原付北海道一周8日目
枝幸町→斜里町ウトロ 総移動距離266km
昨日テントを立てた道の駅マリーンアイランドでテントを立てた後、あまりの強風にテントが吹き飛ばされそうになり、日付が変わる頃あたりから睡眠に絶望感を感じ始める。
あまりにも寝れる気がせず、バイクで北海道の夜道を走るのは鹿や熊との衝突の危険性の為タブーとされているが、低速で60km先の隣町に移動するという選択肢が浮かび始める。
とりあえずテントで寝るという選択肢を消し、今にも部品が吹き飛ばされそうになる中、テントを片付ける。
どこか寝れそうな場所は無いかと敷地内を探し回った結果、一箇所希望を感じられる場所が。
同じくテントを畳んだ油井とこーへいと一緒にここで寝ることに。
強靭なテントをもつ松本は朝まで芝生にテントを立てて寝ていた。あいつはやっぱりクレイジーだ。(一般人は絶対寝れない風の強さだった)
2階のスペースはマットと寝袋が敷けるが、テントが立てられる訳ではない。屋外でテントに囲まれずに寝るのは虫の観点から難易度が高いが、旅で蓄積した疲労のためか気絶したように眠り、人生で初めて目を覚ました瞬間に空に青空が広がっていた。
この普段の日常ではありえないことを経験した時に旅って最高だと毎回思わされる。
目を覚ました瞬間に青空が広がっていたときの爽やかな心情は一生忘れられない気がする。
また、旅に出た時はいつもより頭を使うのも楽しい。
いつもはわからないことがあればすぐスマートフォンで調べれば良いし、頭を使って自分で解決する必要がない。
だが、旅は予期せぬアクシデントが起こりまくり、自分でなんとかしなければならない局面に必ず遭遇する。
必死に頭を使い、自分で解決できた時の達成感はやはりかけがえのないものがある。
寝れたとは言えど、実際に寝れたのは約3時間くらい。日々の蓄積した旅の疲れはほとんど取れない。
とは言え、後日の雨予報に備え、今日はかなり進まなければならない。それと、昨晩のテント泊の絶望によりもう知床でホテルを予約してしまった。意地でもいかなければならない。
朝食と身支度を終え、ひとまず網走に向かって出発。出発してすぐに面白い出来事が。
出発前から油井が持っているタバコが無くなり、セイコーマートに寄ってくれとずっと言っていた。
だが、インカムの不調から出発後インカムが繋がっていたのは先頭のこーへいと最後の俺だけ。
出発して10分後、セイコーマートが見えていたが、
こーへい「セコマ寄る?」
俺「あえて一個目スルーしん?笑」
ニコチン依存症油井が思い通りにタバコが手に入らないとどうなるのか好奇心が止まらなかった。
セコマに着いても寄る素振りを見せず、スルーすると、油井が明らかに不満気なジェスチャー。
明らかにそこから油井の運転に集中力がなくなり、なんだと思ったらスマホで次のセイコーマートの場所を調べている。
バカめ、次のセコマは50km先だ。
明らかに気がおかしくなる油井を見て最後尾から森に響くくらい気持ちええええって叫んだ。
50km先のセコマに1時間後ほどに着き、事件後初めて油井と会話。しっかりブチ切れ。そこまで含めて
気持ちえええ!ざまあ!ニヤニヤが止まらなかった。
ただ、その日油井はその後から体調不良。体調にまで影響を及ぼすなら今後はタバコいたずらはやめようと思う。
ひたすらほぼノンストップで道を走らせ、昼食の時間に。サロマ湖近くのレストランで昼食。
今までの人生で最も大きな帆立フライが入ったカレーを食べた。言うまでもなく美味しい。今回の旅で、帆立の好感度が上がり過ぎている。
その後、16時半に網走監獄に着いたが、16時で入園受付終了。悔しいけど仕方ない。
すぐ切り替え、バイクを走らせ北海道のバイカーの聖地の一つを目指す。
網走を超えると、知床半島に入る。知床半島は辺り一面に畑の美しい景色が広がり、これぞ北海道といったような仕上がりだ。
その中にある、天へと続く道に到着。
ここも高校生の時に知り、絶対に行きたかった場所。しかも最も景色の良い夕暮れ時にたどり着き、良い風景が見れた。
その後、30kmほど走らせ、知床半島のウトロに到着。その町の入り口にあるラーメン屋で夕食を取る。
260km近く走って疲弊した身体にこの味噌チャーシュー麺は本当に染みる。追加で頼んだタルタル飯も今までにない味わいで美味しかった。
その後少し走らせ、本日の宿、しれとこ村に到着。
普通の和室のお部屋だが、テント泊が続き、ロクに寝れていない僕達からしたらあまりにも天国すぎる。
これまでに溜まりに溜まった疲れを取るチャンスだ。
今日かなり進めたため、北海道一周の実現に現実味が増してきた。良い部屋でしっかりと体力を回復させ、また明日から充実した日々を送れるように頑張っていきたい。
8日目終わり
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