にぼしいわしさん主催のネタライブ「カギョウ」に初めて出演したのは2021年10月5日のことでした。「兼業芸人王」というアマチュア限定のライブの審査員と出場者として知り合い、ライブ立ち上げの際に声をかけていただきました。第一回の会場はなんば紅鶴でした。看板の「ストイックネタライブ」という記載を見て震えあがったのを覚えています。周りは芸人さんばかりでどうしたらいいのか、挨拶はするべきなのか、そもそも話しかけていいのかわからず、早く本番始まってくれと思っていました。本番が始まったら始まったで、猛烈に緊張し、手が震えに震え、セリフを一部飛ばし、それでもなんとか笑って頂けたときは本当にほっとしました。

それから何度もカギョウに呼んでいただきました。会場は紅鶴、楽屋A、中央会館と様々に移り変わりましたが、毎回すごいライブだったのは変わりませんでした。言い方は悪いですが、どこから見つけてきたのか分からないけれど面白い人がたくさんいて、改めてお笑いの厳しさと奥深さを感じるライブでした。東京の芸人さんがゲストに来られる回はいつも刺激になりました。だんだん他の出演者さんに挨拶できるようになり、アマチュアの方の出演も多くなり、少しずつ居心地のよい空間になっていきました。

手持ちの強いネタはほぼ全部カギョウと姉妹ライブのグラバーにぶつけました。自分を知らない、知っていてもみたことのないお客様にどのくらい通用するのか、いつも勝負だと思ってネタをやっていました。大きく外したときもあったけれど、狙い通りにいったときの満足感はひとしおでした。自分を誰も知らない人の前でネタをやることへの抵抗が薄れたのは、間違いなくカギョウのお陰だと思っています。

昨日2024年4月23日、中央会館で開催されたカギョウが、一旦の最終回になると伺いました。僕がトリをとる回でした。正直、受け止めきれなかったです。これからも出たいライブでした。出せる限りの全力を以てネタをやりました。それくらいしか恩返しできることがなかったからです。ウケたのかどうか全然分かりませんでした。一回目のカギョウみたいだと思いました。

知名度も集客力もない全くのアマチュアを、それでも呼び続けてくださった主催のにぼしいわしさんに、心より深く感謝しております。これからもお声掛けをいただけるように頑張ります。また、カギョウをきっかけに知って下さった方、観に来て下さった方、本当にありがとうございます。これからもカギョウで鍛えたネタでやっていきたいし、カギョウでやれるネタを作っていきたいです。ありがとうございました。