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文化・芸術拠点のユニークなアウトリーチ。ドイツ・ベルリンフィル、ポルトガル・Casa da Musica、日本・アーツ前橋

こんにちは。福祉環境設計士の藤岡聡子です。(初めましての方は、こちらの記事をご参考に。私をご存知の方は、このままどうぞお付き合いください)

「領域を越えていく」、常々思っていることの一つです。今回は、文化・芸術拠点がケアの領域にアウトリーチ(アウトリーチとは、英語で手を伸ばす、という意味。福祉などの分野における地域社会への奉仕活動、公共機関の現場出張サービスなどの意味で多用されます。Wikipediaより)している3つの事例を取り上げ、その領域を越えようとしているユニークな実践内容について書いていきます。

1つ目は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」。言わずとしれた、ドイツ・ベルリンに拠点を置いた、世界的に有名なオーケストラです。他の楽団ともっとも違う点は、移民を含む子どもたちへの教育プログラムを実践、ここに予算を組んで継続している点。そのプログラムの実践が映画化された映像から、ユニークさを紐解きます。

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2つ目は、「Casa da Música(カーサ・ダ・ムジカ)」。こちらも建築を知る人なら一度は訪れて見たい、レム・コールハース設計の巨大な音楽ホール。このホールがもつ、まち、住民へのアウトリーチ・プログラムの行き先に注目。

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3つ目は、群馬県前橋にある「アーツ前橋」。様々ある取り組みの一つに、福祉施設を訪れるプログラムがあります。ご縁が繋がり、ある特別養護老人ホームにて行われているワークショップに参加させてもらいました。その仕組みについて個人的に驚いた点を中心にご紹介します。

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「音楽」を最も俯瞰している指揮者が動き出す

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