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InnerWisdomでつながる世界/Zen2.0×Wisdom2.0Japanイベントレポート

禅とマインドフルネスの国際カンファレンスとして6年目を迎える、鎌倉発のZen2.0。
サンフランシスコ発のWisdom2.0を日本で開催するカンファレンスとして3年目を迎えるWisdom2.0Japan。
それぞれのファウンダーから、両カンファレンスの今年の見どころを紹介するイベントを開催しました。

Zen2.0
毎年、鎌倉を舞台に開催される、禅とマインドフルネスの国際カンファレンスです。Zen2.0は、国境やあらゆる属性を越え、人類全体が心豊かに地球を共有するビジョンを描き、マインドフルプラネットを目指しています。重要な価値基準として、仏教の「仏・法・僧」の三宝から借り、「わたし」「自然」「つながり」を3つを大切にしています。禅を基盤した精神性とメタバースやWEB3に代表されるテクノロジーが調和した、慈悲慈愛にあふれる社会の実現を目指して活動しています。
https://www.zen20.jp/

Wisdom2.0Japan
米国・サンフランシスコ発の世界のマインドフルネスブームを牽引しているカンファレンス&コミュニティの日本版です。“Living Wisely in the Digital Age. ”をテーマに発足し、混迷な時代における叡智ある人類の生き方、あり方を探求し、日本では2020年より世界と日本の第一人者の登壇者とWisdom2.0の価値観に共感する参加者でつくりあげるカンファレンスとコミュニティを実現しています。
https://event.wisdom2japan.com/

イベント登壇者
Wisdom2.0Japan 荻野淳也
Zen2.0 宍戸幹央、石渡万希子
司会 Zen2.0 児玉美保

2022年の開催に向けての想いとテーマ

(児玉)今年の開催に向けて準備を進めてきた中で、いろいろな想いがあると思うので、まずはその辺りのお話を伺えますか。

(宍戸)その前の流れから話しますと、実はZen2.0もサンフランシスコのWisdom2.0を日本で開催したいという思いから始まっています。2015年に三木さんと一緒に鎌倉で禅とマインドフルネスのフォーラムをやりたいねと話していた時に、清水ハン栄治さんからサンフランシスコにWisdom2.0という参考になりそうなカンファレンスがあると紹介されました。それはぜひ見に行こうということになり、荻野淳也さんにガイドしていただいて見に行ったという経緯があります。それから2年ほど準備期間をおいて2017年に第一回の開催となりました。

今年のテーマの重なりからも、両カンファレンスとも似たような想いがあると感じていまして、これからの時代に必要なエッセンスがInnerWisdom、つまり内面から始まるということ、そしてそれを世界にどう繋げていくかという想いがそれぞれのイベントに詰まっているのではないかなと思っています。

Zen2.0は毎年2月くらいから動き始めるのですが、今年のテーマを考えるうえで大きかったのが、1月22日にティク・ナット・ハンさんというベトナム人の僧侶が亡くなられて、それを追悼するという想いでした。
2月に追悼イベントをWisdom2.0Japanと合同で開催しましたが、その日がロシアのウクライナ侵攻の日で。侵攻直後の夜、すごく複雑な思いでイベントを開催したのを覚えていいます。

2022年2月24日に共同開催した追悼イベント

ティク・ナット・ハンさんはベトナム戦争の時に、ベトナム人の僧侶でありながら中立的な立場を大事にして、アメリカに渡り平和活動をされ、その流れの中でお互いの痛みに気づくということも含めてマインドフルネスを広めていました。追悼イベントではその想いを大事にしながら、まだ広めきれていないことに対して何ができるかを考えるものだったと思います。それが今年のテーマ「Start from InnerWisdom.」に繋がってきています。

(荻野)Wisdom2.0Japanの今年のテーマは「The inner world changes the outer world.」にしたのですが、これはZen2.0と似てますねと言われました。でも似てていいんじゃないかなと思っています。もともとサンフランシスコのWisdom2.0が体現してきたことですし。今年ハイブリッドで開催されたサンフランシスコのWisdom2.0も、やはり全体的な雰囲気から「内側の世界を整えることで初めて外側の世界が変わっていく」「内側と外側の形はフラクタル(相似形)だ」ということを伝えている印象を感じました。

