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GE株大快進撃!!何故??買うべきなのか?を解説します!!

今回はGE株について解説したいと思います。GEは実は発明王と知られるトーマス・エジソンが創設した会社で、IT機器、航空機部品などを始めとする重工・軍事用品、エネルギー関連製品、石油・ガス産業、鉄道事業、保険・金融サービス、不動産事業、計測・検査ソリューション、ヘルスケア、浄水処理や排水処理などの水関連事業など、多岐にわたった幅広い事業をグループで展開する複合会社(コングロマリット)として世界中で事業展開を行なっています。

そんなGEですが、2022年10月から株価をジリジリと上げてきており、2023年の年初来では70%以上の暴騰を見せています。実はあまり注目されていなかったかもしれませんが、この株価成長率は一部のGAFAM銘柄を凌ぐほどです。今回は何故GE株がここまで大きく値上がりしたのか、今後はどうなるのか、買うべきなのか、について解説したいと思います!!

①GE株が何故値上がりしたのか?


IMAGE SOURCE: UNSPLASH

まず何故GE株が値上がりしているのか、まず一つ目はGE Healthcare Technologies部門を昨年末に分社化した為です。GEは2024年初めにも発電部門も分社化しGE Vernovaという社名を予定しています。本家のGE自身はGE Aerospaceとなり、航空機部門に特化するわけです。この分社化への動きが投資家の評価を集めています。これまでGEは冷蔵庫、洗濯機、エンターテイメント、財政サービス、発電システム、ジェットエンジンと幅広く手掛けてきましたが、株価という意味では2016年から2020年にかけて83%も下落しています。航空機部門に集中する事により事業改善を図る訳です。中国のコロナ禍からの再開は海外旅行の再燃を促し、商用の航空需要は伸びています。

世界の航空交通量は2022年から21%伸び、コロナパンデミック前の90%まで回復していると言われています。つまり航空機の修理、サービス、部品交換の需要が増える訳です。3月にシンシナティで行われた投資家向けのイベントで経営陣は2023年の利益が2倍以上になるとコメントしました。売上の成長率が15~19%、利益率が2025までに20%までに達すると予想しています。これにより3月9日のGE株は一日で5%も上がりました。

23年度1Qでは低燃費の新型Leap(Leading Edge Aviation Propulsion)エンジンの生産が53%も急増しました。GEへの来店率が32%上昇し、Air Indiaからはナローボディ機(座席数が100隻以上の大型航空機で機内の通路が1本の物)全機に800機のLeapエンジンの採用が決まりました。6月に行われたパリのエアショーではGEはボーイング787Dreamliner用に100機以上のジェットエンジンの注文をChina AirlineとRiyadh Air(サウジアラビア)から受けたと発表しました。

また2Qでの決算発表ではEPSが市場予想46centsだったのに対して実績が68cents、昨年の36centsから89%上昇しており、売上は市場予想$14.7billionだったのに対して実績は$16.7billionと前年対比18%伸びました。受注は59%伸び$22billionとしています。ガイダンスについてはEPSを$1.7-$2から$2.1-$2.3に引き上げ、市場予想$2.06を上回っています。2Qの決算発表では売上、EPS、ガイダンス全てを上回る事ができ、1日で株価が6%も上昇しています。

GEは同業他社と比較すると年初来70%以上株価が成長していますが、Boeingは20%程度、ライバルであるRaytheonは逆に値下がりしている位で、どれだけGEが凄いかが良く分かります。

これがGE株が値上がりした理由になります。

②今後はどうなるのか?


