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【全10回完結】人の流れを再構築する、小さな実践について

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人の流れはどのようにして新しく、懐かしく再構築できるのだろうか?その大きな問いに対して、小さな実践を綴ったこのマガジンは、2018年6月までの全10回完結。自身の生い立ちから有料… もっと読む
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#長崎二丁目家庭科室

その10、私たちは気付いてる?福祉の現場が、表現出来るかで世界は変わり得るということ

福祉の再構築ということを体現するには、人の流れを再構築していくことだという話を、このマガジンでも綴って来た。 再構築していくには、福祉現場の当事者や専門職、関わる家族以外の人たちが、福祉全体に関わるきっかけが必要になる。 そんなことを考えていたとき、敬愛する工房まる・樋口さんらが登壇されたsoarさんのイベントレポートを食い入るように読んでいて(参加が叶わなくって、どうにかしてそのエッセンスを得たい一心だった)、この一文にとても惹かれた。 この読み物:人の流れを再構築する

その9、”それっぽいコミュニティ”ではなく、”確かな文化をつくる”ために

私という存在、媒介者がおらずとも、場に集うそれぞれがそれぞれに反応していった結果「こんな文化ができていた」。そんな光景をつくらないと、本当の意味での持続性が生まれないと思っていた。だから長崎二丁目家庭科室を始めたときから、どんな仕掛けが必要かを日々考え続けていた。 時が経ち、2018年2月ごろ、インタビュアー/IT時代の編集者、くいしんさんのツイートに反応して、こんな返信をした。 文化ってなんだろう。調べていて、今回書きたい内容ととっても近いなと思ったものを紹介します。

その3、なぜ「多世代交流」を表立って使わないのか

場所の目的は、訪れた人が定義づければよいと思っている。問いの答えは「多世代交流」や「地域福祉」「障がい者との触れ合い」などは場が生み出す結果にすぎないと考えるから。だから「長崎二丁目家庭科室」は、多世代が交流するという言葉ではなくて、まちに住む人たちが役割を持った結果としてそうなっていたのだ、という表現をすることに落ち着いた。ここでは福祉にありがちな表現や切り取り方について考えることとしたい。 ーーーーー ①誰もが、の”誰は”誰? 誰もが、の”誰は”誰? 《誰もが〜》、

その2、アウトプットとアウトカムをきっちり言語化する

正直いって、なんだかぼんやりしがちな”居場所づくり”。どんな結果を持って成功というかを予め決めておくとよいと思う。(安易に”多世代交流の場作り”で終わってはいけない。)結果を計るには「アウトプット」と「アウトカム」の二種類がある。ここでは、アウトプットは”事業の成果物、事業量”、アウトカムは”事業によって生じた状態”のことを指すという前提で話を進めたい。 ーーーーー 何を言いたいかというと、 ①結果をつくるには仕掛けしかない ②アウトプット(成果物)なしに”現場”は伝えられな

その1、 「長崎二丁目家庭科室」のつくりかた

2017年4月に、東京は豊島区、椎名町という場所で「長崎二丁目家庭科室」をつくった。 まちに飛び出した「家庭科室」で世代をつなぎ、それぞれの年代に合わせた健康の保ち方を学んだり、介護・福祉についてまちの人たちが知るきっかけをつくる場所。 0歳から80代まで、徒歩圏内・自転車圏内のまちに住む住人が、毎月平均のべ100名が様々な習いごとや催し物に参加してくださった。 ーーーーー 結論からいうと、①誰に届けたいのか ②誰とやるのか。この2点の結果で「長崎二丁目家庭科室」をつ