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子どもに語ろう‼️「どんな子でも素晴らしい可能性を秘めている」

子どもへの語り&学級通信に書けます!

ピカソのお話
「どんな子でも素晴らしい可能性を秘めている」ことを伝える


ピカソって聞いたことありますか?こんな変わった絵を描いた人ですね。

ピカソの名前はとてもとても長いのですが,知っていますか?

『パブロ・ディエーゴ・ホセ・フランシスコ=デ=パウラ・ホアン=ネポムセーノ・マリーア=デ=ロス=レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ=ラ=サンティシマ=トリニダード・ルイス=イ=ピカソ』 

どうしてこんなに長いのだと思いますか。
ピカソが生まれた国スペイン,マラガという地域では,多くの才能に恵まれるようにという願いを込めて尊敬する祖先の名前などをなるべくたくさん付ける習慣があったからです。

天才画家として有名なピカソですが,実は絵のほかに版画や挿絵,彫刻や陶器などの作品も数多くこの世に残しました。

その数全部でいくつだと思いますか?

何と147,800点。

ピカソは92歳まで生きました。
1日あたり何点の作品をつくったか計算してみましょう。
147,800点÷92年÷365日=4.4点/日1日あたり,4点以上の作品をつくっていたのです。
生きている間に残した作品数が世界中で最も多い作家として,「ギネスブック」に載っています。すごいですよね。

ピカソの作品は小さいものから大きいものまでいろんな大きさがあります。
『ゲルニカ』というピカソの絵は,
縦3.5m,横7.8mという大作で有名です。
生きている間に2つの世界大戦を目の当たりにしたピカソは,この絵を通して,戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えています。またどこかでこの絵と出会うことがあるでしょう。

ピカソの子ども時代はどのようなものだったのでしょうか。知りたいですよね。

ピカソは小さい頃から落ち着きがなく,
小学生の頃は教室の中を勝手に歩き回って,
よく先生に怒られていました。
せっかちだったピカソは,授業の1時間は永遠と思えるほど長く感じ,授業中は教科書の余白に人や動物の落書きをして埋めつくしていました。
ピカソはよくいたずらもしました。
すると先生に,白い壁に囲まれたベンチが1つだけある処置室に入れられました。

みんなならどんな気持ちになりますか。
一人ぼっちで怖いですよね。
でも、ピカソはそこが大好きでした。

「スケッチブックを持っていって延々と絵を描いた。手を止めることなく,そこにずっといることができた」

とピカソは後に伝えています。
計算,読み書きが全くできず成績が悪かったピカソですが,絵を描くことに関しては誰よりも集中できるという特性があったのですね。

ピカソはいつから絵を描き始めたのでしょうか。ピカソにまつわる有名なエピソードがあります。

ピカソは歩くこともおしゃべりもできないうちから,
「ピス!ピス!」と言っていました。

スペイン語で鉛筆"ラピス"の短縮形である"ピス"という言葉がピカソの最初に発した言葉だったと言われています。

みんなが初めて発した言葉は何だったでしょう。

パパやママですか?
お家の人に聞いてみると面白いですね。

ピカソのお父さんも画家でした。
ある日いたずら好きなピカソは,
お父さんの絵の手伝いをしている途中に,
勝手にハトの絵を描きました。
それに気付いたお父さんは,驚いた顔で言いました。

「絵の具道具は,今日から全ておまえのものだ」

ピカソが描いたハトは,
まるで生きているような
素晴らしいものだったのです。
お父さんはピカソの絵の腕前が自分を超えていると思い,絵の道をあきらめました。

「ピカソの絵はどんな絵?」と聞かれると,
変わった絵を想像しますよね。
でも最初から変わった絵を描いていたのではないのです。

美術学校に進んだピカソは,しばらくすると,「学校で学ぶべきことはない」と言って
学校に行かなくなりました。
この頃からピカソは「見たものをそのまま描くだけでいいのだろうか。人々を心から感動させる新しい芸術を生み出すにはどうしたらいいのだろう」と悩んでいました。

「これまでと全く違う絵を描きたい」と強く
思っていたピカソは,パリの美術館で見たアフリカの彫刻を見てから3ヶ月たったある日,
1枚の大きな絵を完成させました。
『アヴィニョンの娘たち』という,有名な絵です。
この絵は5人の女性を描いたものですが,
上手く描けているように見えないと感じる人も
多いと思います。

それまでの絵は描くべき人や物を
ある決まった方向から見て描いていましたが,
ピカソは
「そうだ!描くべき人や物を色々な方向から見て描いたらどうだろう」と思い,
見たもののいくつかをパズルのように組み合わせて,人や物を描いていくということを始めました。   

ピカソの絵と聞いて,まず思い浮かべるのは,カラフルな色で変形している人や動物が描かれた絵ですよね。
みんながよく知っているピカソの絵の誕生です。

全く新しい方法を生み出したピカソは、画家としてどんどん有名になっていきました。
今でもピカソの絵は私達を楽しませてくれ、史上最高額がつくほど、高く評価されています。

その額,何と1億650万ドル(約101億円)。

ピカソは死ぬ直前まで絵筆の動きをやめませんでした。
人生の全てを芸術に捧げたのです。
ピカソのようにお勉強は苦手でも,
将来超有名人になることがあります。

得意,不得意あると思いますが,
好きなことにとことん打ち込み,
しんどいことがあっても,
夢をあきらめず,挑戦し続けていく
きっかけになればいいな
と思ってます。

〈主な参考文献〉
『10分で読める伝記3年生』塩谷京子(学研)
『発達障害に気づかない大人たち』 星野仁彦 (祥伝社新書)

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