あらっ?!

3月21日(水)春分 2018

アラ、というよりは
とても立派な、かぶと。
澄んだ目と風格のある面構え。

夜も10時前になれば、
スーパーのあれこれが
お安くなるのだから、、何かないかしらん
と、あさましい期待を胸に
のぞいてみたら、、値下げ商品は
のきなみ売り切れ。
なぜか足は、鮮魚コーナーへ。
まだ遠目なのに、大きな鯛のかぶとが
見えました。そして、
大きなお目々と目が合いました。
天然、愛媛産、真鯛。
きれいな薄紅いろで、桜鯛という
呼ばれ方もします。
瀬戸内の鯛は、小鯛のほうが
よく知られていますが
でっかい身のしまった真鯛も出回ります。

瀬戸内海の海面(うなも)は
ぱっと見は穏やかですが、
島が多く、海底の高低差が大きいのか
渦潮が生まれて、局地的に
潮の流れが早くなります。
徳島、鳴門の渦潮は有名で、
瀬戸内海のあちこちに早潮があり
海には、生死にかかわる
危険もはらむほど、両極端な顔があります。

小鯛や雑魚、小魚系の豊富さと、
早潮ならではの激しさに鍛えられた
魚の身のしまりもまた、格別なんです。

帰宅前、池袋駅の広場で
おされなアクセサリーが
たくさん展示販売されてて、、
ぐるぐる、同じ商品のまわりを
グルグル、、、、けっきょく
買いませんでした。
買っておけばよかったかな。。
どうなのかな。うへへ。
とへんなテンションで家路につきました。

とても衝動買いがしたい気分、
すこし無駄遣いしたい気分でしたが、
やめておきました。
えらいっ!

その名残り?!で
鯛のかぶとを買いました。
680円なら、無駄づかいというより
お得感いっぱい。

ちょうど、まあまあいい日本酒もあるし
淡路島の藻塩という、いいお塩もあるし!

鱗も何もかも下処理されて
とてもきれいなんだけど、
とどめに、安いほうのお塩をふって
10分くらい放置。

熱湯に、いかつい鯛の顔を
放り込んで。
どばどば、と日本酒を入れ
ちょっとずつちょっとずつ、いいお塩を
入れながら、味見。

いい塩梅。
塩加減が命の、潮汁やお澄ましは
ここ!今のこれ!
という融和点?特異点?みたいな
シンギュラリティ的な折り返し点があります。

そこまで到達しないと、味がまぬけだし
そこを通り過ぎてしまうと、塩からい。

絶妙な一点に近似するため、
息を凝らして、お塩を入れます。
そして、、つねのことですが、、
入れても入れても、その究極の一点に
近づきません。
何が言いたいかというと、
案外、、潮汁やお澄ましに入れる
お塩の量は多い、と思います。

かなり入れたかな、
をを!だんだん味がしまってきたかな、
という段階にいくまでは、わりと長い。
ようやく近づいたならば!
少しずつ少しずつ、その究極の一点を
探るのです。

おお、絶妙!

深夜のご馳走。
大きな鉢に、立派なかぶとが
ちょうどギリギリ入りました。
鯛の目玉もいただきまして、
お汁ものだけで、お腹いっぱい。
おいしいのなんの。
お汁ものの蒸気まで、魚の匂いがします。
ああ、お母さんの匂いだよ。
と思い、、深夜食をむさぼりながら
もの思いにふけりました。
笑顔だからといって
心のなかも平和だとわは限らない。
それでも、おいしいをおいしいと感じる
自分であれば、なんとかなるだろう
という、そこはかとないはかない希望。

鯛のさくら色は、なぐさめの色だと
感じます。
熱すぎない、冷たすぎない。
淡い間(あわい)?!
裏千家関連の出版社は、淡交といい
淡き交わりとたっとぶそうです。

他人にだけでなく、自分にも
思いが過ぎないように、と言われている
気がします。
平常心是道(びょうじょうしんぜどう)という
禅語は、茶道ビギナー時期に接することが
多いように聞きます。

でも!
やっぱり、ときどきは
熱く暑くるしいのも、好きです。
淡いだけじゃなく、濃いのも好き。

真鯛のかぶとの潮汁を存分に味わった
あとの残骸は、猫またぎ。
可食部分は食べ尽くしました。
骨になってもまだ、半開きの口からのぞく
するどい歯がみえると、、
薄紅いろのいやし、なんて感慨も吹っ飛ぶ
残忍な表情。
激しい潮にもまれた、すごみのある表情。
濃いも淡いも、酸いも甘いも、、
どれもこれも、人生のうま味にしていきたい
、、なんて、、
いろんな反省を呑み込みながら
誰もが一歩ずつ死に近づいていることを
ぼんやり思い巡らしました。

和に親しんで運を開く。

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和言 \wagon/ caoli

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