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いい推しの日/推しになる条件

昨日は #いい推しの日 だった。

「推し」という言葉を意識したのは3年ほど前で、その頃の推しは漫才コンビ三拍子だけだった。翌年には若手漫才コンビのきつね日和も推しになり、現在ではアイドルグループにっぽんワチャチャも推している。

「推し」という言葉の意味は人によって若干の違いがあるかもしれないが、私の場合は以下の通り。

・作品(お笑いなら漫才やコント、アイドルなら曲)が好き
・また見に行きたい(見たい)と思う
・対象をもっと知りたいと思う
・誰かに勧めたい、魅力を知ってほしいと思う
・応援する気持ちが生じる

特に普通の「好き」と「推し」の違いを決定づけるのは最後の「応援する気持ちが生じる」。
三拍子もきつね日和もにっぽんワチャチャもそれぞれの短期的な目標(大会での優勝やワンマンの動員等)が達成してほしいし、長期的な目標(一生活動を続けたい、売れたい等)が叶ってほしいと願っている。

さて、芸人もアイドルも星の数ほどいる。
テレビで良く見る人たちのみならず、ライブシーンで活躍している人も含めたらそれはそれは膨大な人数になる。

アイドルのことは良く知らないが、お笑いライブに通い始めてから約3年が経つ。おもしろい芸人は想像していた以上に多い。
が、その中で「推し」と言える人は滅多に現れない。

おもしろいだけの芸人と推しになる芸人を隔てるものはなんだろうか。


元々アイドルを推し、現在は推される芸人になっているきつね日和の松本さんは推しになる基準は何かについて配信で語ったことがある。

・推しになるのに大事なのは人間性(ニン)
・お菓子に例えると歌やダンスの上手さ、容姿はパッケージ。中身のお菓子が良くないとまた買いたいとは思わない。

ざっくり要約すると上の通り。
芸人で言えば“おもしろい”というのは大前提で、その上できつね日和は人間性を大事にしたいと言っていた。

その言葉の通り、昔から「神対応のきつね日和」と言われるくらいファン対応が良いと評判の2人。
新規古参常連関係なく、自分たちのファンや見に来た観客を大切にしている。
2人の対応を経験すると、ファンに媚びたり人気取りの為にやっているわけではないのが伝わってくる。

終演後に観客が会場の外で芸人を待つ「出待ち」というものがあるが、2人は終演後に観客を待ち構えていることもある。
先日、2時間半を超える長いライブに出演したきつね日和。出番は19時台だったのに、終演後の21:30過ぎまで会場周辺で待って出待ち対応をしてくれた。

石巻で街歩きツアーをした際には、「せっかく来てくれたから。」と4名の参加者全員に直筆の手紙とイラスト入りのサイン色紙を贈った。
お笑いの仕事とバイトで毎日忙しくて疲れているはずなのに時間を割いて用意してくれたプレゼントは一生の宝物であり、一人一人に宛てた手紙を読んで一生ファンだと思った。(泣いた。)

他にも様々な逸話があるが、これほどファン思いで神対応なコンビは他にいないと思う。常軌を逸している。


私の中で「推しになる条件」はなんだろうか。

三拍子に関しては推しになった理由について2回書いたことがある。
2年前にあげたnoteでは「変化、期待、おもしろい以上の感情」が理由だと書いている。
今年5月のnoteでは、掻い摘んで言うと「笑いで心を動かし人生に良い影響を与えてくれたから」と結論づけた。

ふと考えた時に、推しになった理由が三拍子ときつね日和では明らかに異なることに気がついた。

この両者を比較して「推しになる条件」をまとめたい。


きつね日和

きつね日和を初めて知ったのは2年前に見た三拍子のYouTube生配信「生漫DAY」

初めて漫才を見てトークを聴いて興味を持ち、当時やっていた音声配信を聴くうちにいつの間にか自覚のないままにファンになっていた。

生漫DAYには数々の若手芸人がゲストで呼ばれ、どの若手芸人にも一度は興味を持ったが、今もファンであり推しているのはきつね日和だけである。

きつね日和のファンになった一番大きな要因は毎日やっていた音声配信だと思う。

毎日の配信で2人は本当に好き勝手に喋っていた。
下ネタに罵詈雑言、聞く人が聞いたら眉を顰めるような内容もあったが、不意にお笑いに対する真面目な話を始めることもあった。リスナーが本気で心配するほどの深刻(そう)な喧嘩をしていたこともある。

