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イキった自己紹介で狂った僕の人生。

「若月です。言うことは特にありません。」

中2の春、クラス替え後の僕の自己紹介です。漫画かドラマのクールなキャラに憧れて放った一言。「...おおー…!」となんとも言えない反応をされた新しいクラス。控えめに言って黒歴史です。今でも覚えています。


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先日Wasei Salonの忘年会がありました。

素敵な仲間との素敵な時間(中身は男子校の同窓会)、とても幸せでした。一方で、こんなことも感じていたんすね。


一定人数いると話せなくなってしまう。自分が話さなくても会話が進むし流れに乗るのが大変。以前にもこんなnoteを書いていました。

やっぱり初めましての人と、複数人で飲んだりするのが得意じゃないんですよね。どんなに場数を踏んでも、いくつになっても。いわゆる「僕はコミュ障なんです」と言うタイプ。

社交の場で朗らかにやりとりするのはスキルだと思うし、その場にいる人のためを考えれば多少ピエロになることも重要なんだろうな。前者は練習でなんとかなるし、後者はプライドを捨てれば良い。

参考:コミュニケーション能力


見つめ直して再確認したのは、僕は俯瞰して会話を聞く癖があるということ。あそこの2人組はあの話、この3人組はあの話。全体を俯瞰して把握する。けど自分がどの輪に入ればいいのかわからなくなる。どう振る舞えばいいのかわからなくなるから、結局話さない、表情がなくなる。自分自身すらも俯瞰する。


思えばずっとこんなんでして。集団でいるとコミュ障だと。そのルーツはなんだろうと、昔を振り返ってみたんすね。年の瀬ですし。

※おまけ部分が有料です。


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小学生の頃はみんなと話していたんですよね実は。集団得意。

休み時間にはみんなでドッジボールやキックベース、ラケべをやりまくって盛り上がっていた。足が速くてスタミナがあった僕はケイドロではエースだった。しつこく追い回すから好かれていたかは知らない。

それくらいみんなで楽しんでいた。なにせ児童会副会長までやっていたんです、コミュ力おばけ。なんだよ、あいさつ運動に花いっぱい活動って。


中学に上がると思春期を迎えました。

不良になる人、反抗的になる人、情緒が定まらない人、大人ぶる人。同級生が様々な形で大人になる準備を始めた。僕はというと「世界に冷めた中学生」になった。中二病です、完全にイキりました。

勉強も部活動もきちんとこなしたけど、無駄に成績が良かったためか常に冷静というか気怠そうな態度をとるようになったと思う。これまで違ってみんなの楽しみに乗らないことが増えた。その象徴が冒頭の自己紹介。


例えばクラスのレク。普段からノリが悪くなっている僕、こんなの参加しなくなりますよね。

「若月はレク参加するの?」
「...。いや、僕は版画の銅板を掘ってるからいいわ...。」
「お、おう...!」

図工で版画用の銅板を掘っていたんですね。熱心な僕はもう一つ追加で制作していて、無駄に凝った作品を作ろうとしてた。確か箱根駅伝に出場する大学のエンブレムを掘っていた気がする。なぜか早稲田と順天堂を掘った。

みんながレクを楽しんでいる間、僕は教室に一人残り銅板を彫り続けていました。銅板を掘るのが好きなのではないです、銅板を掘っている自分が好きだったんすね。こうすることがクールだと思っていた。まじやばい。


体育祭とかイベントごとはだいたいこんな感じで過ごし続けていました。勉強はできるから成績は良い、気怠さ前回の体育以外はオール5でした。50m走の測定なんて9秒くらいかかっていたんじゃないかな、陸上部なのに。

先生のコメントには「もっとみんなと楽しみましょう」とか書かれてた。


で。レクをサボって教室にいると、級友たちの楽しそうな声が外から聞こえるんすね。でも少しずつ気がついていたんです、本当はレクに参加したい自分がいることに。


広い世界に冷めていたので、狭いクラスなんて俯瞰して見ることは簡単です。みんなと一緒に楽しむことがダサいと感じていたから、クラスを俯瞰して話の流れや楽しげな雰囲気を掴み「流れに乗らない」選択肢を取り続けてきました。レクには参加しない、班替えは気怠くやる、みんなの流行りは素直に乗らない。


俯瞰しつづけていると、徐々に「クラスにいる自分」すら俯瞰して見るようになったんですね。すると、みんなと一緒に楽しみたい自分がいることにも気がついてくるんです。俺も参加したら活躍できるし楽しいし、でも銅板掘ってんだぜ。


時すでに遅し、僕はすっかり中二病に侵されていました。イキってた。


小学生の頃のように大勢の人と接することができなくなっていたんですね。どう振る舞えばいいのかわからなくなっていた。

みんなの表情や所作が見え、話の流れが細かくわかるけど乗り方がわからない。何を言ってどんな表情を作ればいいんだろう…?わからないから、聞かれるまで何も言わないし表情もなくなっていきました。イベントに参加することはしても、端っこで無表情で過ごす時間が増えた。


高校に入っても変わらずイキってしまった。

中学時代の友人がほとんどいない高校に進学しました。勉強を頑張る普通科と部活動を頑張るスポーツクラスの両極端の生徒がいる進学校。普通科にいながら強豪部活動に所属する僕のスペックは高い。

入学当初はクラスの中心的なノリの良い生徒になったんですね。が、中二病の後遺症は重い。結局途中から冷めてイキってしまいました。俯瞰してわからなくなり、乗らない。

そのあとの高校生活は想像に難くないです。文化祭なんか一年生以降は参加していません。


大学デビューも果たしました。

一般的な大学デビューほどイキったわけではないが、地元の同級生がいない新天地、もっと人と交流しようとコミュニケーションをとってみました。僕は18歳、少し大人になったのだ。

一年生ではサークルに入りそれなりに学生生活を謳歌した。だけどやっぱり集団は苦手だった、どうしても俯瞰してしまう。中高時代ほど激しくイキることはもうないけど、集団からは徐々に離れるようになりました。サークルも辞めた。ごはんは2〜3人で食べるか、ひとりですませた。

お酒を覚えてから俯瞰を忘れ酔いどれることはあれど、根本的には中二病のイキりが生きていた。


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それ以降の人生、相変わらず集団が苦手です。

冒頭で引用したように、あれだけ仲が良いWasei Salonですらそうなりました。人数が多くなると俯瞰してしまう。本質的には変わらない、中二病のイキリ後遺症は大きい。


だけど、俯瞰するからこそ見える世界もある。と思いはじめました。

自分との向き合いもそうだけど、他人とも向き合おうとする意志があるのは、イキった自分のスタイルなのかもしれない。そんな偉そうに言えるほどできた人間じゃないけど、それも一つの個性と思えるようにはなってきました。28歳になってようやく。

でもやっぱり、集団で楽しく話したいなーと思う自分もいます。

そんな感じの年の瀬です。


まじでしょうもうないんですが、ここから先は僕のイキりエピソードを4つほど紹介しています。(中学2つ、高校1つ、大学1つ)

多くの人に読んでもらいたいわけでもないので有料にしました。話すもんでもないし。

よかったら若月に缶ビールをおごる気分で読んでください。

年の瀬ですしね。


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