Wisdom2.0Japanは今年3回目で、初めてハイブリッドながら会場開催が実現しますが、第1回はまさにパンデミックで会場開催を延期してオンラインになりました。そんな状況で当初から思っていたことは、ここまで陰極まっている世界の中では、もちろんメディテーションや坐禅で自分自身を整えることや仲間と共に整えることも大切ですが、そこから気づきを得たのであれば、気づいた人の責任としてアクションしていくということが、より大切なのではないかなと。
そこはまさにティク・ナット・ハンが「エンゲージド・ブッディズム(社会参画型仏教)」として体現されたことで、それを引き継いでいきたいと。そういう人はたくさん出てきていると思うので、そうしたマインドフルネスをベースにしながら社会活動をしている人達を紹介したいと思いながら、去年と今年は構成を考えています。

(児玉)それぞれの想いから、テーマについての方向性がなんとなく見えてきたところで、改めてテーマについて伺いたいです。

Zen2.0 テーマ:
Start from InnerWisdom. ~すべての物語と共に生きる~

Wisdom2.0Japan テーマ:
The inner world changes the outer world.

(石渡)Zen2.0ではテーマを検討する頃に戦争がはじまり、報道を見ていてもすぐに正誤のジャッジをする雰囲気がある中で、一旦立ち止まってInnerWisdomにアクセスするところを大事にしようということを話し合いました。
邦題の「すべての物語と共に生きる」というのは、ティク・ナット・ハンが実現したかった世界をしっかり語りたいという追悼の想いがあります。誰もが相反することや矛盾を抱えていると思いますが、それと共にどう生きていくのか、それぞれの多様なストーリーを大切にしていきたいというものです。

(児玉)タイトルを決めるまで2カ月くらいかかりましたね。一度決めてから、また変えるといった感じで。
Wisdom2.0Japanのタイトルはどう決めたのですか?

(荻野)だいたい僕が決めます。僕の頭に降りてくるかどうかで(笑)
昨年は「New Hope」でしたね。

(宍戸)「New」が重なってましたね。Zen2.0は「New Earth」でした。
今年は「Wisdom」というところが重なるかなと思いましたが、そんなことは気にしないで、本当に大事なことに決めていこうとなりました。

(石渡)最近はSDGsがなかなか進んでいないということで、IDGsというムーブメントが起こっていますが、内側の開発を大事にするというIDGsとも絡む形で、InnerWisdomに焦点が当たりました。

今年のプログラムを紹介

(児玉)テーマを骨格として登壇者や話していただく内容が決まってきたと思いますが、今年のプログラムはどのようなものでしょうか。

(宍戸)流れとして、ティク・ナット・ハンのインタービーイング(相互存在)を感じられることを大事にしながら、どうやったらひとりひとりが動き出せる状況を作りだしていけるかというストーリーを考えながら決めていきました。

体験という場から感じられること、言葉を超えたものを得られるようにということで、トークと実践を二つの会場で展開することになりました。

(石渡)1日目は、自分のInnerWisdomに繋がれるような内容で、2日目はそれをどう統合して社会実装していくのかという設計になっていて、最後はラブで終わるという。

(荻野)いいですね。僕たちはラブで始まるんですよ。

(石渡)では、Zen2.0からラブで繋がってWisdom2.0Japanに(笑)

(荻野)そうそう(笑)

Zen2.0 2022 プログラム ※2022.09.02現在


Wisdom2.0Japan 2022 プログラム ※2022.09.16現在


(荻野)Zen2.0のプログラムは、さすがに6回目ともなると羨ましいくらい充実してきていますね。


Wisdom2.0Japanは韓国との共催が前提となっています。
前の週10月8日が韓国の開催なので、僕と木蔵が韓国に行って登壇します。そして翌週のJapanでは韓国のファウンダーであるJuneさんが日本にきて登壇してくれるという形で、サンフランシスコで始まっていますが、もともとアジアにあったWisdomが戻ってきて広がっていくという流れを作り出したいと思っています。

パンデミック、戦争、気候変動と、いろんなことがどんどん起こっていく中で、それに抗うのではなく、どのようにうまく乗り切って新しい世界を創っていくのか。そこはひとりひとりの内側のプラクティスがベースになっていくと思います。プラクティスをしながら気づいた人がアクションしていくという、Wisdomやマインドフルネスを社会実装していくのが僕たちのテーマですので、そうした人達を紹介していきます。

