地球と月と火星に設置されたマスドライバーについて

研究のポイント

マスドライバー(物体の加速軌道)によって加速される物体の加速度と、大気中を飛行する物体が大気から受ける抗力による減速の加速度が、人間の健康を維持できる最大加速度以下であれば、人間はその物体に搭乗できる。

人間が健康を維持できる最大加速度を3G(Gは地球の重力加速度G=9.80665m/s^2)とすると

地球において

大気密度が1.2250kg/m^3(海面高度の気温15℃での大気密度)
物体の代表面積Sが10m^2
抗力係数CDが0.2

物体の初速が10km/sの場合
物体の質量が4163.841202993207トン以上であれば人間も物体に搭乗することができる。

マスドライバーの長さは1699.52702162988km
加速時間は339.9054043259761s

物体の初速が10√2km/sの場合
物体の質量が8327.682405986414トン以上であれば人間も物体に搭乗することができる。

マスドライバーの長さは3399.05404325976km
加速時間は480.6988327217059s

火星において

大気密度が0.00923kg/m^3
物体の代表面積Sが10m^2
抗力係数CDが0.2

物体の初速が4km/sの場合
物体の質量が5.019723011086015トン以上であれば人間も物体に搭乗することができる。

マスドライバーの長さは271.9243234607809km
加速時間は135.9621617303904s

物体の初速が4√2km/sの場合
物体の質量が10.03944602217203トン以上であれば人間も物体に搭乗することができる。

マスドライバーの長さは543.8486469215618km
加速時間は192.2795330886823s

月において

大気密度が29230721102*10^-25kg/m^3
物体の代表面積Sが10m^2
抗力係数CDが0.2

物体の初速が1680.192770218339m/sの場合
物体の質量が0.2804889923146436μg(マイクログラム)以上であれば人間も物体に搭乗することができる。

マスドライバーの長さは47.97845926138515km
加速時間は57.11066029066463s

物体の初速が1680.192770218339√2(2376.151403043996)m/sの場合
物体の質量が0.5609779846292873μg(マイクログラム)以上であれば人間も物体に搭乗することができる。

マスドライバーの長さは95.9569185227703km
加速時間は80.76667033914049s

第2宇宙速度に加速される物体の質量が、第1宇宙速度に加速される物体の2倍の質量であり、2つの物体の代表面積Sと抗力係数CDが同じ値であれば、2つの物体が天体の大気から受ける抗力による減速の加速度の最大値は同じ値になる。

加速度が同じ値であれば、物体を天体の第2宇宙速度に加速するマスドライバーの長さは、物体を天体の第1宇宙速度に加速するマスドライバーの長さの2倍になる。

加速度が同じ値であれば、物体を天体の第2宇宙速度に加速するマスドライバーの加速時間は、物体を天体の第1宇宙速度に加速するマスドライバーの加速時間の√2倍になる。

月の大気中では、1μg(マイクログラム)以下の質量の物体が大気から受ける抗力による減速の加速度は無視できない値になるが、1g(グラム)以上の質量の物体が大気から受ける抗力による減速の加速度は無視できるほど小さい値になる。


研究の内容

流体中の物体が流体から受ける抗力の式
D=ρv^2SCD/2
より

天体に設置されたマスドライバーの長さをlm(メートル)
加速される物体の質量をmkg(キログラム)
物体の初速をv0m/s(メートル毎秒)
射出点における天体の大気の密度をρ(kg/m^3(キログラム毎立方メートル)
物体の抗力係数をCD
物体の代表面積をS(平方メートル)
とすると
物体が大気から受ける抗力Dの最大値は
ρv0^2SCD/2N(ニュートン)
抗力による物体の加速度の最大値は
-ρv0^2SCD/2mm/s^2(メートル毎秒毎秒)

人間が健康を維持できる最大加速度をa1とすると
a1≧ρv0^2SCD/2m
であれば
人間も物体に搭乗することができる。


地球の大気中を移動する物体の質量と大気から受ける抗力による減速の加速度

ρを1.2250kg/m^3(海面高度の気温15℃での大気密度)
v0を10km/s
Sを10m^2
CDを0.2
とすると
a=1.2250*10^10/980665m
a=12250000000/980665m
グラフ ma_earth_v1

