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静かにヤバイ街、神戸

自分の住んでいる街のことは案外知らない。近所の公園からはじまって、ちょっと離れた公園へ、禁じられてる校区外へこっそり行ってみたり、そのうち、ませてきて友達だけでショッピングモールへ行ったりするようになる。

同じ土地で育ってきた身としては、そこそこの年月に対して上記くらいのスピード感で行動範囲を広げてきたので、案外街を知らなかったり、行ったことないところがけっこうあるな。と、上京して思った。

神戸。私の生まれた街。摩耶山という山の近くに住んでいて、私の名前が「摩耶」になる案もあったらしい。1歳くらいで引っ越したからさすがに何も覚えてない。数日後、熊本に会いに行く彼女の語る神戸はいつも青くてきれいでエネルギッシュだった。

明石に免許を取りに行った後、車窓から見える海にテンションが上がって、そのまま神戸駅を降りてしまったので、のんびり三ノ宮まで歩くことにした。ら、雨が降ってきたのですぐアーケードに避難した。

大通りはそこまで賑やかでもないけど、閑散ともしてない。食品サンプルのプリン・ア・ラ・モードが趣をプンプン醸している喫茶店とか、懐かしい文房具屋さんとか、ようわからんブティック(重要)が軒を連ねる。さて、どこに入ろうかと検討しつつうろついていると、くねくね恐竜が動いてた。




いやどないして持ち帰んねん

と心と顔で盛大に突っ込んで、ふふっと笑ったらなんだかそれで満足してしまった。

結局どこにも寄らずにまっすぐ帰った。


なんなんでしょね。神戸ってどんな街やろうか、べつにそんなこと考えんでも生きていけるけど、考えたいから考えた。なんやろう、

でも、神戸に住んで満足してる人たちが口々にする「なんか落ちつくねん」というの、わかるな。空気自体がおっとりしてる感じがして、その落ちつくと言った人達も全員おっとりした空気感を持ってる。で、そのおっとり空気は、県外のイメージとして「上品」と捉えられるんやけど、実際、街では恐竜が暴れていたり、アーケードでおっさんがとつぜん叫び出したり、まあまあヤバい側面もある。そしてそれがおっとりと共存してる。静かにヤバい街でもあるなあと思いました。でも、ヤバイ側面を見て少し安心する。それを見ると、この街はまだ生きてるなあと思うから。生き延びて欲しい。

(密かにホリエザというカレー屋さんを探してたんやけど、見つからなかったん悔しすぎたので再来チャレンジしたいです。)


次回は大阪編。


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