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【全10回完結】人の流れを再構築する、小さな実践について

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人の流れはどのようにして新しく、懐かしく再構築できるのだろうか?その大きな問いに対して、小さな実践を綴ったこのマガジンは、2018年6月までの全10回完結。自身の生い立ちから有料… もっと読む
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2018年3月の記事一覧

その4、その言葉、その姿勢は目の前の人の「自立」につながっているのか

ちょっと刺激的だけれど、一番根っこにある考え方を。3つに分けて ①昼間と夜間の圧倒的な違い ②人生の主役は「当事者」か「支援者」か ③生への納得感を生むために ということから、今考えていることを言語化していきたい。 −−−−− ①昼間と夜間の圧倒的な違い”優しさ”の怖さについて常々感じてきた一方で、ある一定の期間、優しさとは無縁の生活を送って来たことを思い出している。私は三重県のある夜間定時制高校出身者だ。その高校名を聞くと、10人中10人が驚く。「え!あそこって卒業生い

その3、なぜ「多世代交流」を表立って使わないのか

場所の目的は、訪れた人が定義づければよいと思っている。問いの答えは「多世代交流」や「地域福祉」「障がい者との触れ合い」などは場が生み出す結果にすぎないと考えるから。だから「長崎二丁目家庭科室」は、多世代が交流するという言葉ではなくて、まちに住む人たちが役割を持った結果としてそうなっていたのだ、という表現をすることに落ち着いた。ここでは福祉にありがちな表現や切り取り方について考えることとしたい。 ーーーーー ①誰もが、の”誰は”誰? 誰もが、の”誰は”誰? 《誰もが〜》、

その2、アウトプットとアウトカムをきっちり言語化する

正直いって、なんだかぼんやりしがちな”居場所づくり”。どんな結果を持って成功というかを予め決めておくとよいと思う。(安易に”多世代交流の場作り”で終わってはいけない。)結果を計るには「アウトプット」と「アウトカム」の二種類がある。ここでは、アウトプットは”事業の成果物、事業量”、アウトカムは”事業によって生じた状態”のことを指すという前提で話を進めたい。 ーーーーー 何を言いたいかというと、 ①結果をつくるには仕掛けしかない ②アウトプット(成果物)なしに”現場”は伝えられな

その1、 「長崎二丁目家庭科室」のつくりかた

2017年4月に、東京は豊島区、椎名町という場所で「長崎二丁目家庭科室」をつくった。 まちに飛び出した「家庭科室」で世代をつなぎ、それぞれの年代に合わせた健康の保ち方を学んだり、介護・福祉についてまちの人たちが知るきっかけをつくる場所。 0歳から80代まで、徒歩圏内・自転車圏内のまちに住む住人が、毎月平均のべ100名が様々な習いごとや催し物に参加してくださった。 ーーーーー 結論からいうと、①誰に届けたいのか ②誰とやるのか。この2点の結果で「長崎二丁目家庭科室」をつ