IMAGE SOURCE:UNSPLASH

今後はどうなるかという所ですが、色々と話題があります。GEはHoneywell International と合併を考えているという話/噂が出ています。HoneywellはAvionics(航空機電子部品)やAPU(補助動力装置)のリーディングカンパニーであり、この合併によりRaytheon Technologiesの独占状態となっている業界に挑む事ができます。実は2001年にも合併を試みた様ですが失敗に終わっています。両社の合併に関する憶測は続いていますが、独占禁止法規制当局の対応が課題として残る可能性が高いと言われています。

軍事向けについてはインドの戦闘機向けのエンジンを製造する事を発表しました。またアメリカ向けでは次世代F-35のエンジンに採用される可能性が出ており、これは非常に大きなチャンスと言えます。F-35戦闘機はアメリカで今までで一番高い武器呼ばれており、その存続期間中に$1.7trillion以上費用がかかる為、採用されれば一攫千金ともなりそうです。現状はPratt and Whitneyのエンジンを使用している様ですが、アメリカの空軍はオプションを探している様でGEのXA100エンジンは第6世代F-35に採用される可能性があるとアナリストは見ています。何故ならGEのAdaptive Cycle Engine(XA100)を使用する事によってF-35/ステルス戦闘機は、最大性能を発揮するための高推力モードと最大航続距離を発揮するための高効率モードを切り替えることができる様になる為です。

民間機向けについてはBoeingが737MAXと787Dreamlinerの生産レートを顧客であるAirlineの要望により今年の年末までに上げるという話が出ています。GEは737MAX及び787Dreamlinerどちらのジェットエンジンも製造しております。またAirbus向けにもエンジンを製造しています。2025年までは年間の民間飛行機旅行が25%伸び、2024年にはコロナパンデミック前のレベルを超えると予想しています。エンジンの需要が伸びる事により民家機向けの構成部品とシステムの需要も伸びます。GEは更に軍事向けにもエンジンとそれ以外の部品を供給している為、ロシアのウクライナ侵略や中国の台湾侵攻によっても需要が出る訳です。

これだけ需要が旺盛ですがGEはエンドユーザーに対しての納期遅延が発生しています。しかしアナリスト達は実際の納入数に注目している様です。あるアナリストは6月に行われたパリ・エアショーでジェット機とジェットエンジンの受注が増加したことにより、すでに販売されたジェット機の納入が遅れていることを考えれば、「まったく関係ない」とコメントをしました。
GEは今後も明るい話が多そうです。

③GE株は買いなのか?


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そんなGE株は買いなのかどうかというと、個人的には買っても良いと考えております。GEは相次ぐ好決算とヘルスケア事業の分社化により株価は直近10カ月で140%ものトータルリターンを叩き出しており、これまでバリュー株と呼ばれていましたが、もはやバリュー株とは言えない状態です。直近の2Qの決算発表では売上は19%成長し$15.9~16.7Billion、EPSは$0.68と昨年の$0.36と比較しても約二倍に伸びています。このパフォーマンスにより経営陣は年間の売上、EPS、フリーキャッシュフローの予想を押し上げました。GEの株価は$118まで一時上昇し、これは2017以来の最高値となりました。

GEのaerospace部門はコロナパンデミックの影響を受けた2021年2Qの売上は$4.84billionで2019年2Qの$7.88billionから大きく下がりました。しかし2023年2Qでは$7.86billionまで上昇し、コロナパンデミック前のレベルまで戻った事となります。言い換えると2019年から売上、利益はそこまで大きく落ち込んでいない事になるが、以前よりも株価が上がっている事からもGEの高い利益倍率を投資家がGrowth株として評価している事を意味しています。つまりコロナパンデミック前のレベルに株価が回復するだけでなく、それ以上に成長する事が期待されている訳です。

2024年には再生可能エネルギー部門(GE Vernova)の分社化を予定していますが、この部門は潜在的に高い成長性を可能性として秘めてはいるものの、実績としては業績が悪くGEの収益性を悪化の要因となっています。しかし分社化する事により航空宇宙事業に集中する事ができ、投資家の期待に応える事ができそうです。先程お伝えした通りBoeingはこれから民間機の生産レートを上げる事を予定しており、数年以内に過去最高を更新する可能性があるとも言われています。これはつまりGEのジェットエンジンの需要を牽引する事になります。更に過去10年間で顧客にて稼働中のエンジンの保有台数が大幅に増加した事により今後数年間は利益率の高いサービスビジネス(修理等)の収入の伸びが期待できます。

直近一年間はGE Vernovaの分社化の部分が株価の変動要因となりそうですが、中長期的にはBoeingの生産レートが上がる事によりGEもその恩恵を受けられそうです。

これが私がGE株を買いだと考える理由になります。

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