創作ダイアリー⑳+➆

夢の中でであろうか。私達はあがなうことは火をつけることと、夢想されたまま朝へ送り出されてはいまいかとよぎった。人類の火をはじめてつかった遺伝子の歓喜。庭先で焚き火をしていた記憶。いつかの金閣寺の読了。ベトナム戦争で使われた火炎放射器の明度。SNSで見るアマゾンの人工衛星写真。油のまかれた海辺の渡り鳥。ツインタワーに衝突し突き刺さった飛行機の触電気。アルジャジーナのナイフと花。きのこ宇宙の分岐点のその先には静まりまかれている灯油の轍。焚き火見いり鎮静の文字たちが螺旋する。遺伝子へ発火して巻行っていくcovid19。行列となっている接種会場の人列。夢に閉まってしまいたい衝動の枝。めざしの干し物が積み重なる食品売り場の冷蔵棚。霧と煙。火は記憶のみに生きていてる。コンロの火をいくら点火してもだ。もう炎上というジョークは死んでいく。くすぶり落ちていた木炭で書いた。

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