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Trinity Site 人類初の核爆発実験の地 --理科好きのアメリカ巡り--

どんなところ

1945年7月16日。人類初の核爆発実験がニューメキシコ州で行われた。原子炉で作られるプルトニウムを使った爆弾では、プルトニウム239の純度の問題から爆縮型と呼ばれる方式が取られることになった。この方式が実際にプルトニウムで理論通り動作するのかを確認するため、ここTrinity Test Siteで人類初の核爆発実験が行われた。ここで試験された爆弾と同じ形式のものが長崎に使われたFat Man。

見どころ

Ground Zero Obelisk

爆心地に建てられたオベリスク。実際の爆心地からはずらしてあるようです。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Crowds_gathering_around_the_Ground_Zero_Obelisk_at_Trinity_Site.jpg

MacDonald Ranch House

爆弾を組み立てた建屋。Ground Zeroからは少し離れた場所にあり、当日はGround Zeroからバスが出ています。
https://en.wikipedia.org/wiki/McDonald_Ranch_House

Jumbo

プルトニウム爆縮型の爆弾は、当初はうまく爆発せず貴重で高価な生成したプルトニウムが飛び散ってしまう可能性があった。そのため爆弾を収納するための25 feet long, 10 feet in diameter and weighed 214 tonsの鋼鉄製の格納ケース、通称Jumboが製造された。爆縮用の火薬しか爆発しなければJumboは壊れず貴重なプルトニウムが飛び散ることは防止できた。プルトニウムが正常に核爆発を起こせばJumboは気化する。実際には理論計算を重ねることにより核爆発を起こす確率が高いことが分かり、Jumboは実際には使われなかった。
https://www.atomicarchive.com/history/trinity/jumbo.html

各種展示物

Fat Manのケース(外殻)や機材、写真などの資料が展示される。

その他

軽食やお土産も販売される。
放射線レベルは時間滞在すると30分の1から1ミリレントゲンの被ばく。ジェット旅客機に乗ると1回のフライトで3〜5ミリレントゲンの被ばく。

いつ見ることができる?

毎年2回、4月と10月の第一土曜日のみ一般公開される。

どこにある?

ニューメキシコ州アラモゴードにある米陸軍のWhite Sands Range内

どうやって行く?

羽田空港からデルタ航空であればエルパソ空港までシアトル空港経由で約16時間。アメリカン航空であればDFW空港経由で14から16時間。エルパソ空港からレンタカーでアラモゴードまで約2時間。

宿泊はどのあたりがお勧め?

オープンハウスの当日はアラモゴードのはるか北、White Sands Rangeの北端のスタリオンゲートから入場することになるため、このオープンハウスだけが目的であれば、スタリオンゲートの近くのソコロがおすすめ。しかしどうせならWhite Sands National Monumentは外せないので、そうなるとアラモゴードがおすすめとなる。

参考資料

事前に見ておくと良い資料
・On the 50th Anniversary of the Atomic Bomb (https://www.atomicarchive.com/history/trinity/index.html)
・米陸軍WHITE SANDS MISSILE RANGEによるTrinity Siteのオープンハウスの詳細-必須-(https://home.army.mil/wsmr/index.php/contact/public-affairs-office/trinity-site-open-house)
・書籍「ご冗談でしょう,ファインマンさん 上 (岩波現代文庫)」

周辺の見どころ

強くお勧めするWhite Sands National Monument(のちほど別途ページを作る)。純白の砂は細かく砕けた石膏からなり、純白なので日光を全反射するため温度が上がらない。しかも砂漠ではあるが水分が多く、砂を手で掬うと湿ってひんやりとしている。

White Sands National Monument
White Sands National Monument



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