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三拍子定期単独ライブ「漫才の向こう側 vol.1」レポートその2(詳細版)

約3年半ぶりに開催された三拍子の定期単独「漫才の向こう側 vol.1」
THE SECOND2024年に向けて今月から始まったこのライブは三拍子が時事漫才と新ネタを含む3本の漫才を披露し、ベテランと若手の漫才コンビを1組ずつ迎える。
今回は2丁拳銃ときつね日和がゲスト。

ライブの概要は前回ざっくりと書いたので今回は書ききれなかった部分を。

オープニングトーク

いつもの単独ライブでは前説があるので、いきなり三拍子が登場してまず驚いた。
客席からは「待ち構えてました。」とばかりに大きな拍手が鳴り響き、それすらもネタにするので開演して間も無く笑いが起こる。
高倉さんのテンションがとにかく高い。久保さんは最初から飛ばしたら体力がもたないんじゃないかと心配していたようだったが、最後の漫才までずっと高い熱量のままだった。

トークではライブの説明や開演時間が遅いことや観客の終電についてなどを話した後に高倉さんのエピソードトークを2本ほど。(“漫才の向こう側”は某県に存在する説が浮上。)

これが漫才のようにおもしろい。

YouTube配信番組の「生漫DAY」でフリートークを見ていた時も思ったが、漫才とトークの境目はどこなのだろう。
定期単独ライブのトークでは台本も打ち合わせもなく、お互いに何を話すか知らない状態で始まるらしい。でも漫才っぽくなっている。(漫才で見たことがあるネタも少し挟んでいたから余計に。)

トークでこれだけおもしろいなら漫才はどうなるんだろうと思っていたところで時事漫才が始まる。

三拍子1本目「時事漫才」

YouTube配信番組「生漫DAY」が終わるまでの約3年半の間は毎週やっていた時事漫才。

4月に最終回を迎えて以来、約2か月ぶり。
生で見られることは滅多にないので喜びはひとしお。
しかも15分以上の長尺で扱うニュースの内容も最近気になるものばかり。政治系のニュースでは少し皮肉ったかと思えば歌で覚える系のネタも挟む。
芸能関係のニュースでは観客にお笑いファンが多いこともあってか様々な芸人さんの名前が飛び出した。

私は家でアーカイブ配信を見ていた時も「ゲーーッツ!!」からの「HAHAHA…サンミュージック…サンミュージック…」がツボにハマって手を叩いて笑った。深夜なのに隣人ごめんなさいである。

ラストのTHE SECONDに関してはどこまでが本音でどこまでがボケなんだろうと思ったが、とにかく高倉さんの熱量がすごくて久保さんは「怖い」と突っ込んでいた。私は高倉さんから噴き出す飛沫の飛距離と量に驚いた。
TwitterのCM動画にも入っている「皆さん見捨てないでください!!三拍子を!!お願いします!!」「他のくすぶり芸人を好きにならないでください!!」は家で見ても爆笑。
“Don’t worry. I’m a BIG FAN OF YOU, always.”である。
「安心してください。三拍子以上の存在はもう現れませんよ。」

トークと時事漫才だけでライブ一本分くらいの充実感はあったが、この後ゲスト含め漫才は4本。

余談だが時事漫才終わり、高倉さんの「三拍子の一本目終わります。」の後で肩をすくめる久保さんがかわいいので是非見てほしい。

若手ゲスト:きつね日和

きつね日和(別のライブにて撮影)

ゲストのきつね日和が登場。
黄色スーツのおいなり達也さんは高倉さんと同じ北海道帯広市出身で、それが縁で音声配信アプリのRadioalkで偶然知り合い2年前の4月に「生漫DAY」にゲスト出演。
それ以来、三拍子と交流が続いている。

生漫DAY出演時は「ダメだろーー!!🦊👉💥」が生まれた1週間後だったらしく今見るとぎこちない。三拍子に対してもガチガチに緊張している。
あの頃は「いつか三拍子さんと同じ舞台に立ちたい。」「ナルゲキのライブに呼ばれたい。」と可愛らしいことを言っていた2人。

それが、三拍子の定期単独ライブ初回ゲストに呼ばれ、漫才でウケ、トークでもベテラン2人に怯むことなく堂々としてここでも笑いを取っている。

堂々としすぎておいなりさんは2丁拳銃さんに聞かれたことに対して尖った答え方をしたことが久保さんに暴露されるし、松本さんは生漫DAY最終回をいじって久保さんに追いかけ回され言葉遣いで注意を受ける。
2年でここまで立派になったと思うと感慨深い。
三拍子をここまでいじる後輩はあまり見かけないので、これからもいじって怒られてほしい。