画像1

人間が健康を維持できる最大加速度a1を3Gとすると
m≧4163.841202993207トン
であれば人間も物体に搭乗することができる。

v0を10√2km/sとすると
a=12250000000*2/980665m
a=24500000000/980665m
グラフ ma_earth_v2

画像2

a1を3Gとすると
m≧2*4163.841202993207トン
=8327.682405986414トン
であれば人間も物体に搭乗することができる。


火星の大気中を移動する物体の質量と大気から受ける抗力による減速の加速度

ρを0.00923kg/m^3
v0を4km/s
Sを10m^2
CDを0.2
とすると
a=14768000/980665m
グラフ ma_mars_v1

画像3

a1を3Gとすると
m≧5.019723011086015トン
であれば人間も物体に搭乗することができる。

v0を4√2km/sとすると
a=14768000*2/980665m
a=29536000/980665m
グラフ ma_mars_v2

画像4

a1を3Gとすると
m≧10.03944602217203トン
であれば人間も物体に搭乗することができる。


月の大気中を移動する物体の質量と大気から受ける抗力による減速の加速度

月の質量M7.347673*10^22kg
月の半径R3474.3/2km
万有引力定数G6.67430*10^-11m^3/s^2kg
より
月の第1宇宙速度√GM/Rは
√2823047.745093976=
1680.192770218339m/s

月の第2宇宙速度は
1680.192770218339√2=
2376.151403043996m/s

アボガドロ定数6.02214076*10^23

月の大気の組成

アルゴン40
40000個/cm^3
質量数39.948
密度265340.85862*10^-23g/cm^3

ヘリウム4
2000-40000個/cm^3
質量数4.002602
密度1329.2953983*10^-23g/cm^3(2000個の場合)
密度26585.907966*10^-23g/cm^3(40000個の場合)

ナトリウム
70個/cm^3
質量数22.98976928
密度267.22787024*10^-23g/cm^3

カリウム
17個/cm^3
質量数39.0983
密度110.37123284*10^-23g/cm^3

水素
17個/cm^3
質量数1.00794
密度2.8453303705*10^-23g/cm^3

により
月の大気の密度は
267050.59845*10^-23g/cm^3(ヘリウム4が2000個/cm^3の場合)
292307.21102*10^-23g/cm^3(ヘリウム4が40000個/cm^3の場合)

267050.59845*10^-20kg/m^3(ヘリウム4が2000個/cm^3の場合)
292307.21102*10^-20kg/m^3(ヘリウム4が40000個/cm^3の場合)

ヘリウム4が40000個/cm^3の場合を想定すると
月の大気の密度は
29230721102*10^-25kg/m^3


ρを29230721102*10^-25kg/m^3
v0を1680.192770218339m/s
Sを10m^2
CDを0.2
とすると
a=82519721294472/980665*10^20m
グラフ ma_moon_v1

画像5

a1を3Gとすると
m≧0.2804889923146436*10^-12トン
=0.2804889923146436μg(マイクログラム)
であれば人間も物体に搭乗することができる。

m=1gなら
a=84146697.69439309*10^-14G
=0.0000008414669769439309G

m=1kgなら
a=84146697.69439309*10^-17G
=0.0000000008414669769439309G

m=1トンなら
a=84146697.69439309*10^-20G
=0.0000000000008414669769439309G


v0を1680.192770218339√2(2376.151403043996)m/sとすると
a=165039442588944/980665*10^20m
グラフ ma_moon_v2

画像6

a1を3Gとすると
m≧0.5609779846292873*10^-12トン
=0.5609779846292873μg(マイクログラム)
であれば人間も物体に搭乗することができる。

m=1gなら
a=168293395.3887862*10^-14G
=0.000001682933953887862G

m=1kgなら
a=168293395.3887862*10^-17G
=0.000000001682933953887862G

m=1トンなら
a=168293395.3887862*10^-20G
=0.000000000001682933953887862G

月の大気中では、1μg(マイクログラム)以下の質量の物体が大気から受ける抗力による減速は無視できない値になるが、1g(グラム)以上の質量の物体が大気から受ける抗力による減速の加速度は無視できるほど小さい値になる。


