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海が好きだ。

元々、海が比較的近くにある地域に長く住んでいたため馴染みはあったものの、泳ぐところと認識はしていなかった。水は濃いグリーンに黒を足したような色だったし、潮の香とかいうけど、大していい匂いでもなかったし、波も荒めだった。

せいぜい、超真夏に若者っぽく日に焼けに行ったり、集団ではしゃいでみたり、台風時の高波を見に行ったこともあった。一度だけ。でもその程度の付き合いだった。

社会人になってからはダイビングがブームだったりしたので、ライセンスを取ってみたり、連れてってくれる人もいたりでシュノーケリングも覚えた。インスタなんぞで見かけるような青く透明で遠浅な海を知ったのもこの頃だ。海は楽しく泳げるところになったし、本当に魚に会える所となった。

でもそれは一瞬だった。

仕事やら子育てやらでまともに海に行かなくなってウン十年。

でも最近また行けるようなった。

それはSUPだ。散歩でたまたま行った海で見かけた一人で淡々とマイペースにやっている人の姿(私からはそう見えた)が素敵だった。

元々群れるのも不得手で、どうでもいい雑談も苦手のため、主に単独行動もしくは超身近な人達の間で生きてきた。だが色んなことが手を離れ、自分が解放され、何か足りないと思っていた時に巡ってきたのがSUP体験だった。

川SUPでデビューし、落ちたくないような水質の水に落ちない余裕が若干出てきた頃に、今度は海SUPをやるぞ、という話がやってきた。ちょっと怖すぎて練習のために一人で体験しに行くことにした。ネットで結構適当にスクールを選んだ。

そして、そこは。。。サーファー&ウインドサーファーの地元民がたまり場になっているような、傍らでスクールをやっているような所だった。。。海がエブリデイライフの人々がわんさかいた。超アウェイ!!!

インストラクターは20代のプロウィンドサーファーのお兄さん。

やってみると川での経験がウソなくらい立てない。落ちてはボードにはい上り、一瞬立っては落ちるを延々と繰り返す。お兄さんが色々教えてくれるが何一つできない。お兄さん溜息顔。金を払っている関係でよかった。ただで教えてもらっていたら申し訳なさで死ぬところだった。

海藻とたわむれまくり。だが、ウン十年ぶりの海の中は気持ちよかった!!!水の色が灰色だろうが、濃い緑色だろうが関係ない!落ちたらボードにしがみついたまま海に延々と浸かってたいくらいだった。ボードに立てないことはどうでもよくなってきていたが、インストラクターのアドバイスに従って頑張るふりをする。

「風速10MはSUPにきついよね~」と言ってスクールの方々は慰めてくれたが、いや、事実は私にセンスがないってだけで。

「あなたってそういう人だっけ?」知人にこの話をしたらそう言われた。いや、そういう人ではない。が、海に浸かることの気持ちよさを思い出してしまった今、もう止まらない。私はまた海に行く。

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