受注ゼロ・限界ギリギリからの日本生還なるか!?1億コンペの行方とは
前回の記事では突如舞い降りた1億円の与件を受けて、提案活動から出張に奔走し、体力の限界ギリギリを迎えるところでした。
いよいよ迎えた最終日の本社プレゼン。
ここでいきなり大問題・・・なんと打ち合わせ予定時刻を1時間も遅れてしまいました。。
北京市内の交通量は大変多く、特にお昼時は渋滞に巻き込まれやすかったのです。提案準備で連日深夜までかかっていたため、そこまで頭が回っていなかったんですね。致命的なミスでした。
生きた心地がしませんでしたね本当に。。笑
クライアントに必死で謝りながら、待って下さることになりました。(優しい。。!)
そして到着するや否や会議室に通されましたが、
目つきの鋭い女性COOと、優しい面持ちのおじさんCEOを相手にプレゼンすることになりました。
プレゼンの練習は重ねていましたが、予想以上に細かい数字への質問が続きました。
日本でこれぐらいの売上を目指すためには、どれくらい集客すればいいのか、課金やら客単価、媒体ごとのシミュレーション数値の根拠など。
女COO「本当にこの数字いくの?」
女COO「というか見立て悪すぎじゃない?」
女COO「〇万件獲りたいんだけど!」
なんとも無茶な要求をしなさる。。
というのも日本でのプロモーションが初めてのクライアントでしたから、
中国と比べて市場の規模感やメディアの持つユーザーボリューム、パフォーマンスなどの数値感は全く実感が湧いていなかったのです。
さらに上司は全く中国語が話せないので、自分が責を負ってプレゼン・質疑応答するしかありません。
圧を感じながらも、質問一つ一つにたどたどしい中国語で説明をしていき、なんとか先方の持つ疑問を解消していきました。
実際に成功している競合ゲームのプロモーション事例を詳しく紹介したり、このゲームであればこういうコミュニケーションをとるべき、という説明をしていきました。(日本のゲームの固有名詞を中国名で伝えるのは一見難しいようですが、英語にすると伝わりました笑)
しかし、時計に目をやると、既に飛行機の離陸時間から1時間半を切っていました。
クライアントのオフィスから北京国際空港まで車を飛ばしても30分以上はかかります。
離陸時間に間に合うのか・・・?
しかしたとえ飛行機に乗り遅れたとしても、もう後がない私は、なんとしても先方の持たれている懸念を払しょくし、一緒にプロモーションをやっていく上でのパートナーになりたいと思いました。
何よりゲームをやりこんでいく中で、私は
この面白さを日本のユーザーにも知ってほしい!
プロモーションを絶対成功させたい!
と思うようになっていましたから。
おじさんCEO「もう大丈夫、分かったから日本に帰れなくなる前に空港に急いでください!」と言われ、
→いや、まだご安心してお任せいただけそうになるまで、ご提案させて下さい!!(無心状態w)
おじさんCEO「本当に間に合わなくなるから!大丈夫だよ!」
→では、何かあればメールでも電話でもいつでもご連絡ください!!
こうしてタクシーを拾い空港へと急ぐことに。
のんきな上司は「お前てんぱってたなwww」と草を生やしていました。
もう受注できるかどうかより、日本に還れるかどうかの瀬戸際でしたので、そんなことはどうでも良かったのですが。。
ところが。。
とんでもないことに気づきました。
財布を見たところ、、
人民元が無い!!
1週間の出張で上司も私も換金していた人民元を使い果たしてしまいました。
近くに両替所も無い。
銀行に立ち寄っても両替は対応しておらず、ずっと日本で生活していたため銀行口座がありません。
そうしている間にも時間は迫っていました。。
そこで機転を利かし、日本円で支払えないか考えました。
為替相場をスマホで見せながら、なんとかタクシーの運ちゃんに日本円ですまん!と交渉し、空港で降ろしてもらいました。(為替相場よりも多めに渡しましたw)
もう時間がない!!
猛ダッシュで搭乗手続きと荷物検査を済ませ、
全力で搭乗ゲートへとダッシュ!!
空港から搭乗ゲートまで本当に遠く感じました。。
全力疾走を重ね、問い合わせが来てから約10日間、休みなく働いた身体は限界でした。それでも停まらず、とにかく前へ!!
・・・
なんとか搭乗ゲートに離陸時間ギリギリ滑り込み、間に合うことができました!
それから羽田空港に到着したとき、やっと帰ってこれた安堵のあまりに、涙が出そうになりました。。
東京に戻ってから、平日になるや否や先方から問い合わせのチャットコールがあり、
女COO「まず記事広告から載せたいから媒体リストよこしなさい。」
女COO「いつから掲載できるの!」
女COO「広告ださくない!?日本ユーザーってこういうのが好きなの。。?」
と怒涛の質問を受け、対応に追われました。(絶対この人Sだろ。。)
当たり前ですが、クライアントの質問に細かく対応し、無心でこなしていきました。
折り悪く、海外への社員旅行が重なりました。
新卒社員は参加必須で、土日もまたぐ行程でした。
クライアントから問い合わせのあった媒体の掲載開始のタイミングと重なってしまっていました。何と間の悪い。。
空港の中、旅行先へ飛び立つ飛行機の座席の中でも、離陸ギリギリまで申し込み対応に追われることに。
海外に到着してからも部屋に缶詰めになり、納品に追われました。
片時も休む暇もないのか。
目の前は青い海と白い砂浜が広がっているのに。。
そして遂に、、
「残りの媒体含め、提案してくれた全プラン、御社にお任せするわ。」
という連絡を受けました。
こうして1億円規模の案件を受注し、社会人になって初めてのクライアントとの取引が始まりました。
海外旅行で浮かれ、飲んで騒いでの社員たちを尻目に、テキーラを浴びせられながらも、2週間余りに及ぶハードワークを経て、しばらく呆然としていました。
ロープレ研修はビリ・営業成績ゼロからスタートし、
解雇宣告の手前の底辺から、
文字通り命からがら這い上がることができました。
ここから圧倒的な数字成果を積上げ、新人賞を受賞することに繋がりました。
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