マガジンのカバー画像

周庭『御宅女生的政治日常』

38
雨傘運動を牽引した「学民の女神」は、政治への第一歩を踏み出した――周庭さんが政治活動、大学生活、香港の文化などを語る。
運営しているクリエイター

記事一覧

「国家安全法」と香港のいま|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常──香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。香港の民主主義を大きく揺るがす「国家安全法」はなにが問題なのか。現地からアグネスさんが語ります。(翻訳:伯川星矢) 周庭 御宅女生的政治日常──香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第35回「国家安全法」と香港のいま私はここ数年のメディアインタビューでいつもこう言っています、香港の「一国二制度」はすでに「一国1.5制度」になっていると。けれど、最近の出

桜咲く香港と、新型コロナウイルスとの戦い|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常──香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。桜の季節を迎える香港でも、新型コロナウイルスとの戦いは続いています。そんななか周さんは、WHOの対応に関して疑問を呈します。(翻訳:伯川星矢) 周庭 御宅女生的政治日常──香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第34回 桜咲く香港と、新型コロナウイルスとの戦い 春。桜の季節。 今年はゆっくり花見ができない年になってしまいました。皆さんも私も、今回の新

新型コロナウイルスと政府の欺瞞|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。早くから新型コロナウイルスの脅威に直面した香港。感染を隠蔽しようとして拡大を招いた中国政府のみならず、日本政府が行った一連の対応についても、香港の人々の目には不合理なものに映っているようです。(翻訳:伯川星矢) 周庭 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第33回 新型コロナウイルスと政府の欺瞞 [編集部より] 周庭さんによる本

なぜデモに暴力がともなうのか、その原因と意義|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。流血の事態が続く香港の民主化デモ。警察の暴力的な対応のみならず、親中国派による襲撃も相次ぎ、混乱は増す一方のようです。なぜ民主派は武器を手に取るのか。11月24日に行われた区議会議員選挙の結果と合わせて、香港の「今」を報告します。(翻訳:伯川星矢) 周庭 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第32回 なぜデモに暴力がともなうのか

過激化する武力行使と学生銃撃事件|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。10月1日は中国の建国記念日にあたる「国慶節」。この日、18歳の学生が警官に胸部を銃撃され重症を負いました。過激化する警官隊の武力行使の中で抗議を続ける周庭さんが、苦しい胸の内を吐露しました。(翻訳:伯川星矢) 周庭 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第31回 過激化する武力行使と学生銃撃事件 香港の現状について3人の識者をお

突然の逮捕から保釈、そしてドイツ・オーストリアへの旅|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。8月30日の朝、周庭さんは無許可の集会への参加容疑で逮捕されました。翌日には保釈されたものの、拘置中は香港警察によるこれまでにない理不尽な扱いに晒されたといいます。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第30回 突然の逮捕から保釈、そしてドイツ・オーストリアへの旅 香港の活動はまだ続いています。香港人はまだ「

過激化する香港デモの真実|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。長期化しつつある香港の騒乱。日本のテレビでも過激なシーンが流れていますが、それは香港人の一面にすぎないといいます。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第29回 過激化する香港デモの真実 今この瞬間(2019年8月18日)、わたしはビクトリアパークで行われるデモに参加しようとしています。 これは6月以降、何

歴史的な200万人デモと苦すぎる現実|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。逃亡犯条例に端を発する巨大な運動の中にある周庭さん。来日中に史上最大規模となる200万人を動員するデモを実現し、条約改訂を封じ込めることには成功したものの、その心にあるのは苦い思いのようです。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第28回 歴史的な200万人デモと苦すぎる現実  この原稿を執筆し終えた時点で、F

雨傘運動以来の大規模デモ、逃亡条例改定反対運動のゆくえ|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。香港は今、大きく揺れています。中国の司法介入を認める逃亡犯条例の改定案が審議されているからです。13万人が街頭に出た、雨傘運動以来という反対運動の様子を語ります。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第27回 雨傘運動以来の大規模デモ、逃亡条例改定反対運動のゆくえ  いま、香港人がもっとも話題にしている「逃亡犯

卒論の季節と大学生になるということ|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。この3月は卒論に取り組んでいたという周庭さん。高校時代から学生運動に参加していた彼女にとって、日本よりもはるかに狭き門である香港の大学に合格することは、自身の活動を大人たちに認めさせるという意味でとても重要なことでした。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記  第26回 卒論の季節と大学生になるということ 忙しか

香港の罪が中国で裁かれる「逃亡犯条例」|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。今、香港を騒がせているのが「逃亡犯条例」の改定。香港・マカオ・台湾の犯罪者を、中国に引き渡し可能にするという条例です。香港の法的な自立性が脅かされつつある背景について語ります。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記  第25回 香港の罪が中国で裁かれる「逃亡犯条例」 ここ1ヶ月の間、香港で最も議論されている議題は

香港の春節と日本の大晦日|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。日本の正月にあたる春節(旧正月)を迎えた香港。周庭さんたち香港衆志は歳の市に出店し、干支にちなんだイノシシのデザインのグッズを販売することで、政党の理念のPRに努めたようです。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第24回 香港の春節と日本の大晦日 春節おめでとうございます! 日本の新年と同じように、春節は

37時間の誕生日と巨大化する人工島|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。アメリカの旅の途中に22歳の誕生日を迎えた周庭さん。前回に引き続いて、ランタオ島の埋め立て計画の続報をお届けします。政府と利権団体の緊密な関係によって、開発計画は無責任かつ杜撰に拡張され、ここでも香港議会はあからさまに軽視されているようです。(翻訳:伯川星矢) 2019年1月7日(月)に、周庭×宇野常寛 「香港で民主化運動している女子大生は今何を考えている

香港の利権を独占しているのは……?|周庭

香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。再び民主派の議員が立候補資格が取り消され、政府と民主派との対立が深まる香港。政府による土地の独占、造成予定の人工島の危険性など、現在の香港が抱えている問題について語ります。(翻訳:伯川星矢) 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第22回 香港の利権を独占しているのは……? また一人、立法会選挙の候補者が立候補無効となりました。