見出し画像

【全文無料】R-1グランプリに出るにあたって【アマチュア向け】

はじめに

お世話になります。

どくさいスイッチ企画という名義で一人コントを行っている者です。

R-1グランプリ2024の開催決定が発表されました。

先行報道にあった通り、芸歴制限が撤廃され、誰でも出られる大会になったことが明記されています。

この発表を受け、以前、アマチュアの方に向けて、本当にR-1グランプリに出場するかどうかを問うnoteを書きました。おかげさまで多数のいいねとご感想をいただけました。誠にありがとうございます。

以下の文章は、本当にR-1グランプリに出ると決めたアマチュアの方向けの文章です。例によって長文となってしまいますが、ぜひ最後まで目を通していただければ幸いです。


無料コンテンツを利用しよう

賞レース攻略については、既にインターネット上に多数の資料が投稿されています。まずは無料で視聴できるコンテンツを参照しましょう。ネタ作りに直接の影響は与えないかもしれませんが、大きなヒントとなることは間違いありません。

・R-18先生シリーズ
松竹芸能のYoutubeチャンネルに上がっている、紺野ぶるまさんが先生となって若手芸人を熱血指導し、R-1優勝を目指すドキュメンタリーです。
毎年一回戦で敗退している若手に対しての紺野先生のアドバイスが実に的確で、見ているだけで勉強になります。それに加え、生徒の方の成長を見守るドキュメンタリーとしても十分に面白いです。一回戦に合格して泣いている受講者を見ると、こんなに嬉しいんだ……と頑張る原動力になります。
特にオススメなのは、外部講師としてルシファー吉岡さんを招いた回です。R-1ファイナリスト常連のルシファーさんがネタ作り、気にしていること、ダメ出しまで全てを公開しています。神回と言っても過言ではありません。

・ガーベラガーデンかみうらさんのnote
名古屋在住のアマチュア漫才コンビ、ガーベラガーデンかみうらさんによる、M-1グランプリに出場するアマチュアに向けて書かれた記事です。
アマチュアが賞レースに臨む上での意気込み、大事にしたいポイントが詳細に描かれています。特にメンタル面でR-1にも応用できる点が多数あるため読んでおきたい記事です。実際のところ、この記事の構成はかみうらさんのnoteのパクリとなっています。ぜひご覧ください。

以上の2点を押さえておけば以下の記事は読まなくてもいいくらいの素晴らしいテキストです。ぜひご視聴をオススメします。

R-1一回戦の注意点

R-1の一回戦については様々な制限があります。特にスタッフ周りのオペレーションについては最低限のものしか準備されていないため、ネタを作る以前に意識しておくことが必要です。以下、注意すべき点を列挙します。

・舞台は常に明転状態
・暗転は無く全員「ありがとうございました」でネタを終わる
・貸し出される道具が限られている
(マイク、学習机、いす一脚、譜面台など。詳細はHPを確認)
・音響のオペレーターはいない
 音源を使う場合別途オペレーターが必要
・液体や火の持込は厳禁
・既存の楽曲の使用に関しては厳しいチェックがある
・楽屋から舞台袖に移動する際に荷物を全て持っていく
・ネタ時間は2分
・ネタが終わったら速やかに荷物をまとめて退出する

何をしますか

R-1に出る場合、ネタが必要になります(アドリブで2分を乗り切ってやるという考えは捨てたほうがいいです)。まず、一回戦の2分という短い時間に、どのような形態のネタで挑むかを選択しましょう。

・漫談
センターマイクを立て、喋りで笑いをとる芸です。
高い話術と迫力、お客様を巻き込む理論展開が求められます。
難易度が高く、アマチュアで漫談を主戦場としている方は少ない印象です。
基本的に徒手空拳で挑むため、インパクトを残すのに工夫が必要です。

・一人コント
何らかのキャラクター・シチュエーションを演じる芸です。
小道具や衣装やメイクなど、本筋以外で笑いをとることも可能です。
Youtube上に多数の先行事例が投稿されているのも魅力のひとつです。
特に一回戦では状況の説明や描写に時間がかかることが難点です。
脚本の段階でノイズを減らし構成を練ることが重要となります。

・フリップ
面白いことを書いた紙をめくり、ボケたりツッコんだりする芸です。
譜面台のレンタル、もしくはご自身での準備が必要となります。
ボケ役をフリップに委託できるためよく見かける芸風ですが、粗品さん、ヒューマン中村さん、寺田寛明さんなど、先駆者にやり尽くされた感があるため、題材やフリップへの細工など様々な工夫が必要かと思われます。
最近はモニターやプロジェクターを使用する人も増えてきています。
(この場合、機材はすべて持ち込む必要があります)

・ギャグ
いわゆる一発ギャグを立て続けに行う芸です。
大声と元気、テンポの良さ、面白い動きが強みになります。
一回戦は2分とはいえ、本当に一発のギャグで乗り切るにはやや長すぎるため、ギャグは何本か用意したいところです。
また、第一声から掴む挨拶、滑った時のフォロー、連続してギャグを披露するためのフォーマットなどがあるとより見やすくなります。

