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売れなくなった作家の生存戦略は失敗しました。

ジュブナイルポルノの女王様は、印税年収10分の1になりました。

 私はジュブナイルポルノ、ライトノベル、時代小説、小説の書き方本などを出版している作家です。フランス書院の美少女文庫で、いちばん多く増刷を掛け、もっともたくさん出版し、押しも押されもせぬ女王でした。
 ですが美少女文庫が無くなり、ライトノベルもWEB小説への変化についていくことができず、時代小説は次の依頼がなく、本がほとんど出版されない状況に。
 印税年収1000万円越えの作家だったのに、その10分の1以下にまで落ち込みました。

いろいろやってみたけれど。

 もちろん手をこまねいていたわけではなく「売れなくなる日がいつか来る」というのは自分でもわかっていたので、いろいろやってみました。
・専門学校でライトノベルの講師をした。
・ユーチューブをはじめた。
・行政書士試験にチャレンジ。
・小説教室の会社を作り、教室運営をがんばった。
・アマゾンのKDPで、版権切れの小説を配信した。
・noteで記事を売る。
・ファンティアでファンクラブの運営。

 専門学校講師は、学校側から高い評価を頂いているのですが、体力的にきついのと、若い人にライトノベルを教えるのに、私では古いのではないかという葛藤があり、授業数を減らしてもらっている状況です。
 行政書士試験は二回落ちて勉強をやめました。
 ユーチューブは収益化できましたが、月に一万円~2万円程度しか儲かりません。
 noteの記事は月に数百円~2千円ぐらい。
 ファンティアは月に数千円ですが、会員さんにサイン本やクリスマスやバレンタインプレゼントを送っているので、ほとんど残りません。

 このうち、調子が良かったのがアマゾンのKDPと小説教室でした。
 KDPは商業作のうち版権切れのものを配信しているのですが、月に数万円の収入があり、去年一年間で50万円ほどになりました。

https://amzn.to/3wquZy1

↑が私が配信した小説(アマゾンアソシエイトに参加しています)
↓宝島社から発売された小説、同じものです。


 小説教室は、受賞された方やデビューされる方が散見されるようになりました。利用された方からの評判も良くて、喜んで頂いています。
 手間がかかるのがネックでしたが、作家仲間に添削や講師を依頼することで、黒字にすることができました。

 小説教室とKDPでなんとかやっていけそうだ。……と思っていたけど、そんなに甘くなかったです。

アマゾンでアカウント停止され、凍結削除祭りに。

 経緯はこちらに。
KDPでアカウント停止されたけど、復活の呪文で蘇った話|わかつきひかる (note.com)

 KDPが順調なので、出版社から出ている小説も版権を消滅させて、過去作を全部KDPにしようと思っていた矢先のことです。
 いきなり、ブロック→アカウント停止になりました。
 今は新しく配信をしていません。出版社を通して発売したときは大丈夫だった小説が、個人で配信するとダメだと言われて、アカウントごと停止される。恐怖です。

 noteでも削除され、ファンティアでも凍結されました(会員さんにバレンタインチョコのプレゼントをしようとしたら、食べ物は駄目だと言われた。毎年プレゼントしていたのですが、規約が変わったそうです)。

小説教室はトラブルの連続。

 私をモデルにしたポルノ小説の添削をしてくれ、という依頼者が現れました。
 教室の予約とキャンセルを繰り返す人がいました。
 質問ばかりしてきて依頼しない人がいました。
 値下げ交渉をする人がいました。
 トラブル相談のご依頼にお答えし、料金表の通りに1000円を請求したら、「ユーチューブでは無料で質問に答えてるくせに、私から搾取するんですね」と返信されました。
 添削の先生の情報を教えてくれという人もいました。
 代金を払ってくれない人もいました。
 添削が気に入らない、無礼だ、失礼だと怒り出す人がいました。
 「わかつき先生はポルノ作家だから、僕の作品の良さがわからないんだよ。僕は純文学を書いているんだよ」という人がいました。
 精神病だという方は断っても断ってもブロックしてもブロックしてもメールを何十本も送ってきました。
 私をネタにした気持ちの悪いエロポエムメールを送ってくる人もいました。

警察と弁護士さんに相談に行く。

 危険を感じた私は、全ての業務を休止し、警察に相談し、弁護士さんにも相談しました。

 売れなくなった作家の生存戦略は失敗しました。今年から個人年金が入るのと、専門学校講師の仕事があるので、いきなり干上がることはありませんが、一生懸命にやってきたことが全て崩れてしまい、徒労感を覚えています。

 疲れました。ほんと疲れた……。ぐったりです……。
 どうすればいいのかわからない。
 映画や日帰り温泉施設がシニア料金で利用できるようになったので、少し休んで考えようと思います……。

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