藤井二冠をはじめとした現代の棋士たちにも受け継がれています。

また、一遍の物語についても、電王戦やソフトが台頭した中での棋士の考えを知ることで、
決して藤井二冠ただ一人によってのみ将棋が昇華されたわけではなく、人間同士の将棋の魅力を伝えるためできることを皆が懸命にやっているという印象を受けるのではないでしょうか。

かつては、将棋の普及に取り組むのはプロ棋士の中でも一線を退いた者の仕事とされていました。けれども現在では「西遊棋」「東竜門」といったイベントで、若手棋士が企画から運営まで活躍しています。
そんな中、将棋界を越えて注目を浴びる藤井二冠の活躍が棋士たちの中で明るい話題だったことは疑いようのない事実であるものの、
この波に乗ってさらなる発展を遂げられるかどうかは藤井二冠だけでなく彼らやファン、将棋に関わる全ての人にかかっています。
同じゲームを愛する者として、今後の将棋界の発展を強く願っています。

姉妹記事

今回の記事はもともと手元の検証メモとして書き残していたのですが、
このnote記事を読み、「集めた資料を元に、別の着眼点から語ることができるのでは」と執筆を決めました。
こちらの記事では、より将棋界の内部からの視点がフォーカスされています。

参考書籍

将棋を通した羽生さんの人生観が語られています。

AIと棋士の関わり方について書かれた良著。3年経っての心境の変化も気になります。

将棋界の負の出来事に関して内部から書かれた貴重な書籍

参考サイト

羽生善治「将棋はゲーム」と言い切る革命児 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/11097

https://ja.wikipedia.org/wiki/コンピュータ将棋#2015年
島朗 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E6%9C%97
 
情報処理学会-コンピュータ将棋プロジェクトの終了宣言
http://www.ipsj.or.jp/50anv/shogi/20151011.html

将棋電王戦 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%86%E6%A3%8B%E9%9B%BB%E7%8E%8B%E6%88%A6

elmo囲い - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/Elmo%E5%9B%B2%E3%81%84#:~:text=elmo%E5%9B%B2%E3%81%84%EF%BC%88%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%81%8C%E3%81%93%E3%81%84,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82

藤井聡太七段も太鼓判! ここがすごいぞ「エルモ囲い」!!(マイナビニュース) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/f3d53bb34f52eb72d72069c0a4451f409d63970f

将棋ソフト不正使用疑惑騒動 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%86%E6%A3%8B%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E4%BD%BF%E7%94%A8%E7%96%91%E6%83%91%E9%A8%92%E5%8B%95

三浦九段への慰謝料「5000万円は下らない」 - 社会 : 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1829144.html

(2ページ目)「絶対にやばい一番になる」14歳藤井聡太がプロになった対局、敗れた西山朋佳三段の本音とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/15061?page=2

崩れ落ちた中学生棋士 深浦康市九段ー藤井聡太四段:第3期 叡王戦本戦観戦記
https://originalnews.nico/70722

ヒーローは「近所のお兄ちゃん」 最年少二冠の藤井聡太王位:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/50311?rct=national

史上最年少プロ棋士藤井聡太 母明かす「天才少年の育て方」 | 女性自身
https://jisin.jp/domestic/1623135/

藤井聡太七段、最年少タイトル獲得のウラで大学進学を希望していた母との”対局”(デイリー新潮) - goo ニュース
https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/entertainment/dailyshincho-644628.html

オピニオン | 記者の目:最年少でタイトル、藤井棋聖 AIで磨いた形勢判断力=新土居仁昌(大阪学芸部) - 毎日新聞 - 紙面掲載記事 https://headtopics.com/jp/3535232773123981333712-14636146

オセロ界はソフトといかに向き合ってきたか
https://www.slideshare.net/bakumomoki/ss-72668518
最善手外しに関して。記事では割愛しましたが、ソフトによる研究に関してより進んでいるオセロ界での研究が分かりやすく書かれています。

一番強い手が最善手というわけではない。曖昧さを求めるということ【将棋と教育】|将棋コラム|日本将棋連盟
https://www.shogi.or.jp/column/2017/09/post_238.html

《再掲》最年少プロ棋士・藤井聡太四段、強さの秘密は 「好きなことにとことん熱中」天才の素顔に迫る(1/3ページ) - 産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/170621/wst1706210038-n1.html

詰将棋 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%B0%E5%B0%86%E6%A3%8B

藤井聡太棋聖 人間とソフトでは構造が違う 日テレnews24
https://www.news24.jp/articles/2020/07/23/07686246.html

【単独インタビュー】藤井聡太棋聖×加藤綾子キャスター 意外な弱点や好きなもの…そして心に刻む二文字は
https://www.fnn.jp/articles/-/65593

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