・歌ネタ
楽器や音源に合わせ、コミカルな歌を歌って笑いをとる芸です。
エレキギターを使用する場合、アンプは持ち込む必要があります。
オリジナルソングの場合は特に問題ありませんが、既存楽曲の使用は厳しく制限されています。大会の規定について十分な確認が必要です。

・モノマネ・形態模写
人物・キャラになりきってモノマネを披露する芸です。
ややニッチな芸ですが、博多大吉さん、じゅんいちダビッドソンさん、ハリウッドザコシショウさんなどチャンピオンを多数輩出したジャンルでもあります。現在のR-1においては、特定の個人に対する侮辱的なモノマネは大会の規定に抵触する可能性があるため注意してください。

・一芸
ジャグリング・腹話術・紙切り・マジック・大道芸などです。
R-1一回戦では基本的に笑いは起きませんが、本当に凄い芸を披露した場合はしっかり拍手をもらえる傾向にあります。
ただし勝ち上がるには単純に凄い芸というだけでなく「お笑い」になっていることが必要だと思われます(後述します)。

上記に当て嵌らない内容のパフォーマンスを行おうとしている場合、上記の何かのフォーマットに当て嵌めるとネタが見やすくなります。この「見やすさ」の重要性については、後程後述します。

面白いですか

R-1はお笑いの大会です。
お客様は「面白い」を期待して観覧しています。あなたのネタが「なんとなく面白い」「雰囲気が面白い」「見応えがあってすごい」だけではお客様に汲み取られない可能性が極めて高いです。自分のネタ中に強いフレーズ、大きな動き、意外な展開など明確な笑い所があるか、そしてそこが笑い所だとお客様に伝わるかを常に意識しながらネタ作りをする必要があります。繰り返しになりますが、R-1はお笑いの大会です。政権を批判したり、推しのアイドルを語ったり、役に立つ雑学を披露することは基本的に求められていません。笑いをとることを前提条件としてパフォーマンスをしてください。

見やすいですか

R-1の一回戦では1日あたり200人近い出場者がピン芸を行います。2024年に関しては芸歴制限撤廃に伴い出場者がより増加すると考えられます。これだけ大量の人間が次から次に出てくるコンテストでは、お客様から見限られたら一発で終わりです。一生懸命考えたネタについて、「面白くないな」ならまだしも「よくわからないな」で落とされるのは悔しすぎます。ネタの面白さに加え、お客様にとっての「見やすさ」を追求する必要があります。以下、見やすさにつながるであろう案を列挙します。

・自己紹介をする
・フリップの場合、一枚目に名前を書く
大きな声を出す(本当に重要です)
・早口にならない
・下を向かない(顔を上げると声が遠くに飛びます)
・BGMを適切な音量で使用する
・状況説明を素早く行う
(いつ、どこで、だれが、何をしているか)
・必要のないセリフは台本の段階で可能な限り削る
・フリップを使う場合、大きな字で見やすく描く
・わかりやすい衣装を着る

練習しましたか

R-1の一回戦において、お客様のリアクションはほぼ在りません。客ウケを想定してネタを作っていくのは極めて危険です。無反応すぎて笑い待ちの間が狂い、ネタが飛ぶことが往々にしてあります。常に無観客の状態でフルパワーのパフォーマンスを行える状態にしましょう。壁に向かって最後まで飛ばさずにネタができることを前提として、当日は海底の古代遺跡に向かってパフォーマンスをするくらいの心構えが必要です。練習をしましょう。

知人にネタを見せられますか

前述のnoteの再掲となりますが非常に重要なプロセスです。他人に笑ってもらえば自信になるし批評をもらえれば改善ができます。そして、R-1グランプリの一回戦を通じて他人とコミュニケーションをとれるのはこの過程だけです。あなたの努力を周知するタイミングはここしかありません。2分にまとめたネタはできるだけ他人に見せましょう。知人には絶対に見せられない何かをする予定なら別です。会場に迷惑はかけないでください。

おわりに

R-1の一回戦の空気は全賞レースの中で最悪です。自分はアマチュアですがこれだけは断言できます。ウケていないピンネタのクオリティは漫才や多人数コントに比べて異常に低く見えます。これはそもそも一人で舞台に立つのが難しいからだと思います。ピンネタはプロでも苦労しているのにアマチュアなら尚更大変な代物です。自分もどうすれば良いものができるのか試行錯誤している最中です。この記事が誰かの助けになり、R-1グランプリの一回戦が少しでも良いものになるよう願っております。

宣伝

「どくさいスイッチ企画と銀杏亭魚折」
というアカウント名でYoutubeをやっています。
コントと新作落語の動画を投稿しています。
ぜひご視聴、高評価、チャンネル登録をお願いいたします。

ここから先は

0字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?