SNSは若者から普及するものなのか?的な議論と多様性について

一時期(というか2013年とか2014年頃でしょうか)、「Facebookはもう古くて、これからはLINEやInstagramだ」みたいなことが語られていた。その当時、その感覚は間違っていなかったような気もしているけれど、実際は、2021年現在でもFacebookはなくなっていないし、その間、TikTokが現れたり、ユーチューバーが世の中的に注目されてきたけれど、でもFacebookは一定の役割を担って存続している。

「Facebookはおじさんメディアと化した」ということに異論があるわけではないけれど、その裏側には、新しいSNSは「非オッサン的=若者のためにあるもの」みたいな意識づけがどっかで働いていたように感じる。

そこで登場したのがClubhouseだと思うのだけれど、この普及の仕方が、2010年代のSNSの普及とは違う経路をたどっている感じで、とても興味深いし、たぶん、その普及の仕方に”頭がついていけていない感”がでているのは、不思議なもんで「SNSは若者から始まる」と妄信していた平成的なボーイズ&ガールズなような気もしている。

Clubhouseは2020年のアメリカからスタートし、2021年1月後半に日本で急拡大してきた。いってもまだまだアーリーアダプターの参入時期で、まだマジョリティまで達していないだろうけれど、ユーザー数の増加は激しいだろう。その中心を担ったのは、TikTok的な「10代や20代前半」ではなくて「30代~40代のテック系やマーケ系のスタートアップインフルエンサー」で、そのあと後発的に、芸能界、アーティスト、クリエイター等々が参入していった。その中に、ちゃんと、大学生なんかも含まれている(規約的にいいのかわからないけれど高校生ユーザーもまあまあ居るらしい)。

Clubhouseの拡がりって2つのことを暗示している気がする。はたして、Clubhouseというサービス自体がこのまま突っ走るか、それとも代替サービスが出てくるか…そんなことは知ったこっちゃないけれど、「今後の2020年代的な仕事」をする上では、ここからの変化を追うことは大事だと思う。
私が思うその2つの理由は以下のような感じ。

「理由1」としては、5Gの進展で予期されていた「低遅延・同時多接続」が一般化する未来のサービスを、今回のClubhouseが垣間見せているような点。つまり、いつでもオンライン同期して、色んな人達とつながっている、というステージが1段階上がったのが、Clubhouse的なものであって、この新しいコミュニケーションのあり方で、出会いや交流・創発の幅が一気に拡がっているのが、この1~2週間の爆発的な進化だと思う。ちょっとスタートしただけの私ですら、この爆発的な変化を感じるので、これはヤバい。
SNSは今までの概念と変わったな、と。
(リアルタイムコミュニケーションの主戦場は編集された文章や写真ではなくて、生の聴覚・映像・触覚・味覚・嗅覚・平衡感覚…みたいな身体性だろう)

「理由2」としては、さんざん書いている「SNSは若者から始まり浸透していくようなもの」ではないパターンが成立したことで、本当の意味で、「多様化」が始まったな、というところである。
Clubhouseが進展することに対して、それに乗り切れていない人を中心に、それ(オッサンが先取りしていること)に対してネガティブな感情を持ってしまうかもしれないけれど、大丈夫、そんなネトウヨよろしくな「排他的」な感情を持たなくたって、Clubhouseは一番のメインSNSになんてならないと思う。
一方で、これまでのSNS、、、それはFacebookだったりInstagramだったりTiktokだったりするものに実は馴染めなかった層だって存在していたはずで、それを包み込むような舞台がつくられつつある。これがインターネットの本来の姿な気がする。
この多様化がどんどん進むことで、「私にはこの表現手段がある」という選択と自信を、いろんな人が獲得できればいいんじゃないか。いちいち「これまでのメインストリームが廃れて、新しいものが立ち上がる…」ということに焦らされ過ぎない…とても明るい未来だと思う。だから、Clubhouse以降のオンラインコミュニケーションは、いわゆるFOMO(Fear of Missing Out~見逃すことの恐怖~)を感じるよりも、JOMO(Joy of Missing Out~見逃す喜び~)に価値観が変わっていくチャンスかもしれない。
あなたが大事にすることはあなたが大事にし続ければいい。それは私にとって大事じゃないかもしれないけれど、そんなことはお構いなくで、全然良いと思うよ。と。

とりあえず、私は、自分のこれまでのキャリアだとかライフステージ上、Clubhouseは比較的導入しやすいものだったし、それでやっと気づいたことで、自分には他のSNSが比較的”合っていなかった”と感じることができた。これを収穫として、私は私で、このSNSを自分の楽しい人生のために無理なく使っていこうと思う。
(すぐに”やっぱ合わない”ってなっちゃうかもしれないけどねw)


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