第2宇宙速度に加速される物体の質量が、第1宇宙速度に加速される物体の2倍の質量であり、2つの物体の代表面積Sと抗力係数CDが同じ値であれば、2つの物体が天体の大気から受ける抗力による減速の加速度の最大値は同じ値になる。


マスドライバーの加速度をa2
加速時間をt
とすると
v0=a2t
l=a2t^2/2=v0t/2=v0^2/2a2

地球でのマスドライバーの加速度と長さ


地球の第1宇宙速度に到達するv0を10km/sとすると
l(単位m)=10^8/2a2(単位m/s^2)
l(単位km)=10^9/196133a2(単位G)
グラフ a2l_earth_v1

画像7

a2=1Gなら
l=5098.581064889641km

a2=2Gなら
l=2549.290532444821km

a2=3Gなら
l=1699.52702162988km

a2=10Gなら
l=509.8581064889641km

a2=20Gなら
l=254.929053244821km


地球の第2宇宙速度に到達するv0を10√2km/sとすると
l(単位km)=2*10^9/196133a2(単位G)
グラフ a2l_earth_v2

画像8

a2=1Gなら
l=2*5098.581064889641km
=10197.16212977928km

a2=2Gなら
l=2*2549.290532444821km
=5098.581064889641km

a2=3Gなら
l=2*1699.52702162988km
=3399.05404325976km

a2=10Gなら
l=2*509.8581064889641km
=1019.716212977928km

a2=20Gなら
l=2*254.929053244821km
=509.858106489642km

火星でのマスドライバーの加速度と長さ


火星の第1宇宙速度に到達するv0を4km/sとすると

l(単位m)=4000*4000/2a2(単位m/s^2)
l(単位km)=8*10^8/980665a2(単位G)
グラフ a2l_mars_v1

画像9

a2=1Gなら
l=815.7729703823426km

a2=2Gなら
l=407.8864851911713km

a2=3Gなら
l=271.9243234607809km

a2=10Gなら
l=81.57729703823426km

a2=20Gなら
l=40.78864851911713km


火星の第2宇宙速度に到達するv0を4√2km/sとすると

l(単位m)=4000√2*4000√2/2a2(単位m/s^2)
l(単位km)=16*10^8/980665a2(単位G)
グラフ a2l_mars_v2

画像10

a2=1Gなら
l=2*815.7729703823426km
=1631.545940764685km

a2=2Gなら
l=2*407.8864851911713km
=815.7729703823426km

a2=3Gなら
l=2*271.9243234607809km
=543.8486469215618km

a2=10Gなら
l=2*81.57729703823426km
=163.1545940764685km

a2=20Gなら
l=2*40.78864851911713km
=81.57729703823426km

月でのマスドライバーの加速度と長さ

v0を1680.192770218339m/sとすると

l(単位m)=1680.192770218339^2/2a2(単位m/s^2)
l(単位km)=1411523872546988/980665*10^7a2(単位G)
グラフ a2l_moon_v1

画像11

a2=1Gなら
l=143.9353777841554km

a2=2Gなら
l=71.96768889207772km

a2=3Gなら
l=47.97845926138515km

a2=10Gなら
l=14.39353777841554kmkm

a2=20Gなら
l=7.196768889207772kmkm


v0を1680.192770218339√2m/sとすると

l(単位m)=1680.192770218339√2^2/2a2(単位m/s^2)
l(単位km)=2823047745093976/980665*10^7a2(単位G)
グラフ a2l_moon_v2

画像12

a2=1Gなら
l=2*143.9353777841554km
=287.8707555683108km

a2=2Gなら
l=2*71.96768889207772km
=143.9353777841554km

a2=3Gなら
l=2*47.97845926138515km
=95.9569185227703km

a2=10Gなら
l=2*14.39353777841554km
=28.78707555683108km

a2=20Gなら
l=2*7.196768889207772km
=14.39353777841554km

加速度が同じ値であれば、物体を天体の第2宇宙速度に加速するマスドライバーの長さは、物体を天体の第1宇宙速度に加速するマスドライバーの長さの2倍になる。

a2≦a1
であれば人間も物体に搭乗できる。


マスドライバーの加速度と時間

t=v0/a2

地球でのマスドライバーの加速度と加速時間1

v0=10km/sとすると
t(s)=10000(m/s)/a2(m/s^2)
t(s)=10^9(m/s)/980665a2(G)
グラフ a2t_earth_v1