Zen2.0のプログラムでは、子育てというのは今年新しいテーマのような気がしますね。

(宍戸)幼少期と子育てというテーマで、瞑想研究者の藤野さんが育児をすることにより、子育ての中で重要になってくるマインドフルネスを届けていきます。子どもと向き合う中で実は自分に対して気づかされることが多いということで、子どもを育てるようで自分も育っていくというセッションになります。ソーヤー海さんは、サステナブルな社会を作っていくにあたって、世界を引っ張っていく強いリーダーの中にある幼少期のトラウマなどが原因で悪影響を及ぼしているケースも多く、負の連鎖の解消を断ち切っていく次世代の子育てが新しい時代を作るために大事なのではないかというお話をされていて、非常に共感しています。

Wisdom2.0Japanでも教育というテーマのセッションがありますね。
SEL(Social Emotional Learning)も日本の中で流れができていると思います。

(荻野)SELのベースとなるEQ(Emotional Inteligence)をきちんと養うことで、クラスの友達と関係性を築いていけるといった教育がアメリカでは20年前くらいから始まっていて、それをどうやって日本の中で広めているのか下向さんに紹介いただきます。
SELの中でも大切な自己認識力がマインドフルネスで高まっていくので、そこはセットになって広がっているのではないでしょうか。かえつ有明の副校長先生である佐野先生は地道に教育界にマインドフルネスを広げていまして、志を持って教育界を変えようとしている方々です。

Zen2.0での「子育て」から、次のステップの「教育」の話という流れになりますね。

(石渡)Wisdom2.0Japanは女性のパワーがすごい感じがします。
登壇の人数もちょうど半分くらいですか?

(荻野)そうなんです。僕の当初からの目的のひとつが、女性の登壇者を半分以上にしたいということで。日本だと、どうしても男性が多くなっちゃいますよね。今年はたぶん、女性の登壇者のほうが多くなるのではないでしょうか。それもソーシャル・アクションのひとつだと思っています。
Wisdomとマインドフルネスとパワーを統合されている方が多いので、女性性に基づいた世界みたいなところも感じていただけるといいですね。

最後に推しポイントをひとつずつ


(児玉)では、最後にそれぞれの推しポイントをひとつ教えていただけますか。

(宍戸)いろいろありますが、今年はハイブリッド開催ですので、ぜひ会場にきて建長寺も感じていただきたいですね。建長寺の雰囲気や、歴史を味わっていただきたいと思っています。
もうひとつ、オンライン参加の方にはメタバースの禅堂もありますので、こうした新しい世界観でZen2.0を味わうということも楽しんでください。

Zen2.0 メタバース禅堂

(宍戸)あえてメタバースを取り入れる背景として、般若心経ではこの現実自体が空であるというところを捉えるために、さらに仮想空間を体験することで、より現実の空性を感じる機会になるかもしれないと思い、メタバース空間も用意してみました。

(児玉)メタバースについては、VR機器を持っていなくても参加できるんですよね?

(宍戸)なくても大丈夫です。スマホからでも参加できますので、ぜひお気軽に。

(石渡)会場にはメタ社からサポートしていただいたVR機器を置いていますので、ぜひ体験してみてください。

(児玉)Wisdom2.0Japanのこだわりや見どころなどの、推しポイントはどんなところになりますか?

(荻野)登壇者の皆さまは、すでに世界を動かしている方々ですので。
やはり、座って、気づいて、それをどう世界のために広げていくかというところですね。
もちろんまだ自分の癒しが必要であれば自分のために座ることが重要だと思いますが、禅やマインドフルネスは世界を変えていくものだと思っていますので、座ったところに出てくる創造性をどう活かしていくかのかというWisdomを登壇者から受け取って、自分自身の半径1mからでもいいので、行動に繋げていただければと思っています。

(児玉)頭、心で感じたことを、どう行動や身体に繋げていくかというところですね。頭でっかちになってしまった我々を元に戻すといいますか。

(荻野)もう一度、原点回帰していくということですね。

(児玉)そうですね。そこは両カンファレンスの共通性だと思います。
これはぜひ、皆さまに両方のカンファレンスにご参加いただきたいですね。

Ze2.0とWisdom2.0Japanの両方にオンライン参加できる、共通チケットもお得な価格でご用意していますので、ぜひご検討ください。

【最終割チケット販売中! 9/30まで】

公式HP:https://wisdom2japan.com/
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編集:Chitose Kiribayashi

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