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新しい浮世絵を作るために考えたこと2

令和新版画プロジェクト、東京夜景シリーズ2作目「夕暮れの日本橋」が完成しました。

元のデジタルで描いたイラスト自体は、去年の9月に描き始め10月中旬には出来上がっていたのですが、そこから版画にするために都鳥版元・柏木さん、摺り師・山本さんと打ち合わせを重ねて、出来上がるまでに半年の時間を要しました。

ご存知のない方が多いと思いますのでご説明させていただくと、僕らは今、歴史上で途絶えてしまった浮世絵版画の文化をレーザーカッターと伝統の摺りの技術を組み合わせて現代なりの形で復活させるプロジェクトに取り組んでます。昨年、1作目として「雨の銀座」を完成させたのですが、可能性を広げる意味で前作とはまた違うテイストの作品を作ってみたいと思いました。

今、新しい浮世絵を作るために考えたこと (1作目の記事)

https://note.com/wabisabipop2/n/n07854ee2102a

令和新版画「東京夜景第1景/雨の銀座」

https://booth.pm/ja/items/1571239

長い一日の終り、夜に切り替わる前の夕焼けが安らぎを与えてくれるようなほんの一瞬の短い時間、そんな雰囲気を絵に留めてみたいと思いました。会社員なんかをしていると夕焼けを見ることもなく過ごしていますが、たまに遭遇した時には、日々の忙しさから解放されたような穏やかで優しい気持ちになることがあります。

そんな観ていて癒やされるような夕暮れの風景画を作るイメージを版元さんと摺り師さんと共有しながら、さらに深みのある色味にしたり、特殊な顔料を使うなど工夫を重ねました。出来上がった版画はこちらです。

令和新版画「東京夜景第2景/夕暮れの日本橋」

https://booth.pm/ja/items/1848915

題材として選んだ日本橋の上には、高速道路が走っていて、「もし高速道路が走ってなかったらどんな景色なんだろう」といつも思っていて、想像で描いてみたいと思っていました。以前に一度、夜の風景で描いたことがあるのですが、版画でもう一度描いてみることにしました。

歌川広重、川瀬巴水、ノエル・ヌエットなど数々の浮世絵師たちが取り組んできた日本橋の景色を描くことは念願でもありプレッシャーもありましたが、何とか僕なりの日本橋を完成させる事ができて、ひとまず安堵しています。

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こちらの作品の特典ポスターも付きますので、出版元のシカクさんのホームページでの是非、画集の購入をご検討ください。

https://shikaku-online.shop-pro.jp/?pid=148391948

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https://miyakodori.booth.pm
overseas→mokuhankan