画像13

a2=1Gなら
t=1019.716212977928s

a2=2Gなら
t=509.8581064889641s

a2=3Gなら
t=339.9054043259761s

a2=10Gなら
t=101.9716212977928s

a2=20Gなら
t=50.98581064889641s

地球でのマスドライバーの加速度と加速時間2

v0=10√2km/sとすると
t(s)=√2*10^9(m/s)/980665a2(G)
グラフ a2t_earth_v2

画像14

a2=1Gなら
t=√2*1019.716212977928s
=1442.096498165117s

a2=2Gなら
t=√2*509.8581064889641s
=721.0482490825588s

a2=3Gなら
t=√2*339.9054043259761s
=480.6988327217059s

a2=10Gなら
t=√2*101.9716212977928s
=144.2096498165117s

a2=20Gなら
t=√2*50.98581064889641s
=72.10482490825588s

火星でのマスドライバーの加速度と加速時間1

v0=4km/sとすると
t(s)=4*10^8(m/s)/980665a2(G)
グラフ a2t_mars_v1

画像15

a2=1Gなら
t=407.8864851911713s

a2=2Gなら
t=203.9432425955856s

a2=3Gなら
t=135.9621617303904s

a2=10Gなら
t=40.78864851911713s

a2=20Gなら
t=20.39432425955856s

火星でのマスドライバーの加速度と加速時間2

v0=4√2km/sとすると
t(s)=4√2*10^8(m/s)/980665a2(G)
グラフ a2t_mars_v2

画像16

a2=1Gなら
t=√2*407.8864851911713s
=576.838599266047s

a2=2Gなら
t=√2*203.9432425955856s
=288.4192996330235s

a2=3Gなら
t=√2*135.9621617303904s
=192.2795330886823s

a2=10Gなら
t=√2*40.78864851911713s
=57.6838599266047s

a2=20Gなら
t=√2*20.39432425955856s
=28.84192996330235s


月でのマスドライバーの加速度と加速時間1

v0=1680.192770218339m/sとすると
t(s)=1680192770218339(m/s)/980665a2*10^7(G)
グラフ a2t_moon_v1

画像17

a2=1Gなら
t=171.3319808719939s

a2=2Gなら
t=85.66599043599695s

a2=3Gなら
t=57.11066029066463s

a2=10Gなら
t=17.13319808719939s

a2=20Gなら
t=8.566599043599695s

月でのマスドライバーの加速度と加速時間2

v0=1680.192770218339√2m/sとすると
t(s)=1680192770218339√2(m/s)/980665a2*10^7(G)
グラフ a2t_moon_v2

画像18

a2=1Gなら
t=√2*171.3319808719939s
=242.3000110174215s

a2=2Gなら
t=√2*85.66599043599695s
=121.1500055087107s

a2=3Gなら
t=√2*57.11066029066463s
=80.76667033914049s

a2=10Gなら
t=√2*17.13319808719939s
=24.23000110174215s

a2=20Gなら
t=√2*8.566599043599695s
=12.11500055087107s

加速度が同じ値であれば、物体を天体の第2宇宙速度に加速するマスドライバーの加速時間は、物体を天体の第1宇宙速度に加速するマスドライバーの加速時間の√2倍になる。


天体の第1宇宙速度をv1
大気から受ける抗力と浮力と天体の重力による速度変化をΔvとすると
v0-Δv≧v1
であれば物体は天体の周回軌道に入ることができる。

天体の第2宇宙速度をv2とすると
v0-Δv≧v2
であれば物体は天体の重力を振り切って太陽系内の他の天体に到達する軌道に入ることができる。

研究の意義

地球に設置されたマスドライバーによって人間が搭乗する物体を宇宙に打ち上げることが理論的に可能であることがわかった。

今後の展望

人類と地球の生命が宇宙に生活の場を広げ、宇宙のさまざまな存在と助け合いながら生きていく未来を願って、努力したい。

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