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アニメで考えてみるエトセトラ:第3回,探偵学園Q

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 アニメで考えてみるエトセトラ。第3回目は探偵学園Qです。

1.ストーリーの概要

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幼い頃自分を誘拐事件から助けてくれた探偵に憧れて、探偵を目指すことになった中学三年生の少年・キュウ。

伝説の名探偵・団守彦が学園長を務める「団探偵学園」に入学したキュウは、特別クラス「Qクラス」に集った個性溢れる4人の仲間たちとともに、それぞれの個性的な能力を生かして、難事件の謎を次々と解き明かしていく!(引用: https://www.tbs.co.jp/tantei-q/story/index.html )

 後に日本テレビ系でドラマ放送された平成屈指の探偵物アニメ、それが「探偵学園Q」!。

2.特徴:犯罪の動機

 探偵学園Qのストーリーで出てくる事件の背景を見て見ると、どれも人間の業の深さというか,愚かさというか、そういうものをまざまざと見せつけられます。いくつかピックアップしてみます。

2-1.殺人コレクター

 アニメ放送の29話~31話がそうです。全寮制の進学校で、1人の生徒が失踪したことが契機となります。その生徒は美人で成績優秀,クラスから人気者ですが、一定の生徒から憎まれていた矢先、突然自ら死ぬことを予告した内容を学校内の人がアクセスできるネット掲示板に書き込んで姿を消しました。当初は、優秀で失踪した生徒を憎んでいた生徒が怪しいのでは?とにらんでいましたが、その生徒が襲われてしまい次第にネット掲示板でで失踪した生徒に嫌がらせをしていた生徒を守っていた生徒が犯人に浮上し、その生徒は失踪した生徒と付き合っていたと言い張るが、それは同じ学校の同じサークル内にいた内気な生徒が失踪した生徒の名前を使ったアナグラムとして用いたアカウント名であった事が判明。(参照: https://www.tbs.co.jp/tantei-q/story/s31.html https://www.tbs.co.jp/tantei-q/story/s30.html https://www.tbs.co.jp/tantei-q/story/s29.html )後に失踪した生徒は見つかりましたが、これ1つピックアップしてみても、とても興味深いです。

 罪を犯してしまった生徒は、アカウント名が失踪した生徒当人ではなく別の人がアナグラムで表現したアカウント名なのに、それを失踪した当人が実際に掲示板へ投稿しているアカウント名だと思い込み、そうではない可能性を模索しませんでした。これはまるで心理学でいう確証バイアスのような色合いを持っていると思います。(参照:『基礎から学ぶ認知心理学 -- 人間の認識の不思議』服部 雅史 , 小島 治幸 , 北神 慎司 (著) pp131)自分自身が愛しそして消えてしまった結果として喪失感に苛まれてしまう過程において、学校(組織)関係者しかアクセスできない環境下におけるアカウント名が自分自身が愛した人のエッセンスを持っていたら、そのアカウントが愛した人が自ら発信しているアカウントだと仮説を立ててしまうのは常なのかもしれませんが、それが暴走してしまって犯罪に走ってしまうのは、愛情のもつれから生じる殺人事件を彷彿させるかもしれません。

3.特徴:事件のコンセプト

 アニメ放送17話~21話で放送された神隠し伝説の回ですが、神隠し伝説のコンセプトとして用いられてたのが天然痘です。

 国立感染症研究所のホームページによると、天然痘は紀元前より、伝染力が非常に強く死に至る疫病 として人々から恐れられていた。また、治癒した場合でも顔面に醜い瘢痕が残るため、江戸時代には「美目定めの病」と言われ、忌み嫌われていたとの記録があ る。天然痘ワクチンの接種、すなわち種痘の普及によりその発生数は減少し、WHO は1980年5月天然痘の世界根絶宣言を行った。以降これまでに世界中で天然痘患者の発生はない。とのことです。

 この天然痘ウイルスは、第2次世界大戦戦時下の1940年に哈爾濱郊外の平房(現哈爾濱市平房区)で細菌培養と製造のための施設が作られた際に、チフス、コレラ、赤痢、ペスト、結核、炭疽、と同じように研究されいてようで、もしかしたら細菌兵器として使われる可能性があったという史実があるようです。(参照: https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82165?page=3 )これをベースとした神隠し伝説という架空ストーリーとはいえ、事件のコンセプトとして活かすというのは何度見ても奇想天外だなと思います。それぐらい、放送当時の2003年の社会を基軸にした場合における過去と未来がこれほどまでにリンクしている作品もなかなかないし、奇想天外なコンセプトだと私は想います。

 

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