二次創作ROM専の人に二次小説書いてほしいので話の作り方をまとめる【追記あり】

二次創作ROM専の人に二次創作小説を書いてほしい(ド我欲)ので、小説書くのに興味あるけどやり方がマジでわかんないぜ!って人の為に書き方をまとめる。

若葉ミドリです。

このnoteを読んでいる君は大抵若葉ミドリのTwitterもしくはpixiv云々からやってきていると思うのでわかっているとは思うに向けて自己紹介をする(当初フォロワー向けに書いたらめちゃくちゃ外部に拡散されてしまった……)が、若葉ミドリは二次創作小説を書いている。七年ぐらい。
七年もやってて、その中で自分の小説の書き方とかも分析しながらやってるので、まあだいたいこういう感じで作ればそれっぽい形になるよなー、みたいなパターンもできてくる。

今日はそのパターンを君たちに教える。
教えるので、書いてほしい。
おれは「まだ読んだことの無い話」に飢えている。

そういうわけで、冒頭に書いたとおり「人のすなる小説書きというものを、我もしてみんとするなり。だが小説ってどう作っていったらいいのかわかんないぜ。物語とか考えたこともないぜ」みたいな人に向けて、話の作り方を書いてみる。
言っとくけど若葉ミドリの作り方がこうってだけで、「話の作り方の正解」なんかじゃないからな!ある程度慣れてきたら他の人の作品とかも参考にじぶんのスタイルを見つけてください。


あらかじめやっとくこと

・原作を読む、見る、やる
当たり前なので割愛。二次創作っつってるしね。
・いろんな人の小説を読んでおく
ROM専の人ならまあ普段からやってるだろう。一般の小説講座とかでも言われがちなことである。
なんでこれが大事かって言ったら、「小説というものがおおよそどんなものなのか」の脳内イメージが固まるのである。何事も見本や目標がある方がいいよね。
目標が高すぎると挫折しやすくなるんだけども、二次創作書いてる人間は基本的にはアマチュアで君たちと同じフィールドに立ってるので、追い付いたりそばに寄ったりするのは割と簡単だ。
二次創作小説をいっぱい読んでおこう。お気に入りの書き手さんとかいるとなおいいかもしれん。

小説書く前にやっとくことはだいたい上記の二つだけでいい。
これをやった君の頭の中には、原作を読んだり見たりやったりした中で芽生えた愛着と、小説に対するだいたいこんなもんってイメージが根付いているはずである。多分。

さて、「おはなし」とは

小説を書くには「おはなし(ストーリー)」がいる。当然である。
絵ならキャラクターにカッコいいポーズをとらせてカメラ目線をキメさせるだけである程度は「絵になる」(上手いこと言いポイント)が、君が選んだ手段は小説である。キャラクターがポーズをとっているだけではどうにもならない。

「おはなし」を作るのに必要なものは
・登場人物
・シチュエーション

この二つである。舞台設定とかはシチュエーションの中に含まれる。

・登場人物
メインキャラを二名に絞ること。
初心者の内から群像劇が書ける人間はそうはいない。かといって一人だけしか出さないと場が持たないおそれがある。
最低限二名なら会話が発生する余地がある。会話があると楽しいし、「おはなし」というのは基本的に一人とだれかの間に発生するものだ(持論)。だって「関係性」って物語だから……
無論メイン以外にもう一人出したって全然かまわないのだが、セリフの書き分けがちょっとややこしくなることがあるので、もう一人はサブキャラぐらいに収めておいた方が楽な気がする。この辺は個人差あるかも。
世の中にカップリング小説がよく流行るのは、メインキャラが基本的に二名で収まるからだと思っている。三人婚モノとかも最近はあるらしいし若葉ミドリも好きだけどそういう話じゃなくってね。書きやすいんだよね。

・シチュエーション
シチュエーションとは、「出られない部屋」のことである。
セックスしないと出られない部屋、ってあるじゃん。あれすげえいい発明だと思うんだよね。
「特定の二人が(メインキャラの指定)、ベッドのある部屋に閉じ込められて(舞台設定)、セックスしないと出られないらしい(状況説明)」のように、メインキャラと舞台と状況がここに圧縮されているからだ。

