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エルメスのコピー

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大型ショッピングモールに並ぶ様々なモノ達を眺めながら、ふと思うことがある。

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「縫製も綺麗だし、サイズやカラーも豊富でこれを作る手間暇に対して恐ろしく安い。しかし、まるで表情がない。皆一様にのペーっとして見えてしまう時がある」

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明るい蛍光灯に照らされたきらびやかなモノ達が、視点を変えるとゾンビの群れのようにも見えるのだ。

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会社という組織の中で企画部、商品開発部、販売促進部などが「売れる」ものを一丸となって作り上げ、そしてそれを実際に作るのは人件費の安いどこか外国の労働者。

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それがどうした。それこそが「商売」だ。理想で腹は膨れないし、情熱だけで光熱費は払えない。お客様は安くていいものを求めているのだ。そして我々にはそれを提供する資本とノウハウがある、と。

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つい最近こんな事件があった。

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エルメスの代名詞「バーキン」の完成度の高いレプリカを販売したとして元従業員を含む10人がフランスで起訴された。

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裁判資料によると元従業員の1人はレザーを裁断するエキスパートで、退社する際にバーキンの型紙を含む機密書類を持ち出したとされ、また他の元従業員はエキゾチックレザーの仕入れを担当していた。

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そしてその模倣品には正規品の切れ端や盗んだメタルパーツが使用され、エルメスの従業員が個人で使用することができるバッグを製作する設備で製作された。

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正規品の528万円に対し、この模倣品は282万〜384万円で販売されていた。

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首謀者の一人を代理する弁護人は

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「バーキンは女優のジェーン・バーキンのためにエルメスの最高経営責任者である故ジャン・ルイ・デュマ氏が20世紀初頭から展開しているバッグをベースにデザインしたことを挙げ『バーキンにオリジナリティーはない』と主張している」

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エルメスの元従業員がエルメスの設備の中でバーキンを作った。使用されたパーツも正規品と変わらない。

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それは、、、果たして模倣品なのだろうか?という疑問が浮かんでしまう。

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元従業員が服やパンツのポケットに切れ端やパーツを集めたり、コソコソ隠れてバッグを作っている姿を想像すると、ずいぶん表情豊かなバッグが出来上ったんじゃないかなぁ、と考えてしまう。

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