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鋳物のコーヒーミル

 最近は挽いたコーヒーばかり買ってくるので、ほとんど使ってないんだけどさ。
 四半世紀くらい前に買ったと思う。独身時代。
 効率よく挽けそうだが、使ってみるとどうも、よくある水平方向でハンドルを回転させるタイプのほうが挽くスピードは速かったようだ。回転部の全周から豆がミルに入るからだろう。
 ただし挽いたコーヒーを受ける部分と回転部の取っ手を除けばほぼ全金属製(鋳鉄だろう)なので、重厚感があり、安定している。テーブルの上から万一床に落としたら、盛大に床が凹むだろうと思うくらい重い。

 そういうわけでいまやインテリアの一部と化している。
 電動の業務用のものも格好いいが、さすがに大きすぎる。これを小型化したようなモデルもあったのだが、筐体が業務用と違ってプラスチック製なので、質感的に今ひとつなのであった。
 やっぱり、たとえ鋳鉄であっても、金属の存在感というものは樹脂と全然違うのである。いくら軽かろうが、カーボンのフレームというものにどうも食指が動かないというのは、クロモリに代表される金属に相当強い刷り込みを受けているからではないかと思われる。
 
 また、こういう人力手回し機構についつい入れ込んでしまうというのも、一種の自転車依存症であると考えることができる。
 足でペダルを漕いでコーヒー豆を挽くような酔狂なミルを自作する人がいれば、ぜひ見てみたいものなのである。
  そしてそのような器具を自作される際は、ぜひ変速装置を付けてもらいたいと思うのである。

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