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【コラボレーターの仕事術】ドローンで林業に革命を起こす 株式会社スカイウォーカー 大工龍也

今回インタビューした大工さんは、関西の大手インフラ企業に22年間勤めた後、建築コンサルとして起業。起業後すぐに東京の会社から声がかかり、ドローンに携わる仕事へシフトし、現在は地元の宮崎でドローン事業を展開しています。

SDGsに貢献する取り組みや、“空の産業革命”と呼ばれるドローン事業に携わるようになったきっかけ、今後のビジョンなどのお話を伺いました。

安定企業からの独立と、波乱万丈な道のり


ーーこれまでの経緯やきっかけを教えてください。


大工さん(以下、大工):
地元は宮崎県で、就職で関西の大手インフラ企業に入社し、約22年間勤務していました。一級建築士の資格を持ち、建築の技術者として従事。あるとき、「自分の力を試したい」と思って、42歳で独立しました。

一級建築士の資格を活かして、建築系のコンサル会社を立ち上げました。起業して4か月後には東京のドローン会社から声がかかり、どうしてもコンサルとして来て欲しいと口説かれ、それならばと、大阪から家族と共に引っ越すことに。ドローンを飛ばして、ビルやダム、橋梁などの点検を実施してレポートを作成するためには、コンクリートや建築の知識が必要だったため、その知識のある私が抜擢されたのです。

東京に移住してからは、まずはドローンがさまざまな分野で、どのように使えるかを検討することから始めました。ドローンは未知の世界で、今まで航空会社の領域だった“空”を使えることもあり、まさに、空の産業革命でした。将来性があると思っていた矢先、ドローン会社が資金難となったことでコンサル契約が打ち切りとなりました。東京移住して半年後のことでした。

家族で東京に引っ越して、ドローンの面白さにハマりだした頃に、梯子を外された感覚でした。コンサル契約が無くなった後も、「こんなに面白いことやめられない」と思い、自分でドローン会社を立ち上げることを決意。早くから収益を得るためには、社会に実装されている取り組みをする必要があると考え、農薬散布を収益の1つ目の柱として立てることにしました。

出身地の宮崎は農業大国であり、田舎でひと旗揚げるのもいいなと思ってUターンしました。波乱万丈ではありましたが、22年間勤めた優良企業を捨ててまでチャレンジしたので、「この程度では負けない」と感じて地元での再出発を決意しました。



宮崎県の林業に革命を起こす、ドローンプロジェクト

ーー宮崎に戻られてからは、どんな事業をされていますか?


大工:宮崎に戻って、まずは農薬散布事業をスタートしました。ただ、農薬散布は季節性の仕事のため、1年を通して収益を得ていくためには2本目の柱を模索する必要がありました。

宮崎県は杉の生産地として有名なのですが、誰も林業事業者に対してドローンのサービス提供をしておらず、「じゃあ、自分がやろう」と思いました。

最初は苗木運搬のサービスを提供するため、林業関係者の方々のお話を聞くことからスタート。そのなかで、多くの問題を抱えていることに気づきました。木を切った後に、再度苗木を植えるのは、切った面積に対してたったの3~4割のみ。残りの6~7割は天然更新という名の放置になっているとのことでした。

場所によっては荒廃して土砂崩れの危険があるなど、社会問題となっていることに初めて気づきました。話を聞くなかで、「ドローンで木の種を撒けたらいいのにな」と、森林組合の人がポロっとひと言。

「もしかしたらできるかもしれない」と、調べてみたら、木の種は野菜の種と違ってただ撒くだけでは発芽する可能性が極めて低いため、しないことが発覚。今の林業ではだと、発芽後に苗木を植えるのが主流であることを知りました。木の種を撒くのは効率的で、単価も安くできるし、広範囲に展開することができます。

ただ単に種を撒くだけではダメならと、発芽を助けるため種をコーティングすることにし、コーティング剤の作成も自分で実施しました。いろいろと試行錯誤して、ドローンで特殊なコーティングをした種子散布する事を森林組合に提案しました。

森林組合から宮崎県・高千穂町の担当者に提案内容を紹介したら、「これは良い!」となりました。隣の2つの町も巻き込み、3つの町と森林組合、宮崎県の担当者が参加しての実証試験を実施することとなりました。

もし実証試験が成功したら、木が切られて何もできていなかった6~7割に手が打てて、SDGsにも繋がります。自然の力を使わせてもらっていた、もう木を植えない山に、木の種を撒いて自然に戻す取り組みは今の時代にピッタリです。木の種を撒くことが当たり前、木を切った後に放置しない社会ができたら、宮崎に帰ってドローン事業を始めた価値が生まれると感じて、邁進しています。

林業の革命とドローンによる産業革命

ーー今後のビジョンについて教えてください。


大工:
ひとつは、木の種を撒くプロジェクトを成功させることです。木を植えるプロジェクトは、環境問題に積極的な企業やNPO法人などで多く実施されていますが、費用が高いため、伐採量に対してとてもではありませんが追い付いていません。費用が安く手軽に実施できる、ドローンで木の種を撒くプロジェクトを成功させることで、伐採後は、木を植えるか木の種を撒くのが当たり前の社会にして、豊かな森林を未来につないで行きたいと考えています。

もうひとつは、より多くの産業でドローンによる産業革命を巻き起こすことです。ドローンの出現は、これまでは航空産業などでしか使うことが出来ていなかった空の領域を一般企業が使えるようになる、これはまさに産業革命だと私は思っています。今後、多くの分野で空の領域を使って仕事をしたいと思う企業が出てくると思います。テレビで観てドローンって「いいよね」ではなく、職場に実装されて仕事のやり方が変わりよくなったとより多くの産業で実感して欲しいなと思っており、それをサポートするパイオニアになりたいと考えています。


▼ワクセルコラボレーター
株式会社スカイウォーカー 代表取締役 大工龍也

<プロフィール>

<経歴>
国立都城工業高等専門学校建築学科卒業。新卒で関西電力株式会社に入社、設計、工事管理から企画、人材育成などを歴任後、2018年に独立。現在は、ドローンを中心に置いた、資材運搬、企業PR動画制作、種子等散布サービスなどを提供。南九州でドローンによる資材運搬サービスを最初に提供開始し、各産業における変革をサポートしている。

■代表作・主な実績
2020年6月13日 TV出演 NHK ニュース7 「移住コーナー」
2020年8月15日 TV出演 MRT宮崎 おしえてみやざき 特集「あったかひなた暮らし」
2020年8月25日 TV出演 MRT宮崎 ニュースNEXT 特集「新しい農業スタイル確立」
他多数

■公式ホームページ、SNS等
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ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。

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