必要なのは「キャラクター」「舞台」「状況」である。特に「状況」は大切だ。これに対するキャラクターの反応をシミュレートして描写することが、「おはなし」の構成要素の大半だと言えるだろう(持論)。
例えば「AとBがファミレスでご飯食べながら駄弁る話」とかでもいい。キャラクター二名、舞台はファミレス、ご飯を食べながら何か喋るような状況。こんなもん、「ご飯食べながら駄弁らないと出られないファミレス」である。皿の上の食物が全部なくなった瞬間に鍵が開く。なんでファミレスに来たのかを考えないといけないが、いっそ導入部を「彼らはファミレスに喋りに来ていた。」オンリーで済ませてしまうという手段が取れるので難しくは考えなくていい。
それこそ最初に書く小説がそのまんま「セックスしないと出られない部屋」でもいいのだ。あれめちゃくちゃおはなし作りやすいので。

で、君の頭の中(もしくは手元のメモ)には小説に出すキャラクターが誰か、どんなシチュエーションに置くか、シチュエーションに対してのキャラクターの反応のシミュレーションが出来つつあると思う。まだできてないならやってみてほしい。セックスしないと出られない部屋に閉じ込められた(別にセ部屋でなくてもいいが)君の推しはまずどういう風に動く?

ぼんやりとしたイメージでいいのだ。あとはそれを形にするだけ。

そんで小説の文章ってどう作るの!?

そうだよな、わっかんねえよな。わかんねえからここまで読んでるんだよな。読んでくれてありがとう。

「小説の文章」っていうのは、ひたすら「説明」である。

導入から変に凝らなくていい。その場所に何があって、どういう雰囲気で、キャラクターがどう動いているかを、全部説明するのである。
そうすると

「そこは白い壁の部屋で、真ん中にベッドが置いてある。静かだ。Aはきょろきょろ辺りを伺っている。『ここはどこだ?』Aは言った。」

「出られない部屋」を想定した例文

みたいな文章が発生するのだが、これで十分だ。書き出しの段階からいきなりこれで大丈夫。
説明に凝り始めるのは小説を書くことに慣れてからでいい。慣れないうちから難しい言葉で説明を修飾しようとする(例えば目の色を宝石で例えたりとか)と、まあ慣れてないので、作品全体の雰囲気からズレてしまったりなんか突然変なこと言い出したなこいつみたいな感じになったりする。エーン
目がキレイだなと思ったら「綺麗な目」って書けばいいんです。凝るのはじぶんのスタイルができてからがいいと思う。

一人称小説にして、主人公が見ているモノだけを描写してもいい。キャプションで「〇〇視点です」とか言っとくとよりわかりやすくなるかも。

「俺が目を覚ますと真っ白な部屋にいた。真ん中にベッドが置いてあって、俺はそこに寝ていた。静かだ。あたりを見回す。『ここはどこだ?』と言ってみた。」

言ってることは上の例文と同じ

だいたいこんな感じの文章になると思う。
これは割と綿密なキャラクターの行動シミュレーションが必要になってきたりするのだが、そのハードルさえ超えてしまえば「主人公が見たもの・感じたこと・思ったことしか書かなくていい」ので一番楽な書き方ですらある。地の文が全部セリフみたいになるので、キャラクターにいっぱい喋らせたい人にもおススメだ。
若葉ミドリもよくやる。いっぱい喋ってくれるので楽しい。

君の頭の中にはいろんなイメージがある。その場所がどんな空間で何が置いてあるのかも、キャラクターが喋っているときにどんな表情をしているのかも、多分だいたい想像できているだろう。
でもそれって説明してくれないと読み手のおれたちは一個もわかんないので。
説明そのものはざっくりでもいいから、とにかく説明して~~!!
よく「セリフの後に『〇〇が言った』ってつけるのはダサいって言うじゃん」とか言われたりするが、誰が言ったセリフなのかわかんなくなるよりよっぽどマシ!

