皮膚科クリニックが自動精算機を導入した話

最近、町中で自動精算機を目にすることが増えてきましたね。
会計精算も簡単に行うことができますし、お釣りの間違いもありません。
カードや電子マネーも問題なく使用できます。
今回、当クリニックで自動精算機を導入したので、その後どうなったのかについてお話をしてみたいと思います。

わかばひふ科クリニックの特徴

わかばひふ科クリニックは東京都武蔵野市、吉祥寺にある小児皮膚科と皮膚科のクリニックです。
駅前のクリニックというわけではなく、駅から少し離れたところにある、ごく普通のご近所クリニックです。
ただ、専門が小児皮膚科ですので、子供の患者さんの比率が高いのが特徴です。18歳以下の患者さんが全体の50%程度とかなり高いかと思われます。

導入に際してのメリットとデメリット

メリットについては先に述べたとおりですね。
まず、直接患者さんと相対しなくて良いのは感染症対策としては非常に大切なポイントとなります。
ついで、釣り銭間違いがなくなること。こちらも地味に大事なポイントとなります。稀ではありますが釣り銭間違いが発生するとスタッフが数名拘束され、合わせて数時間・人のコストとなります。金額そのものよりも人的コストのほうが問題になります。
あとは会計作業そのものに対する負担がなくなることも挙げられるでしょう。会計作業も非常に神経を使いますので、スタッフの作業量を大幅にへらすことも可能です。

デメリットとしては、初期投資の大きさがあります。補助金も使えますので、こちらは色々と調べてみると良いかと思います。
また使用している電子カルテとの相性が大きいです。自動精算機との相互連携が可能か否かで作業量が変わってくるでしょう。幸い当院で使用している電子カルテと対応済の自動精算機があったのでそちらを導入しました。
あとは初期準備に時間がかかります。クリニックの定休日を使用して半日でなんとか終りましたが、物理的なスペースも必要ですし、配線もネットワーク設定もそれぞれ必要になります。同様に運用開始後しばらくはスタッフの習熟が必要になります。こちらは中途で新規システムを入れる以上受け入れざるを得ないコストとなります。
最後に説明の手間が必要になります。自動精算機の使い方をそれぞれ説明しないといけない可能性。またそもそも使ってもらえないリスクを検討する必要があります。完全に一気に自動精算機に移行しないと自動精算機にての会計と窓口での会計と並列になってしまい作業量低下のメリットが薄れてしまいます。

以上のようにメリットとデメリットを比較検討した上での導入を決めました。
決め手となったのは患者さんの受診年齢割合です。小さい子が多いということは若いお母さんが会計をすることが多いということですので、高齢者に比べて自動精算機に対する忌避感が薄いだろうと想定しました。

導入時のタイムテーブル

色々と手続きを行い、導入を開始したのは2022年7月になります。
初期導入及び慣熟訓練を行いながらの運用開始となりました。
当初は電子マネーのみでしたが、手続き終了に伴い、翌8月よりクレジットカードの取扱を開始。現在まで対応カードを増やしながら運用を行っております。

導入後の反応

想定以上に好意的でした。
トラブルもなく、高齢者の方(90代以上の方も含め)も当初戸惑いはあったようですが順調に使用できています。もちろん最初は説明が必要ですが、2回目以降も同じところで何度もトラブルになるということはありません。
考えてみるとすでに駅ではSuicaを皆さん問題なく使用していますし、コンビニエンスストアでもチェーンによっては自動精算機を導入しています。
外食でも自動精算機は当たり前のように使用されていますので、高齢者使ってくれない問題は杞憂だったようです。
スタッフの方も問題なく受け入れているようです。運用に関しては現場が一番ということもあり、全く口を出すことなく運用開始しましたがそれで問題はないようです。
時間も短縮になっています。

自動精算機の使用状況

2022年12月の1ヶ月間の実績ですが、電子マネー及びクレジットカードを合わせ、
 55.6%
です。半数を超えていますね。
当初の予想では1/3程度が移行するであろうと考えていたので想定以上でした。

また内容について見てみると、1万円以上の高額の支払いについては現金以外が明らかに多い印象です。こちらは当初の想定どおりでした。
なお、自動精算機があるために高額な治療に踏み切ったという話は聞きませんので、あくまでも治療を開始した後のハードルが下がったということですのでお間違いのないように。

まとめ

一般の開業医が自動精算機を導入してみました。
導入前は正直大変ではあります。運用も開始直後はバタバタします。
しかし運用が軌道に乗った後は特にトラブルもなく稼働しています。
患者さんサイドも大きな問題は起こっていません。
スタッフサイドでは、労力の低下と金銭トラブルによるストレスの低下という面からも大きなメリットは有ると考えます。

まだ運用開始して半年なので稀な事故などは経験していませんが、期間が長くなればそれだけメリットも大きくなるだろうと想定しています。
今後クリニックを開始するのであれば必須の機材となるでしょうし、現在クリニックを開設しているドクターにとっても有用な機材になると考えられます。
特に
・自動精算機が対応している電子カルテを運用している
・比較的若い患者さんの比率が高い
クリニックについては積極的に導入しても良いのではないかと思います。

自動精算機を導入する際にこちらの記事が参考になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。

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掲示しているのは各月ごとの統計ページです。
導入初期にどのような形で電子決済の割合が増えていったのかを知りたい方はご購入ください。

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