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詩/はなさき

「はなさき」
詩 若葉坂道

深い渓谷に転がる硬い雲の上
僕はそこで眠ってしまったようだ

片肘を枕に 
左耳を空に向け漂う

鳥の声が近づいて
目が覚めたことに気づいたが
漂う空気に浮遊した

何かくすぐったい感覚
鼻先に気配を感じ 目を開けた

僕の視界に迫るネコの鼻先
ヒゲの毛先はポートレート

ごきげんいかが?と聞こえたが
めしはまだか?と言っているようだ

窓から陽を浴びて
ネコと並んで伸びをした

今度はごきげんいかが?と聞こえた

僕には眩しすぎるよと答えた


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