見出し画像

大人の寺子屋 おもしろい文章の書き方

「先生、【書く】 ということについて、なにかアドバイスを……」

「やっぱりなあ、人に読ませる文章は、おもろなかったら、あかんな 」

「人が読んで、面白いと感じる文章を書くためには、どうすればよいでしょうか? 」

「そら、まずは、何をもって オモロイと感じるのか、その"ツボ"を知らんとあかんわな 」

「その"ツボt'がわかれば、苦労しませんよ 」

「そうか? たとえば、ココとかな、ココとか……」

「痛たたた、イテイテ……痛すぎます…… 」

「これで、わかったやろ?」

「いや、だってそれはカラダの"ツボ"でしょう?」

「おんなじやないかい。 お前、さっきわしがしたみたいに、わしの肩の"ツボ"をきれいに押すことできるか?」

「いいえ、だいたいの見当はつきますが、自信はないです」

「そやろ? そんなもんやと、言うことや。

 "ツボ"なんか、自分が押されたらわかるけど、いざ自分がやるとなると、わからへん。

 そもそも、目に見えるもんやないからな。

 けど、慣れてくると、自分の"ツボ"がわかってくる。そしたら知らんうちに、人のカラダの"ツボ"も、見えてくるようになるねん」

「それ、マジメな話しですか?」

「あたし(り)まえやがな、目に見えんけど、たしかに有る。 形は表現できんけど、つかめるし、なんか指先で見える気がする。
それが、抽象のヒントや」

「なるほど」

「ちょっと、わしの肩と、腰を、押してみい……ちゃうちゃう、もっと上や、そこ、ちょい右、近い近い、おっとっと、あかん、逃げた」

「こんなことしていて、本当に、面白い文書を書けるようになるのですかねえ?」

「文章を書くまえに、ちょっと背中かいてえな」

「なにか、ぼく、ごまかされて、騙されてるような……」

「なんや、今ごろそこに気づいたんかいな……もっと上、いや、左……」

「 ………… 」

「あんな、特別にええことおせえたろか?
 
 人間にはな、ごまかして、嘘ついて……その結果、騙すもんと騙されるもんの、ふたとおりしかおらへんねん 。

 どうせ騙されるんやったら、いっそ気持ちよう、騙されるんも、風情と言うやつや」

「それ、文章の話しですか?」

「 あほ、ちゃうよ、選挙や、選挙」。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?