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ライブでのピアノの即興演奏

先日11月12日に行ったライブでは、フルートとピアノのデュオによる演奏の他に、ピアノによる即興演奏もさせていただきました。

即興演奏は毎月開催されている和楽器デュオ、HIDE×HIDEのライブ『三尺秀水』のピアノソロ(4,5分お時間をいただいております)のコーナーでも何度となくさせていただいていますが(次回は12月11日です。https://www.hide-hide.net/events/100)、自分が主催するコンサートでは大体いつも10分ほどお時間をいただいて即興演奏をします。
演奏するにあたって内容は全く考えていません。毎回の即興演奏に対して演奏後分析をすることはありませんが、自分がこれまで過ごしてきた時間が関係しているだろうとは漠然とはありますが、いつも思うところです(まあ、当然と言えば当然なのですが)。
自分は演奏者であると同時に一人の聴衆としてもその場にいるので、次はどんな響きが出てくるのか、ということも感じながら演奏をしています。
次はこんなフレーズを出そう、という感じでの演奏ではなく、時間に身を委ねようという感じです。何かをしよう、というと意志があるとたちまち不自然な演奏になり、場が壊れていきます。一方で、面白いフレーズが出てきたと思ったら自然とそれに反応する、ということもしています。しかし、頭で考えているというのとは違う感覚です。このあたりのことは言葉にするのはとても難しいです。あるいは言葉のなかで完結できるような体験ではないのかもしれません。自分が奏でているその音に酔うわけでもなく、ましてや演奏する自分に酔うということは全くありません。自分を介して出てくる音に聴き入っているわけです。映像を見ると体を動かす場面が度々見受けられ、自分としては恥ずかしくも思うのですが、これは自然とそうなってしまっているわけです。
言葉で説明するのが難しいということはつまり、言葉というものが一言で様々な時間軸を説明するには適していないからかもしれません。言葉の機能とは、シンプルに物事を表出させることにあると思います。それは良くも悪くもです。

話を戻しますと、即興演奏の場では、その空間にいる人々全員が、そこで音が奏でられるにいたるプロセスに関わっていると思っています。それがまた即興演奏が興味深いものであると自分が思うところです。

こちらの動画が先日の即興演奏のものです。
よろしかったらご覧いただければと思います。


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