ライブやオーディションの後にひどく落ち込んで反省会をしていたこともあるし、逆に良い結果が出た時は心底嬉しそうに喜んでいた。

あまりにも包み隠さない会話を聞いてそこに嘘はないように見えた(聞こえた)ので、2人の人間そのものに面白みを見出し好きになる。

それだけではない。

最初は無名で地下奥底の芸人だったのに、バトル制のライブを勝ち進んで大きなライブに出演したり、「いつか共演したい」と言っていたベテラン先輩芸人と共演したり主催ライブに呼んだり、配信番組で毎週レギュラーのMCに採用されたり、M-1グランプリで大滑りしたもののネットで注目され応援する人が増えたり、学園祭に呼ばれるようになったり、お笑いの大会で優勝したり…と目に見えて着実にステップアップしている。努力が実っている。
漫才もどんどんおもしろくなって行く。

ひそかに生けるドキュメンタリーと呼ぶほどに、2人の活動を追っているとおもしろい。だから目が離せない。

それらに加えての常軌を逸した神対応。(前述)

以前はネタがおもしろいだけで良いと思っていたが、やはり配信や対面で嬉しいことを言われたら嬉しい。思い入れは強くなる。

(松本さんが長年アイドルオタクをやっているからか、ファンが言われて嬉しいことや嫌なことを抑えているのだと思う。)

きつね日和が推しになった理由
・2人の人間的面白さ
・ドキュメンタリー性
・常軌を逸した神対応


三拍子

三拍子を初めて見たのは4年前のNHKの番組「時事ネタ王」
今まで経験したことがない感覚の漫才を見ておもしろいと興味を持ち、翌年1月からYouTube生配信を見て一気にハマる。2人のトークがおもしろく、60分間があっという間に過ぎ去り当時見ていたどのテレビ番組よりもおもしろいと思った。
YouTubeで公開されている数多くの漫才動画を毎日見て、単独ライブのDVDも購入した。

きつね日和は徐々にハマって行ったが、三拍子に対しては初動が早く、最初から(自分でも戸惑うほどに)熱量が高かった。

また、きつね日和はコンビ間で明け透けに喋っているが、三拍子はそこまで好き勝手に喋ることはない。コンプラを意識するし、聞いている人や聞いてない人にも配慮をしている。

時事ネタ王を見てからもうすぐ丸4年が経ち、オンラインサロンで2人のブログやラジオを聞いているが2人の人間性については(きつね日和ほど)良く分からないというのが正直なところだ。  

成長途中のきつね日和と異なり、三拍子は既に充分おもしろく実力も経験もある。

出待ちのをしたことがないので2人が神対応なのか塩対応なのかも知らない。

だが3年以上推している。なぜか。

漫才や単独ライブの多幸感と中毒性。

様々なライブに行き様々な芸人を見たが、おもしろいだけでなく笑って幸せになれる漫才は三拍子だけである。

「おもしろい」というのは瞬間的な感情だが、多幸感は余韻が続き、またこの感覚を味わいたいという中毒性がある。だから繰り返し見に行ってしまう。

そういった三拍子の漫才や単独ライブは、私の心を動かし良い影響を与え、日常どころか人生に変化をもたらした。
その変化もまた一生の宝物であり、一生ファンでい続けると思う。

三拍子が推しになった理由
・漫才や単独ライブの多幸感と中毒性
・一生物の影響力


推しになる条件の共通点

きつね日和は人間そのものに惹かれたのに対して、三拍子は作品である漫才に惹かれて推しているという違いがあるが両者には共通点がある。

それは定期的に見る習慣が早いうちに根付いたこと。

きつね日和は毎晩22時から音声生配信を行い、三拍子は毎週月曜日19時からYouTube生配信を行い時事漫才やトークをしていた。(どちらも現在はやっていない。)

毎日ないし毎週見て(聴いて)いると、それだけでも思い入れができる。愛着が湧くと言い換えても良い。また、それらを見ることに時間が割かれるので他のものに目が行きにくくなる。

もう一つは目標がしっかりしていて、目標に向かう過程を見せていること。

きつね日和はとにかく売れたい(TVに出たい)。
三拍子は一生漫才を続けたい、そのために2026年に武道館単独ライブを開催するという目標を掲げて発信している。

4人ともとにかく真面目で一生懸命なので、目標に向かって頑張っている姿を見ると自然に応援してしまう。

(ただ、応援は楽しいだけではないので場合によっては見る側が諸々の加減を調整する必要がある。)

推しになる条件まとめ
・見る習慣が根付きやすいコンテンツの供給
・しっかりとした目標があり、過程を見せる
・人間そのものの魅力(ドラマ性、常軌を逸した神対応)
・作品の魅力(多幸感、中毒性、影響力)

松本さんのツイキャスを見て以来、一度書いてみたいと思っていた「推しになる条件」。

上手く書けたかは分からないが、「なんでハマったんだろう?」を一度考えてみるとおもしろいのでオタクの皆さんは是非。



















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