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小説新人賞で一次落選したらすること。

小説新人賞に何度も落ちる人は、Aが足りない。


 Aというのは、PDCAのAです。ウィキペティアによると「品質管理など業務管理における継続的な改善方法」なんだそうです。

Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→Act(改善

 小説を書くためにあらすじを書き(計画)長編小説を書き上げて新人賞に応募する(実行)。そして選考結果が出た(評価)。次にすることは、評価の内容を精査し、改善することです。

 何度も新人賞に落ちる人は、「評価の内容を精査して改善する」ことができてない。だから何度も同じところでつまづいて落選してしまう。

一次選考落選作は、一次選考落選するだけの理由があります。

1.応募規約違反


 枚数オーバーしていませんか? 略歴に病歴を書いていませんか? 応募歴に一次選考落選34回なんて書いていませんか?(一次選考落選は応募歴に書く必要はないですよ)梗概(あらすじ)をちゃんと最後のオチまで書きましたか? 原稿用紙に印刷していませんか? 横書きで印刷していませんか? ノンブル(ページ数)をつけていますか? 原稿を綴じていますか? 締め切りを過ぎていませんか? どんな新人賞でも、応募規約違反で落選する小説は一割程度はあるようです。まず規約を守りましょう。規約を守ることであっさり受賞するかもしれませんよ。

2.カテゴリーエラー


 フランス書院に児童文学を送っていませんか? 青春小説の賞に、老人ホームの話を送っていませんか? 乙女系に、ヒロインが虐待され足蹴にされる小説を送っていませんか? 投稿先に合った小説を送りましょう。
 正しい投稿先に送ることで受賞するかもしれませんよ。

3.文法は崩れていませんか?


 評価シートで誤字が多いと指摘された方は、文法のドリルを解きましょう。
 人間という生き物は、文法さえ守られていたら多少の誤字はスルーします。誤字があっても頭の中で修正して読んでしまうんですよ。ですが、文法が崩れていると、文章が読みにくくてひっかかるから誤字が目出つのです。
 中学入試の文法ドリルを一冊解きましょう。わずか千円の出資で受賞するかもしれませんよ。

4.文章がそのジャンルのものになっていますか?


 ライトノベルにはライトノベルの、時代小説には時代小説の文章があります。太宰治がライトノベルに投稿したら、文章だけで落選します。芥川龍之介がポルノ小説に投稿したら落選します。これは絶対です。ジャンルに合った文章を書くこと、それだけであなたは最終選考に残るかもしれません。

5.文章力が弱いと言われた方は、写経をしましょう。


 綿矢りさ「ひらいて」を丸写ししましょう。一言一句違わず丸写しです。文章が移ります。遠回りに見えて、もっとも要領のいい文章トレーニングです。(アマゾンのリンクです。私はアマゾンアソシエイトに参加して収入を得ています)

6.起承転結のバランスが悪いのではないですか?


 一次選考落選の小説は、おもしろくなるまで時間がかかります。
 起がやたらと長く、転が盛り上がらず終わる場合が多い。起は短く、転は盛り上げてほしいです。お話のおもしろさというのは、構成(お話の組み立て方)にあるんだと私は思っています。

7.ログラインがぐにゃぐにゃになっていませんか?


 ログラインとは、小説を一行で説明する文章であり、お話の骨です。
 ワンピースなら「海賊王に俺はなる」ルフィは一巻目でそう言っていますよ。
 ちはやふるなら「女子高生がかるたクイーンになる話」ちはやふるの冒頭は、クイーン戦で戦う千早です。
 一次選考落選の小説はログラインが弱い。お話の骨がぐにゃぐにゃして、あっちに行ったりこっちに行ったりしている。
 ログラインが力強い小説は面白いですよ。

8.手堅く上手いが勢いがない小説も一次選考で落選します。


 昔、私が一次選考をしていたときは上手い小説を選んでいましたが、今は「新しさ」や「勢い」も評価基準に入っているようです。「新人」賞だから仕方がないのかもしれません。
 そのため、技術的につたない小説が一次選考を通過したり、完成度の高い小説が一次選考で落選しています。
 ですが、「勢い」という評価基準はあいまいです。選考者がたまたま同じテーマの漫画を読んでいたら「勢いがない」と評価されて完成度の高い小説が落選します。そういう小説は、書き直さずに別のところに投稿することをお勧めします(新人賞投稿の使い回しの是非については改めて書くことにします)。

落選はスタートです。

 C(評価)ができたら、A(改善)を図ります。書き直してもいいし、次作に反省点を生かしてもいい。
 PDCAを回すことで、受賞までの距離がどんどん短くなりますよ。
 落選して終わりではなく、落選はスタートです。


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