ちなみに三拍子はサンミュージック所属できつね日和はビクターミュージックアーツ所属。
2年前の単独ライブ「漫密2021」で急遽前説を務めたこともある。

三拍子2本目「大食い王漫才」

新ネタだ…!!!と思ったが8年前のネタのリバイバルだったらしい。公式YouTubeチャンネルで何回か見ているのにすっかり忘れて初見の気持ちで見ることが出来たので幸せな人間である。

コント漫才でとにかく世界観がカオスかつファンタジー。
ラストは久保さんの動きと表情がおもしろすぎてお腹を抱えて笑った。

三拍子3本目「無茶振り漫才」

毎週YouTubeで配信されていた時事漫才を見ていた時、「これはどこまでが台本でどこからがアドリブ…?」と分からないことが多々あった。
初めて早押しクイズ漫才を見た時も「アドリブですごいことやってるなぁ。」と思った部分が他のライブでも同じようにやっていて、あれは台本だったのだと驚いたことがある。

この漫才ではそういったものをまざまざと見せつけられる。

初見時は久保さんの演技力のすごさに目がいったが、配信で見て高倉さんも初めて聞くような雰囲気を出さないと成り立たないことに気がついた。2人とも演技力がすごいのだと思う。
そして漫才の礎となる台本のおもしろさ。
2人が揃ったら最強。

ここでオープニングトークを思い出すと、あれも実は台本があったのでは…という気持ちになる。

ベテランゲスト:2丁拳銃

三拍子より先輩の2丁拳銃。
初めて生で漫才を見たがおもしろかった。また、漫才やトークできつね日和の「ダメだろーー!!🦊👉💥」を使ってくれたことがとても嬉しい。

余談だが、きつね日和と同じビクターミュージックアーツ所属の筋肉漫才コンビ「ねこじゃらし」の谷坂さんは2丁拳銃の修士さんの大ファン。
三拍子定期単独にも見学に来ていたそうで、松本さんにLINEで頼み込んで修士さんと挨拶することが出来たらしい。
嬉しさのあまり乙女のようになってしまったとか。

ビクター事務所ライブでのねこじゃらし(中央黒スーツが谷坂さん。左の金髪が吉田さん。)

後日、修士さんにTwitterをフォローされて2度喜んだらしい。

初めて見た2丁拳銃の漫才はおもしろく、ネタ後の三拍子とのトークもTHE SECONDノックアウト裏話や大会を通して得たコンビの変化、ネタの作り方など興味深いものばかり。
2丁拳銃は100分ぶっ通しの漫才ライブをやっているらしく、高倉さんはどうやって覚えているのか気になるようだった。
久保さんが腰が痛くて座ってネタ合わせをするという話になると、修士さんからシンプルに「痩せろ」と言われていておもしろかった。

トーク開始時点で既に20分押して終演予定の21:30は過ぎていたがもっと聞いていたいくらいだった。

来月も

定期単独ライブの告知があった4月から楽しみで、開催日前夜は寝付けないほどだった。
当日は仕事が謎に忙しかったが夜は定期単独ライブと思えば頑張れた。もはや私が生きる上での原動力である。

別のnoteでも書いたが三拍子を知ってすぐの頃はまだ地方在住で新幹線に乗ってお笑いライブに行くことに抵抗があった為、私は約3年半前の定期単独ライブに行かなかった。
行った人のツイートを見て次回はきっと行こうと思ったのに、例の流行病で開催中止に。
私もカレー屋でナンが焼ける様子を五感で感じながら三拍子の漫才を見てみたかったと未だに後悔している。

だからこそ、今回の定期単独ライブはとても楽しみだった。
長めのオープニングトークに時事漫才、ゲストとのやりとり。

今まで行ったゲスト無し新ネタばかりの単独ライブもおもしろかったが定期単独ライブもとてもおもしろくて楽しくて余韻がすごい。

翌日、仕事中もライブを思い出しては楽しい気分に浸り、カレンダーを見ては来月もあることを再確認し幸せを感じる。

次回開催は7/12(水)、約1ヶ月後。

すぐである。たまらんね。

定期単独からの帰りの電車で「また来月も何の問題もなく来られる。」と思ったら引越しを頑張って良かったと感慨深くなり危うく泣きそうになった。そして仕事を頑張ろうと思った。

三拍子の漫才、単独ライブは中毒性が高く病みつきになる。

時事漫才で他のくすぶり漫才師を好きならないでほしいと言っていたが、ここまでの中毒性を持つコンビは他にいない。
だから安心して他のくすぶり漫才師も好きにならせてほしい。

私の心と住民票を動かしたコンビは画面の向こう側のあなた達だけです。

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