給与所得控除という素晴らしきこの制度

年末調整はとっくに終わってますが、確定申告の時期なので書いてみます。
みなさん給与所得控除ってご存知でしょうか。実はこれサラリーマンの特権だったりします。
普段から国税庁に対して良い思いを持っていない僕でもこの制度はグッジョブだと思っています。

給与所得控除とは?

早い話が勤め人特有の経費です。
例えば年収400万円の人がいたら134万円が給与所得控除となり、400万円から134万円をマイナスした266万円が給与所得控除後の金額になります。
源泉徴収票で例えると400万円が「支払金額」、266万円が「給与所得控除後の金額」になります。
年収400万円の人「え?そんな経費なんて払ってないよ?もしかして134万円も払わなきゃいけないの!?」
仰る通りです。ですが心配ご無用。そんなことがあったら誰もサラリーマンをやらなくなります。この給与所得控除は国がこれくらいの年収の人はこれくらい経費かかるよねと勝手にみなしてくれるものなので払う必要はありません!

給与所得はどうやって計算するのか?

計算式が決まっているので自動的に計算することができます。
計算式については国税庁のページを見た方が早いでしょう。
No.1410 給与所得控除
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1410.htm
例えば上に書いた134万円というのは「給与等の収入金額」が400万円となるため、「3,600,000円超6,600,000円以下」に当てはまります。
そうすると、給与所得控除額は「収入金額×20%+540,000」であるため、4,000,000×20%+540,000=1,340,000と計算することができるわけです。

給与所得控除が計算出来たらどうするの?

ややこしい話ではありますが、年収400万円の人は400万円に対して税金がかかっているわけではなく、収入金額から給与所得控除額をマイナスし、さらにそこから社会保険料や基礎控除をマイナスしたものに対して税金が計算されます。
入ってる健康保険の組合によって健康保険の料率が異なっていたり(さらに協会けんぽでは都道府県によっても率が異なります。)、40歳以上の人は介護保険を払わなければいけなかったりと人によって社会保険料の額は異なるため一概には言えませんが、収入額に対して14~15%前後じゃないでしょうか。つまり年収400万の場合は約60万円そして基礎控除が38万円なので、最終的には400万-134万-60万-38万=168万→この168万円が課税される所得と言われるものになります。これに税率をかければ所得税を算出することができるというわけです。
税率も全て計算式が決まっています。
No.2260 所得税の税率
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
168万円の場合、課税される所得金額が195万円以下のため最低税率である5%が適用されます。よって税額としては84,000円(168万円×5%)となります。実際はこれに復興所得税(所得税の2.1%)もあるのでプラス1,764円(84,000×2.1%)した85,764円が納めるべき税金となるわけです。

まとめ

年収400万円の人が払う税金としては85,764円と計算することができました。額面に対して約2%ですから意外と少ないんじゃないでしょうか。
もちろんこれは最もシンプルなケースなので、16歳以上の扶養親族がいれば扶養控除が、ふるさと納税をしていれば寄付金控除がそれぞれ適用され、168万円からさらにマイナスすることができます。
フリーランスで仮に年商400万円だとした場合このような自動的に経費となるようなものはほぼありません。あっても青色申告特別控除の65万円、家内労働者の特例で65万円がそれぞれあったりしますが、前者は複式簿記で帳簿を付けなくてはいけなかったり、後者は適用できる人が限られているため、労働者というだけで自動的にかつ誰でも一律で認められている給与所得控除の恩恵というのは思いのほか計り知れなかったりします。

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