ヴェニスに死す

トオマス・マン。
古書市でかったものなので、古い訳。実吉健朗さん(健は旧字)。
多少固いかもしれませんが、入り込める流れはあります。

なんと官能的。完全なプラトニックなんだけど、これがすっごいドキドキ。
初恋のあの沸き立つ血潮が、あの遠い情熱が思い出される。

ドイツ在住の社会的地位のある芸術家の老人が、ちょっとした気晴らしにベネチアに旅行に行く。そのホテルでポーランド人の少年の美しさに心を奪われる。
じっと彼の姿を追ってしまう。
だんだんストーカーっぽくなって、少年の親に警戒されちゃったり。
毎日のように美容室で身だしなみを整えたり。
完全に恋に落ちてる!
で、ベネチアでおそらくペストが流行る(昔から、あんなに煌びやかなのに、不潔な街みたいですね)。
早くドイツに帰らなくちゃと理性はたしなめるのに、心が決まらない。
彼の側から離れられない。。。
でも、とうとう彼の家族が帰国を決め、感動の?ラスト。


面白かった!後半はドキドキして一気に読みました。
魔の山、読んでみたいと思って、同じ訳者の岩波文庫を探しましたが書店にあったのは新潮文庫。長編。その話もいずれ。


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