ちなみに「キャラクターがどんな存在か」の説明は基本的に必要ない。なんせ二次創作なので、みんなそいつのことはよ~くわかってるからだ。
あるいは、君が書いたおはなしの中で動くキャラクターの描写を見てだいたいわかってくれるだろう、君がよっぽど説明下手でない限り。
説明下手だった場合、事前に読んでいた沢山の小説が道しるべになってくれるだろう。それらの真似をすればいいのだ。
キャラクターとシチュエーションが違えばちょっとぐらい真似したって基本的に別物になるし、すべての創作は模倣から生まれるらしいのでそれでいい。まあ地の文コピペとかはギルティだけど。
どういう順番で、何を説明しているのか、とか。参考にしていこうぜ。

で、まあ。息切れするまで書いたと思う。息切れしたあたりで強引に終わらせてしまって構わない。どれだけ中途半端な展開で切れてしまったとしても、書いた人間が「ここでおしまい!」ってしたらそれは完成だ。
できた文章は、大体はセリフがめちゃくちゃいっぱいになるか、逆に地の文だらけになってるか、奇跡的にバランスよく構成されてるかの三択である。
どのパターンでも大丈夫だ。君には小説が書けるのである。
正直、文章媒体でキャラクターが一名以上登場していて状況説明がなされていればそれは小説である。巧拙とかスタイルとか関係なく。
ちゃんねる風とか台本形式とかも含むのかっていうところはおれからはノーコメントとして。小説である。文字数が200文字?最近は140字小説みたいなのも流行っている。問題ない。
君には小説を書く才能があるのだ!

じゃあそれをpixivに投稿してもらってね……タグもつけて……Twitterで宣伝して……そうそう……

そうだね。ぜんぜん見てもらえないね。

まあ原因としてここまで書いてきた小説の書き方が間違ってた可能性とかもあるかもしれないけど、それはそれとして。
才能があったとてそれをちゃんと見てもらえるかどうかはまた別の問題なのである。おれもブクマ数が安定するまで丸二年くらいかかりました。

がっかりするよな。あれだけ頑張って書いたのにつってな。
でも「まだ書いてない」と「もう書いた」の間にはすげえ差があるからさ。
君は一回小説を書いてpixivに投稿までしたのだ。
もう一回ぐらいできるかもしれないじゃん。

もうROM専じゃないぜ。
君の小説、読ませてくれ。

いやほんとマジでジャンル人口増えるとありがたいんですって……

追記

なんかいろんな人に見ていただけているみたいで。ありがたいですね。なのでお礼ついでにちょっとだけ追記をしておこうと思う。

このnoteで書いているのは「小説の書き方」であって、「上手い小説」や「面白い小説」の書き方ではないことに気づいただろうか。

「小説をうまく見せる方法」とか「面白い作劇のノウハウ」とか、そういうのはもういろんな人が書いてると思う。でも、そういうのってもうある程度小説が書ける人向けなんだよね。小説の書き方がまずわかんないのに、そういうのを見ても身につかないよね。
いつだったかめちゃくちゃ小説の上手いフォロワーが言ってた気がする、「小説はなんか気づいたら出来てる」って。おれが小説書くときも、まれにそうなることはある。
でも誰もがそういうふうにできるわけじゃない。
マジで「小説っていうものをどうやって書くか」っていうことを解説してる人ってパッと出てこないというか、もしかしたらおれが知らんだけでもういるのかもしれないけど、若葉ミドリの観測圏内にはいなかった。

若葉ミドリのpixivのホームには、「無ければ書くしかないんだよなあ」って書いてある。
有言実行である。

最初に書いたように、ここで書いてあるやり方は若葉ミドリのパターンで、マジで小説を初めて書くけどやり方全然わからん人向けの解説である。
これを参考に小説を書き始める人が一人でも増えてくれればうれしい。
書き始めた結果「こいつの言うとることなんもアテにならんな!」って思われたとしたら、それはそれで正解である。それはつまり「君にとっての書き方」が形成された証拠だからだ。おめでとう。君はもう小説書きだ。
そこまで行ったらもう戻れないぞ♡

ちなみに若葉ミドリが二次小説を書き始めたのは「ツイッターで解釈語りしてても反応が来ないけど……『おはなし』の形式ならリアクションつけられやすいのでは!?」っていうクソほど俗な動機があったからである。こんなもんでいいのだ。


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